賢明な医療の選択

早産児のルーチンなスクリーニングとしての満期同等または退院時の脳MRI検査は避ける [Choosing wisely]

今回は、NICUの早産児のMRIに関してです。

この推奨を「choosing wisely」ではどのように記載されているのか紹介してみようと思います。

ユーキ先生
ユーキ先生
新生児に対する抗菌薬の使用戦略影に関して、どうなっているのでしょうか?

Dr.KID
Dr.KID
Choosing wiselyを見てみましょう。

ポイント

  •  Choosing wisely:NICUの早産児のMRIに関して
  •  ルーチンでの使用は避ける

  American Academy of PediatricsからのChoosing Wisely

早産児のルーチンなスクリーニングとしての満期同等または退院時の脳MRI検査は避ける [Choosing wisely]

Avoid routine screening term-equivalent or discharge brain MRIs in preterm infants.

Findings on term-equivalent magnetic resonance imaging (MRI) correlate with neurodevelopmental outcomes at discharge and at 2 and 5 years of age. There is, however, insufficient evidence that the routine use of term-equivalent or discharge screening brain MRIs in preterm infants improves long-term outcome.

早産児のルーチンなスクリーニングとしての満期同等または退院時の脳MRI検査は避けるべきである。

早産児の脳のMRI検査は、退院時や2歳、5歳時の神経発達の結果と相関している。

しかし、早産児の脳MRI検査をルーチンに行うことで、長期的な転帰が改善されるという証拠は十分にない。

考察と感想

主にNICUの早産児のMRIについてですね。

「ルーチンでの」という言い回し、言いたいことはわかるのですが、私のような素人ですと、どこを基準にしたら良いのか難しいですね。。。

たくさんの文献リストがあったので、私も読んでみようと思います。日本の先生方が書かれた文献もリストに入っており、非常に素晴らしいですね。

 

文献リストは↓↓

Iwata S, Nakamura T, Hizume E, Kihara H, Takashima S, Matsuishi T, Iwata O. Qualitative brain MRI at term and cognitive outcomes at 9 years after very preterm birth. Pediatrics. 2012 May;129(5):e1138-47.

Janvier A, Barrington K. Trying to predict the future of ex-preterm infants: who benefits from a brain MRI at term? Acta Paediatr. 2012 Oct;101(10):1016-7.

Miller SP, Ferriero DM, Leonard C, Piecuch R, Glidden DV, Partridge JC, Perez M, Mukherjee P, Vigneron DB, Barkovich AJ. Early brain injury in premature newborns detected with magnetic resonance imaging is associated with adverse early neurodevelopmental outcome. J Pediatr. 2005 Nov;147(5):609-16.

Nongena P, Ederies A, Azzopardi DV, Edwards AD. Confidence in the prediction of neurodevelopmental outcome by cranial ultrasound and MRI in preterm infants. Arch Dis Child Fetal Neonatal Ed. 2010 Nov; 95(6):F388-90.

Pearce R, Baardsnes J. Term MRI for small preterm babies: do parents really want to know and why has nobody asked them? Acta Paediatr. 2012 Oct;101(10):1013-5.

Setänen S, Haataja L, Parkkola R, Lind A, Lehtonen L. Predictive value of neonatal brain MRI on the neurodevelopmental outcome of preterm infants by 5 years of age. Acta Paediatr. 2013 May;102(5):492-7.

Woodward LJ, Anderson PJ, Austin NC, Howard K, Inder TE. Neonatal MRI to predict neurodevelopmental outcomes in preterm infants. N Engl J Med. 2006 Aug 17; 355(7):685-94.

Woodward LJ, Clark CA, Bora S, Inder TE. Neonatal white matter abnormalities an important predictor of neurocognitive outcome for very preterm children. PLoS One. 2012;7(12):e51879.

まとめ

今回は、主にNICUの早産児のMRIに関してご紹介しました。

これ以外にも、Choosing wiselyには項目が出ているようなので、コツコツと読んでいこうと思います。

 

created by Rinker
¥6,600
(2024/12/08 20:31:13時点 Amazon調べ-詳細)

Dr. KIDの執筆した書籍・Note

医学書:小児のかぜ薬のエビデンス

小児のかぜ薬のエビデンスについて、システマティックレビューとメタ解析の結果を中心に解説しています。
また、これらの文献の読み方・考え方についても「Lecture」として解説しました。
1冊で2度美味しい本です:

小児の診療に関わる医療者に広く読んでいただければと思います。

医学書:小児の抗菌薬のエビデンス

こちらは、私が3年間かかわってきた小児の抗菌薬の適正使用を行なった研究から生まれた書籍です。

日本の小児において、現在の抗菌薬の使用状況の何が問題で、どのようなエビデンスを知れば、実際の診療に変化をもたらせるのかを、小児感染症のエキスパートの先生と一緒に議論しながら生まれた書籍です。

created by Rinker
¥3,850
(2024/12/08 01:43:13時点 Amazon調べ-詳細)

Dr.KID
Dr.KID
各章のはじめに4コマ漫画がありますよー!

noteもやっています

かぜ薬とホームケアのまとめnote

小児のかぜ薬とホームケアの科学的根拠

小児科外来でよくある質問に、科学的根拠を持って答えるnote

保護者からのよくある質問に科学的根拠で答える

当ブログの注意点について

当ブログは医療関係者・保護者の方々に、科学的根拠に基づいた医療情報をお届けするのをメインに行なっています。参考にする、勉強会の題材にするなど、個人的な利用や、閉ざされた環境で使用される分には構いません。

一方で、当ブログ記事を題材にして、運営者は寄稿を行なったり書籍の執筆をしています。このため運営者の許可なく、ブログ記事の盗用、剽窃、不適切な引用をしてメディア向けの資料(動画を含む)として使用したり、寄稿をしないようお願いします。

ブログの記載やアイデアを公的に利用されたい場合、お問い合わせ欄から運営者への連絡お願いします。ご協力よろしくお願いします。

ABOUT ME
Dr-KID
このブログ(https://www.dr-kid.net )を書いてる小児科専門医・疫学者。 小児医療の研究で、英語論文を年5〜10本執筆、査読は年30-50本。 趣味は中長期投資、旅・散策、サッカー観戦。note (https://note.mu/drkid)もやってます。