ドクター・キッド

〜小児科医が解説する子供の健康・病気と単なる雑記のブログ〜

感染症

ウイルス・細菌感染について

おむつについた尿の色と匂いが気になります

『おむつについた尿の色が赤っぽくて気になります』 『おしっこの匂いが気になります』 と外来を受診されることがあります。 今回はこの2つの質問にお答えしてみようと思います。 赤い色のおしっこについて ▪️ 尿酸塩について 赤ちゃんの赤色の尿の原因とし…

B型肝炎ウイルスとワクチンについて解説します② 〜臨床的な特徴、慢性化、ワクチンについて〜

前回はB型肝炎ウイルスの一般的な特徴や、診断について説明してきました。 今回は、実際にB型肝炎ウイルスに感染した場合に起こる症状、慢性化のリスク、ワクチンについて解説していこうと思います。 B型肝炎の臨床的な特徴 ここからはB型肝炎の臨床的な特徴…

B型肝炎ウイルスとワクチンについて解説します① 〜ウイルスの特徴と抗原・抗体検査について〜

2016年10月からB型肝炎ワクチンが定期接種となりました。 B型肝炎は他の予防接種と比較して、あまり馴染みがないかもしれません。 B型肝炎ウイルスに感染し、慢性化すると慢性肝炎、肝硬変、肝臓ガンの原因になります。 特に乳幼児は慢性化しやすいため、予…

先天性鼻涙管閉塞について解説します

鼻涙管閉塞ってなんですか? 鼻涙管閉塞(びるいかんへいそく)は、その名の通り「鼻涙管」が「閉塞」してしまった状態をいいます。 上のイラストのように、目と鼻は鼻涙管という細い道(涙道)でつながっています。 ここが何らかの原因で閉塞してしまうと、…

新生児の敗血症ってなんですか?

以前、『生後3ヶ月未満の発熱は要注意』と説明しました。 生後3ヶ月未満の乳児・新生児は、免疫能が未熟であるため、重症化してしまうことがあります。 発熱した際には、注意深く様子をみる必要があるので、開業医ではなく入院できるレベルの病院へ受診し…

A型肝炎について詳しく解説します

前回、こちらの記事で肝炎について、概要を説明しました: 例えば、肝炎の原因となる肝炎ウイルスは、A型〜E型肝炎ウイルスの5種類があり、それぞれ流行地域や特徴が少し異なります。 日本ではあまり聞きなれないかもしれませんが、今回はA型肝炎について説…

薬剤耐性菌のMRSAってなんですか?

『抗菌薬を安易に使っていると、耐性菌ができてしまう』 と聞いたことがあるかもしれません。 耐性菌で有名な菌の1つにMRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)があります。 今回は、こちらの耐性菌について解説してみようと思います。 黄色ブドウ球菌って何…

肝炎について教えてください

肝炎って何ですか? 肝炎とは、その名の通り『肝臓に炎症が起きている状態』をいいます。 肝臓は有害な物質を分解したり、栄養を貯蓄したり、胆汁という消化酵素を分泌したりと、様々な機能を担っています。 そこに炎症が起きてしまうと、肝臓の機能が著しく…

感染症疫学②:実効再生産数(R)とS-I-R モデルについて

前回、感染症疫学(Infectious disease epidemiology)」の「基本のき」であるR0(基本再生産数)について解説してきました。 R0は、新規に感染症にかかった1人が、免疫をもたない集団に入った場合、感染させることができる人数のことをいいました。 今回は…

感染症疫学①:基本再生産数(R0)について

先日、感染症科の先生方に「感染症疫学(Infectious disease epidemiology)」について色々と質問される機会がありました。 感染症疫学の手法は、普段の研究で使う機会が乏しいのもあって、気がつくと色々と忘れて、また本を読み直してを繰り返しているため…

小児の皮膚感染症(蜂窩織炎)について解説します

蜂窩織炎って何ですか? 蜂窩織炎は「ほうかしきえん」と読み、平たくいうと皮膚や皮下にある軟部組織の感染症をいいます。 蜂窩織炎を起こす原因は細菌感染がほとんどで; 黄色ブドウ球菌 連鎖球菌(主に溶連菌) が多いです。 ▪️ 蜂窩織炎が起こりやすい場…

小児の風邪について詳しく解説します②:かぜの治療と受診の目安について

前回は風邪の原因、症状と合併症について解説してきました。 今回は風邪の治療について説明しようと思います。 対症療法について 『対症療法で様子をみましょう』 と外来で小児科医に説明されたことがあるかもしれません。 対症療法とは、症状に応じたお薬を…

小児の風邪について詳しく解説します①:原因・症状・合併症について

小児の風邪は乳幼児や学童を含め、最も多い病気です。 こどもが風邪を引くと登校・登園ができなくなりますし、保護者も仕事を休まなければいけなくなるケースも出てきます。 今回は2回にわたり、 風邪の原因 風邪の症状 風邪の治療 について解説していこう…

こどもの首にしこりがあります 〜頚部リンパ節炎について〜

『首に小さなしこりがあります』 と心配されて受診されるケースは時々あります。 多くは頚部リンパの腫れで、様子をみていてよいことがほとんどです。 今回は、頚部リンパ節炎について説明します。 リンパ節ってなんですか? イラスト(緑色の部分)のように…

卵アレルギーや喘息のある小児に、経鼻インフルエンザ生ワクチンを使用してもよいか?

