ドクター・キッド

〜小児科医が解説する子供の健康・病気と単なる雑記のブログ〜

感染症

ウイルス・細菌感染について

こどもの咳の原因や、受診の目安について

今回はこどもの咳について、広く浅く説明していきましょう。 なぜ咳をするのですか? 咳は空気の通り道をきれいにしたり、異物が気管支や肺に入らないように起こる反射です。 ▪️ 乾いた咳と湿った咳 ひょっとしたら小児科医から『咳は乾いていますか?』と質…

急性虫垂炎(盲腸)について解説します

急性虫垂炎について 小児科医が腹痛で受診された子供で恐れている疾患の一つが急性虫垂炎です。 一般の方は「もうちょう(盲腸)」といっていますが、虫垂に炎症が起きているため、医学的には「虫垂炎」という名称が正しいです。 ▪️ 急性虫垂炎を起こしやす…

こどもの尿路感染症について解説します

尿路感染症について 尿路感染症とは、膀胱・尿管・腎臓といった尿が流れる組織に細菌が感染した状態をいいます。 ▪️ 尿路感染症を起こしやすい年齢 尿路感染症が多いのは0〜2歳です。 0〜2歳の乳幼児の発熱のうち5%くらいは尿路感染症といわれています…

こどもの髄膜炎について詳しく解説します

髄膜炎って何ですか? 髄膜炎(ずいまくえん)は脳や脊髄を保護する膜(髄膜)に炎症がある状態をいいます。 ▪️ 髄膜炎が起こる理由 髄膜炎の原因はほとんどが、ウイルスや細菌による感染症です。 頻度は多くありませんが、薬剤(免疫グロブリンなど)から髄…

日本脳炎ワクチンって必要ですか?

『日本脳炎ワクチンはうけた方が良いですか?』 と外来で質問されることが、時々あります。 水痘(みずぼうそう)やムンプス(おたふくかぜ)のように身近な疾患でないせいか、『日本脳炎のワクチンって本当に必要?』と思われる方も多いです。 今回はこちら…

ハチミツを与えるのは1歳を過ぎてから

ハチミツにはボツリヌス菌がいるため注意が必要です。 『ハチミツを与えるのは1歳すぎてから』 と言われている理由について、詳しく解説します。 乳児ボツリヌス症を起こりやすい月齢 乳児ボツリヌス症の年齢分布は非常に特徴的です。 乳児ボツリヌス症は生…

インフルエンザ桿菌(Hib:ヒブ)とHibワクチンについて解説します

Hib(ヒブ)って何ですか? Hib (ヒブ)はインフルエンザ桿菌 (Hemophils influenza type b)の略語で、頭文字のHibをとってヒブと言っています。 ▪️ ヒブ感染症のポイント まず、ヒブ感染症のポイントを説明します。 重要なポイントは以下の4点です: "ヒブ…

BCGワクチンは肺結核、粟粒結核・髄膜炎の予防に有効

日本では「ハンコ注射」でおなじみのBCGワクチンです。 BCGワクチンは肺結核、粟粒結核、結核性髄膜炎に有効といわれていますが、今回はその有効性を示した論文をピックアップしました。 研究の背景 研究の解析が始められた2009年までにBCGワクチンの有効性…

麻疹(はしか)について解説します

麻疹(はしか)のまとめ 麻疹ウイルスの空気感染によっておこります。 発熱、咳、鼻水、発疹を特徴としています。 予防接種を受けないと、多くの人がかかる病気です。 肺炎、中耳炎、脳炎といった合併症があります。 1歳になったら早めにワクチンを受けるよ…

小児科医の視点から考えた、ペットと子供の生活について

ペットは私たちの生活のパートナー ペットは人間社会と、非常に深く関連しています。 ペットは「家族」「生活のパートナー」「生きがい」など、人間生活のなかで様々な役割を担っています。 核家族・少子高齢化が背景にあり、ペットの飼育数が増加傾向にあり…

解熱後、どのくらいしたら登園・登校してよいですか?

『熱が下がったら登園・登校してよいですか?』 『登園・登校の目安を教えてください』 と外来で質問されることが多いです。 確かに、いつから登園・登校してよいか、はかなり曖昧です。 今回は、こちらの質問に私なりにお答えしてみようと思います。 解熱 ≠…

咳が出て辛そうです。咳止めをください。

『咳が出て辛そうです。薬を出して、なんとかしてくれませんか?』 という相談は、ほぼ毎日のようにあります。 今回はこちらの質問に答えてみようと思います。 咳は体の防御反応です 風邪をひくと鼻や喉に細菌・ウイルスが増殖し、分泌物が増えます。 咳は、…

熱が出た時、冷やしたほうがいいですか?温めたほうがいいですか?

『発熱』は小児科外来受診の理由として、最も多いです。 外来でよく質問されることの1つで: 『熱が出た時は、冷やしたほうがよいですか?』 『それとも、しっかり着せて温めたほうがよいですか?』 という質問がとても多いです。 この『冷やすべきか or 温…

小児インフルエンザの臨床診断はあてにならない?

