ドクター・キッド

〜小児科医が解説する子供の健康・病気・育児〜

感染症

ウイルス・細菌感染について

【肝炎ウイルス】E型肝炎について解説します

『肝炎ウイルスはA〜E型の5種類あります』 と保護者の方々に説明すると驚かれることがあります。世間一般に知られている肝炎ウイルスは、B型肝炎とC型肝炎です。もちろん、A型もD型もE型もあります。 前回はD型肝炎の診断と治療について、簡単に解説してき…

インフルエンザの感染予防について【相談】

インフルエンザは毎年冬に流行し、特に小児は免疫力が大人より未熟であること、集団生活で感染者への接触が多いことからインフルエンザにかかりやすいです。 今回はインフルエンザ感染の予防方法について解説していこうと思います。 予防方法として重要なの…

D型肝炎について解説します

前回はC型肝炎の診断と治療について、簡単に解説してきました。 www.dr-kid.net これまで、肝炎について説明してきて、A型、B型肝炎にも触れてきました。 www.dr-kid.net あまり聞きなれないかもしれませんが、今回はD型肝炎について説明していきます。 D型…

C型肝炎について解説します② 〜診断と治療と予防〜

前回はC型肝炎ウイルスの特徴と疫学(流行など)について解説してきました。 www.dr-kid.net 今回はC型肝炎の診断と治療について、簡単に解説していこうと思います。 C型肝炎ウイルスの診断について C型肝炎はその名の通り「C型肝炎ウイルスに感染して生じる…

小児の感染症における抗菌薬の投与期間と点滴から経口へスイッチのタイミング一覧【抗菌薬の適正使用】

今回はこちらの論文をピックアップしました。 www.ncbi.nlm.nih.gov 小児の感染症で抗菌薬を使うケースがあります。特に入院患者では抗菌薬を最初は点滴から始め、途中で経口内服に変更をして、退院するケースが多いでしょう。 この点滴から経口へのスイッチ…

小児のC型肝炎について解説します① 〜疫学と経過〜

これまでに肝炎の総論、A型肝炎、B型肝炎について解説してきました。 www.dr-kid.net 今回は小児のC型肝炎について解説していこうと思います。 C型肝炎ウイルスについて C型肝炎はその名の通り「C型肝炎ウイルスに感染して生じる肝炎」です。 ▪️ C型肝炎ウイ…

MRSAなど薬剤耐性菌への感染を予防するために【感染対策】

前回、薬剤耐性菌であるMRSAについて、簡単に説明してきました。 www.dr-kid.net MRSAは「特定の抗菌薬(メチシリン)に耐性となった黄色ブドウ球菌」のことをいいます。 ひと昔前、MRSAは院内感染がメインでしたが、今や院外感染も増えています。 今回はMRS…

【患者相談】赤ちゃんのおむつについた尿の色・匂いが気になります

『おむつについた尿の色が赤っぽくて気になります』 『おしっこの匂いが気になります』 と外来を受診されることがあります。 普段の尿と比べて色が変わったり、なんとなく匂いが異なると、心配になってしまうと思います。 今回はこの2つの質問にお答えして…

【予防接種】B型肝炎ウイルスとワクチンについて【臨床的な特徴、慢性化、抗体獲得率】

前回はB型肝炎ウイルスの一般的な特徴や、診断について説明してきました。 基本的なことをおさえるために、あえて小児科に関連した内容はさけて記載しています。 今回は、実際にB型肝炎ウイルスに感染した場合に起こる症状、慢性化のリスク、ワクチンについ…

【予防接種】B型肝炎ウイルスってなに?【特徴と抗原・抗体検査】

2016年10月からB型肝炎ワクチンが定期接種となりました。 B型肝炎は他の予防接種と比較して、あまり馴染みがないかもしれません。 B型肝炎ウイルスに感染し、慢性化すると慢性肝炎、肝硬変、肝臓ガンの原因になります。 特に乳幼児は慢性化しやすいため、予…

先天性鼻涙管閉塞について解説します

鼻涙管閉塞ってなんですか? 鼻涙管閉塞(びるいかんへいそく)は、その名の通り「鼻涙管」が「閉塞」してしまった状態をいいます。 上のイラストのように、目と鼻は鼻涙管という細い道(涙道)でつながっています。 ここが何らかの原因で閉塞してしまうと、…

新生児の敗血症ってなんですか?【生後1ヶ月未満の重症感染症】

以前、『生後3ヶ月未満の発熱は要注意』と説明しました。 生後3ヶ月未満の乳児・新生児は、免疫能が未熟であるため、重症化してしまうことがあります。 発熱した際には、注意深く様子をみる必要があるので、開業医ではなく入院できるレベルの病院へ受診し…

小児のA型肝炎について詳しく解説します【海外へいく子供は接種を推奨】

前回、こちらの記事で肝炎について、概要を説明しました: 例えば、肝炎の原因となる肝炎ウイルスは、A型〜E型肝炎ウイルスの5種類があり、それぞれ流行地域や特徴が少し異なります。 日本ではあまり聞きなれないかもしれませんが、今回はA型肝炎について説…

【感染対策】薬剤耐性菌のMRSAへの感染について【院外での感染も増えています】

『抗菌薬を安易に使っていると、耐性菌ができてしまう』 と聞いたことがあるかもしれません。 耐性菌で有名な菌の1つにMRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)があります。 今回は、こちらの耐性菌について解説してみようと思います。 黄色ブドウ球菌って何…

肝炎について教えてください【小児の肝炎:総論】

肝炎って何ですか? ▪️ 肝炎の原因を教えてください 1. ウイルスへの感染 2. ウイルス以外への感染 3. 感染症以外が原因の肝炎 肝炎ウイルスについて ▪️ 感染者数(アメリカのデータになりますが...) ウイルス性肝炎にかかると、どのような症状がでますか?…