『インフルエンザワクチンって生ワクチンがあるのですか?』 といきなり質問されてしまいそうですが、海外では2歳以上を対象に、経鼻からインフルエンザ生ワクチンを接種している国があります。 フルミスト(FluMist)と呼ばれる製品が一番有名かもしれませ…

こどもの肺炎について簡単に解説します

肺炎と聞くと何となくイメージがつくでしょうが、それでも私たち小児科医と保護者の方々では理解や知識は異なると思います。 今回は、肺炎について、小児科医なりに解説をしていこうと思います。 肺炎とは肺の感染症 肺炎はその名の通り「肺に感染が起きて炎…

こどもの咳の原因や、受診の目安について

今回はこどもの咳について、広く浅く説明していきましょう。 なぜ咳をするのですか? 咳は空気の通り道をきれいにしたり、異物が気管支や肺に入らないように起こる反射です。 ▪️ 乾いた咳と湿った咳 ひょっとしたら小児科医から『咳は乾いていますか?』と質…

急性虫垂炎(盲腸)について解説します

急性虫垂炎について 小児科医が腹痛で受診された子供で恐れている疾患の一つが急性虫垂炎です。 一般の方は「もうちょう(盲腸)」といっていますが、虫垂に炎症が起きているため、医学的には「虫垂炎」という名称が正しいです。 ▪️ 急性虫垂炎を起こしやす…

こどもの尿路感染症について解説します

尿路感染症について 尿路感染症とは、膀胱・尿管・腎臓といった尿が流れる組織に細菌が感染した状態をいいます。 ▪️ 尿路感染症を起こしやすい年齢 尿路感染症が多いのは0〜2歳です。 0〜2歳の乳幼児の発熱のうち5%くらいは尿路感染症といわれています…

こどもの髄膜炎について詳しく解説します

髄膜炎って何ですか? 髄膜炎(ずいまくえん)は脳や脊髄を保護する膜(髄膜)に炎症がある状態をいいます。 ▪️ 髄膜炎が起こる理由 髄膜炎の原因はほとんどが、ウイルスや細菌による感染症です。 頻度は多くありませんが、薬剤(免疫グロブリンなど)から髄…

日本脳炎ワクチンって必要ですか?

『日本脳炎ワクチンはうけた方が良いですか?』 と外来で質問されることが、時々あります。 水痘(みずぼうそう)やムンプス(おたふくかぜ)のように身近な疾患でないせいか、『日本脳炎のワクチンって本当に必要?』と思われる方も多いです。 今回はこちら…

ハチミツを与えるのは1歳を過ぎてから

ハチミツにはボツリヌス菌がいるため注意が必要です。 『ハチミツを与えるのは1歳すぎてから』 と言われている理由について、詳しく解説します。 乳児ボツリヌス症を起こりやすい月齢 乳児ボツリヌス症になる年齢分布は非常に特徴的です。 乳児ボツリヌス症…

インフルエンザ桿菌(Hib:ヒブ)とHibワクチンについて解説します

Hib(ヒブ)って何ですか? Hib (ヒブ)はインフルエンザ桿菌 (Hemophils influenza type b)の略語で、頭文字のHibをとってヒブと言っています。 ▪️ ヒブ感染症のポイント まず、ヒブ感染症のポイントを説明します。 重要なポイントは以下の4点です: "ヒブ…

BCGワクチンは肺結核、粟粒結核・髄膜炎の予防に有効

日本では「ハンコ注射」でおなじみのBCGワクチンです。 BCGワクチンは肺結核、粟粒結核、結核性髄膜炎に有効といわれていますが、今回はその有効性を示した論文をピックアップしました。 研究の背景 研究の解析が始められた2009年までにBCGワクチンの有効性…

麻疹(はしか)について解説します

麻疹(はしか)のまとめ 麻疹ウイルスの空気感染によっておこります。 発熱、咳、鼻水、発疹を特徴としています。 予防接種を受けないと、多くの人がかかる病気です。 肺炎、中耳炎、脳炎といった合併症があります。 1歳になったら早めにワクチンを受けるよ…

小児科医の視点から考えた、ペットと子供の生活について

ペットは私たちの生活のパートナー ペットは人間社会と、非常に深く関連しています。 ペットは「家族」「生活のパートナー」「生きがい」など、人間生活のなかで様々な役割を担っています。 核家族・少子高齢化が背景にあり、ペットの飼育数が増加傾向にあり…

解熱後、どのくらいしたら登園・登校してよいですか?

『熱が下がったら登園・登校してよいですか?』 『登園・登校の目安を教えてください』 と外来で質問されることが多いです。 確かに、いつから登園・登校してよいか、はかなり曖昧です。 今回は、こちらの質問に私なりにお答えしてみようと思います。 解熱 ≠…

咳が出て辛そうです。咳止めをください。

『咳が出て辛そうです。薬を出して、なんとかしてくれませんか?』 という相談は、ほぼ毎日のようにあります。 今回はこちらの質問に答えてみようと思います。 咳は体の防御反応です 風邪をひくと鼻や喉に細菌・ウイルスが増殖し、分泌物が増えます。 咳は、…

熱が出た時、冷やしたほうがいいですか?温めたほうがいいですか?

『発熱』は小児科外来受診の理由として、最も多いです。 外来でよく質問されることの1つで: 『熱が出た時は、冷やしたほうがよいですか?』 『それとも、しっかり着せて温めたほうがよいですか?』 という質問がとても多いです。 この『冷やすべきか or 温…

小児インフルエンザの臨床診断はあてにならない?

今回はこちらの論文をピックアップしました。インフルエンザの臨床診断の正確性について検討した論文です; 冬場になると、どこの病院もインフルエンザの患者さんで外来はパンク状態になります。 待ち時間が長くなる理由として、迅速検査にあります。 迅速検…