今回はこちらの論文をピックアップしました。インフルエンザの臨床診断の正確性について検討した論文です; 冬場になると、どこの病院もインフルエンザの患者さんで外来はパンク状態になります。 待ち時間が長くなる理由として、迅速検査にあります。 迅速検…

抗ヒスタミン薬や鼻づまり薬は小児の中耳炎の予防に効果なし

今回はクラシックな論文をピックアップしました。 1979年にPediatricsで発表されたランダム化比較試験です。 研究の背景 中耳炎は6歳以下の小児に比較的頻回に起こる疾患です。治療法は軽症であれば鎮痛剤、中等症以上であれば抗生物質を使用するのが一般的…

インフルエンザの迅速検査で陰性と言われましたが、本当にインフルエンザじゃないですか?〜データと陰性的中率から考察する〜

前回、インフルエンザ迅速検査の感度は発熱から検査をするまでの時間で大きく変化することを説明してきました。 上の図を用いて説明してきたように、感度80%以上の状態で迅速検査を行いたい場合、最低でも24時間は経過してからのほうが良いと言えます。 ■ 感…

インフルエンザ迅速検査は発熱後何時間が適切かデータから読み解いてみた

前回、インフルエンザ迅速検査の感度・特異度について記載された論文の解説をしてきました。 恥ずかしながら、この論文を読む前までは 『インフルエンザ検査は発熱12時間以降にしましょう』 と平気で発言していました。 しかし、この論文を読んで、個人的に…

インフルエンザの迅速検査は発熱後24-48時間に!

今回の論文はこちら: 2011年のEuropean Journal of Pediatrics (欧州小児科学会の英文誌)に掲載された論文です。(スイスで行われた研究のようです) なかには『お子さんのインフルエンザの検査は、発症後〇〇時間くらい経過していないと検査できません』…

抗インフルエンザ薬は結局どれを使用すればよいのか?〜タミフル vs. リレンザ vs. イナビル vs. ラピアクタの比較試験〜

今回はこちらの論文をピックアップしました。 小児の抗インフルエンザ薬(Neuraminidase阻害薬)4剤を比較した日本発のRCTです。 抗インフルエンザ薬(Neuraminidase阻害薬)で小児によく使用されるのは; タミフル(Oseltamivir;内服薬):2001年に承認 …

卵アレルギーとインフルエンザワクチン接種の可否について

卵アレルギーとインフルエンザ・ワクチン接種について ポイントは以下の3点です; インフルエンザワクチンには微量の鶏卵成分が含まれてます アレルギー症状はでないことがほとんどで、基本的に安全です 卵アレルギーのある方は事前に主治医とよく相談しま…

かぜをひいた時にお風呂に入れてもよいですか?

カゼのときにお風呂に入ってはダメですか? 外来で患者さんからの質問で多いのは 「カゼひいてる、熱があるので、入浴はしないほうがよいですか?」 です。 1日外来していると、大抵は誰かに質問されます。 カゼをひいてしまったお子さんの入浴について、迷…

百日咳について解説します

百日咳の原因について 百日咳は、百日咳菌という細菌に感染して起こります。 百日咳菌には、B. pertussisとB. parapertussisの2種類います。 百日咳は世界的にずっと流行していて、全世界で年間20〜30万人が死亡しているといわれています。 日本を含む先進…

1歳未満の乳児へのインフルエンザワクチンについて

1歳未満の乳児へのインフルエンザワクチンのポイント 生後6ヶ月からインフルエンザワクチンを接種できます 1歳未満のインフルエンザワクチン接種は抗体(免疫)がややつきにくいです 1歳未満にワクチン接種をすると、10-70%くらいの確率で抗体がつきます …

こどものインフルエンザを解説します

インフルエンザのポイント インフルエンザは風邪と似た症状がでます 高熱や筋肉痛がでるのが特徴です 検査は発症24時間後、抗インフルエンザ薬は発症48時間以内が望ましいです 脳症や肺炎を起こすことがあるので注意が必要です インフルエンザって何ですか…

予防接種に行く前に読むとよいでしょう

予防接種に行く前に以下をチェック 予防接種に行く前に以下の点をチェックするとよいでしょう; お子さんの体調はよいですか? 接種する予防接種について、必要性や副反応を理解しているか? 母子手帳は持ちましたか? 予診票は記入したか? これらをきちん…

水痘(水疱瘡)について解説します

水痘(水疱瘡)のまとめ 水痘は水痘帯状疱疹ウイルスの初感染で起こります 空気感染によって広がり、感染力は強いです 潜伏期間は10〜21日程度です 痒みを伴う水ぶくれ(水疱)から痂皮(かさぶた)になり治癒します 登園または登校の許可は全ての発疹が痂皮…

扁桃腺の肥大と手術適応について

扁桃腺・アデノイドってなに? 扁桃腺は喉に複数あります。それぞれ、口蓋扁桃やアデノイド(咽頭扁桃)といわれています。 扁桃腺の役割は、細菌感染から体を守ることです。扁桃腺は細菌やウイルスを処理する臓器ですので、感染を起こしやすい臓器といえま…

赤ちゃんの鼻水、鼻づまりは、『ママ鼻水トッテ』の使用をオススメしてます

ママ鼻水トッテ:耳鼻科医が考案した鼻すい器 丹平製薬 ママ鼻水トッテ (0歳から対象) 耳鼻科の先生が考案した、お口で吸うタイプの鼻すい器 出版社/メーカー: 丹平製薬 メディア: Baby Product 購入: 13人 クリック: 41回 この商品を含むブログ (29件) を見…

小児科医が解説するりんご病(伝染性紅斑)

リンゴ病(伝染性紅斑)の原因って!? 『りんご病』は医学用語で『伝染性紅斑』といいます。 伝染性紅斑は、ほっぺが『リンゴのように赤くなる』ため、りんご病といわれています。 ■ 伝染性紅斑の原因はウイルス感染ですよ 伝染性紅斑の原因は『パルボウイ…

伝染性単核球症(EBウイルス)を解説します

伝染性単核球症ってなんですか? 伝染性単核球症は「EBウイルス」に感染すると起こります。 EBはEpstein-Barrという名前の頭文字でEBウイルスといい、 ヒトヘルペスウイルスに分類されています。 ■ EBウイルスの感染経路 EBウイルスは、唾液から感染すること…