【感染症疫学②】実効再生産数(R)とS-I-R モデル(Reed-Frost Epidemic Model)

前回、感染症疫学(Infectious disease epidemiology)」の「基本のき」であるR0(基本再生産数)について解説してきました。 R0は、新規に感染症にかかった1人が、免疫をもたない集団に入った場合、感染させることができる人数のことをいいました。 今回は…

【感染症疫学①】Lowell Reedと基本再生産数(R0)について【ワクチン接種率】

先日、感染症科の先生方に「感染症疫学(Infectious disease epidemiology)」について色々と質問される機会がありました。 感染症疫学の手法は、普段の研究で使う機会が乏しいのもあって、気がつくと色々と忘れて、また本を読み直してを繰り返しているため…

小児の皮膚感染症(蜂窩織炎)について解説します

蜂窩織炎って何ですか? 蜂窩織炎は「ほうかしきえん」と読み、平たくいうと皮膚や皮下にある軟部組織の感染症をいいます。 蜂窩織炎を起こす原因は細菌感染がほとんどで; 黄色ブドウ球菌 連鎖球菌(主に溶連菌) が多いです。 ▪️ 蜂窩織炎が起こりやすい場…

小児の風邪について詳しく解説します②:かぜの治療と受診の目安について

前回は風邪の原因、症状と合併症について解説してきました。 今回は風邪の治療について説明しようと思います。 対症療法について 『対症療法で様子をみましょう』 と外来で小児科医に説明されたことがあるかもしれません。 対症療法とは、症状に応じたお薬を…

小児の風邪について詳しく解説します①:原因・症状・合併症について

小児の風邪は乳幼児や学童を含め、最も多い病気です。 こどもが風邪を引くと登校・登園ができなくなりますし、保護者も仕事を休まなければいけなくなるケースも出てきます。 今回は2回にわたり、 風邪の原因 風邪の症状 風邪の治療 について解説していこう…

こどもの首にしこりがあります 〜主に頚部リンパ節炎について〜

『首に小さなしこりがあります』 『顎のしたに出来物があります』 『耳の後ろに、なにかしこりのようなものがあって...』 『この、首のグリグリ、なんですか?』 と心配されて受診されるケースは時々あります。 お風呂に入った際や、ちょっと顔や首回りを触…

卵アレルギーや喘息のある小児に、経鼻インフルエンザ生ワクチンを使用してもよいか?

『インフルエンザワクチンって生ワクチンがあるのですか?』 といきなり質問されてしまいそうですが、海外では2歳以上を対象に、経鼻からインフルエンザ生ワクチンを接種している国があります。 フルミスト(FluMist)と呼ばれる製品が一番有名かもしれませ…

こどもの肺炎について簡単に解説します

肺炎と聞くと何となくイメージがつくでしょうが、それでも私たち小児科医と保護者の方々では理解や知識は異なると思います。 今回は、肺炎について、小児科医なりに解説をしていこうと思います。 肺炎とは肺の感染症 肺炎はその名の通り「肺に感染が起きて炎…

こどもの咳の原因や、受診の目安について

今回はこどもの咳について、広く浅く説明していきましょう。 なぜ咳をするのですか? 咳は空気の通り道をきれいにしたり、異物が気管支や肺に入らないように起こる反射です。 ▪️ 乾いた咳と湿った咳 ひょっとしたら小児科医から『咳は乾いていますか?』と質…

急性虫垂炎(盲腸)について解説します

急性虫垂炎について 小児科医が腹痛で受診された子供で恐れている疾患の一つが急性虫垂炎です。 一般の方は「もうちょう(盲腸)」といっていますが、虫垂に炎症が起きているため、医学的には「虫垂炎」という名称が正しいです。 ▪️ 急性虫垂炎を起こしやす…

こどもの尿路感染症について解説します

尿路感染症について 尿路感染症とは、膀胱・尿管・腎臓といった尿が流れる組織に細菌が感染した状態をいいます。 ▪️ 尿路感染症を起こしやすい年齢 尿路感染症が多いのは0〜2歳です。 0〜2歳の乳幼児の発熱のうち5%くらいは尿路感染症といわれています…

こどもの髄膜炎について詳しく解説します

髄膜炎って何ですか? 髄膜炎(ずいまくえん)は脳や脊髄を保護する膜(髄膜)に炎症がある状態をいいます。 ▪️ 髄膜炎が起こる理由 髄膜炎の原因はほとんどが、ウイルスや細菌による感染症です。 頻度は多くありませんが、薬剤(免疫グロブリンなど)から髄…

日本脳炎ワクチンって必要ですか?

『日本脳炎ワクチンはうけた方が良いですか?』 と外来で質問されることが、時々あります。 水痘(みずぼうそう)やムンプス(おたふくかぜ)のように身近な疾患でないせいか、『日本脳炎のワクチンって本当に必要?』と思われる方も多いです。 今回はこちら…

ハチミツを与えるのは1歳を過ぎてから

ハチミツにはボツリヌス菌がいるため注意が必要です。 『ハチミツを与えるのは1歳すぎてから』 と言われている理由について、詳しく解説します。 乳児ボツリヌス症を起こりやすい月齢 乳児ボツリヌス症になる年齢分布は非常に特徴的です。 乳児ボツリヌス症…

インフルエンザ桿菌(Hib:ヒブ)とHibワクチンについて解説します

Hib(ヒブ)って何ですか? Hib (ヒブ)はインフルエンザ桿菌 (Hemophils influenza type b)の略語で、頭文字のHibをとってヒブと言っています。 ▪️ ヒブ感染症のポイント まず、ヒブ感染症のポイントを説明します。 重要なポイントは以下の4点です: "ヒブ…