小児科

【第2種学校感染症以外】外出や登園・登校はいつからよいですか?【登校(園)の目安のまとめ】

前回はインフルエンザ、水痘など第2種学校感染症を中心に登校・登園の基準を説明してきいました。

 

これらの学校感染症以外でも、

  • 『小児科の先生に聞いてきてください』
  • 『登園の許可をもらってくてください』

と受診されるケースもあります。

一般的に、学校感染症で定められた疾患以外や、単なるウイルス感染では、集団生活を行なってはいけない期間や、登園・登校の基準に明確なものはありません。

一般的な目安として、

  • 解熱した
  • 食事・水分がある程度しっかりとれる
  • 本人が元気である

など、普段とあまり代わりない体調であれば、登園・登校は可能と考えています。

「解熱した」と思っても再度発熱することもあるので、できれば解熱して1日くらいはご自宅で様子をみたほうがよいと思いますが、共働きで実現が困難な場合もあると思います。

地域にある病児保育などもうまく活用されるとよいと考えています。

今回は、

  • 溶連菌
  • マイコプラズマ肺炎
  • RSウイルス感染症
  • ウイルス性胃腸炎
  • 手足口病
  • ヘルパンギーナ
  • 伝染性紅斑

の潜伏期、感染しやすい時期、登園・登校の目安を説明していきましょう。

溶連菌感染症

溶連菌感染症は年中いつでも起こる主に喉の感染症です。

潜伏期間2〜5日程度です。
感染しやすい期間ですが、適切な抗菌薬治療を開始後1日までが、最も感染力が強いです。登校・登園の基準は、

  • 抗菌薬内服後24〜48時間後

です。

溶連菌は抗菌薬にとても素直に反応しますので、内服1日後には熱が下がっていることがほとんどです。

マイコプラズマ肺炎

マイコプラズマ肺炎は全身に水疱ができる疾患で、ワクチンで予防可能です。

潜伏期間は長めで、7〜28日です。

感染しやすい時期は、適切な抗菌薬を投与開始後数日までです。
登校・登園基準は、発熱や激しい咳が治まってからとなっています。

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RSウイルス感染症

RSウイルス感染症は小児のかぜや細気管支炎、肺炎を起こす感染症で、2歳までのほぼ100%が感染するといわれています。

RSウイルス感染症は潜伏期間が2〜8日です。
感染しやすい時期は、咳や喘鳴など呼吸器症状のある期間とされています。

登園・登校の目安は、咳など呼吸器症状がある程度落ち着いて、全身状態が良好になってからとされています。

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ウイルス性胃腸炎

ウイルス性胃腸炎は、ノロウイルス、ロタウイルス、アデノウイルスなどに感染して嘔吐・下痢としった胃腸炎の症状がでる状態です。

この疾患の潜伏期間は1〜4日です。
感染しやすい時期は、下痢など症状が出現している時から症状消失後1週間程度です。

登園・登校の基準は、嘔吐・下痢などの症状がある程度治まり、普段の食事ができてからがよいでしょう。

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手足口病

手足口病は、手足の発疹、喉の痛み、発熱などを特徴にした疾患です。

潜伏期間3〜6日です。
感染しやすい時期は、手足や口に症状が出現してから数日間となっています。

登校・登園の目安は、解熱して、口や喉の症状が落ち着き、食事が摂取ができることです。

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ヘルパンギーナ

ヘルパンギーナは高熱と喉の炎症を特徴とした病気です。
最近は「ヘルパン」と略す親御さんも増えてきた印象です。

ヘルパンギーナの潜伏期間は、3〜6日です。

感染しやすい期間は、発熱や咽頭痛出現後2〜3日後までです。ですが、ウイルスが便中に1ヶ月以上出ていることがあります。

登校・登園の基準は、解熱して口の痛みが落ち着き、食事摂取が普段どおりとれることとなっています。

伝染性紅斑(りんご病)

伝染性紅斑は別名「りんご病」といわれています。

潜伏期間は、4〜21日となっています。

感染しやすい期間は、発疹出現の1週間前までです。(つまり、発疹が出ているころには、感染力はかなり弱まっています)
登校・登園の基準は、全身状態がよいこととなっています。発疹は出ていても構いません。

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小児によくある感染症の潜伏期間・感染しやすい期間・登校(園)基準のまとめ

これまでの説明をまとめると以下の表になります。

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上の表は厳密に決められた決まりではないので、診察した小児科医によって言うことは変わるかもしれません。
あくまでも目安として捉えると良いでしょう。

潜伏期間や感染しやすい期間を知ることで、いつまで病気の心配をしたらよいか、家族内感染(特に兄弟・姉妹)の予防に力を入れるべき期間の目安になります。

 

Reference

・CURRENT Diagnosis and Treatment Pediatrics, Twenty-Fourth Edition
・Nelson Textbook of Pediatrics, 2-Volume Set
・Nelson Essentials of Pediatrics, 8e
・Medical Note presents
・小児科学, 10e
・小児の薬の選び方・使い方
・HAPPY!こどものみかた
・子どもの風邪
・小児科診療ガイドライン
・今日の治療薬

ABOUT ME
Dr-KID
Dr-KID
このブログ(https://www.dr-kid.net )を書いてる小児科専門医・疫学者。 小児医療の研究で、英語論文を年5〜10本執筆、査読は年30-50本。 趣味は中長期投資、旅・散策、サッカー観戦。note (https://note.mu/drkid)もやってます。