賢明な医療の選択

細菌感染の証拠がない無症状の乳児に対して、48時間を超えてルーチンに抗生物質治療を継続することは避ける

今回は、新生児に対する抗菌薬の使用戦略に関してです。

この推奨を「choosing wisely」ではどのように記載されているのか紹介してみようと思います。

ユーキ先生
ユーキ先生
新生児に対する抗菌薬の使用戦略影に関して、どうなっているのでしょうか?

Dr.KID
Dr.KID
Choosing wiselyを見てみましょう。

ポイント

  •  Choosing wisely:新生児に対する抗菌薬の使用戦略
  •  血液培養の結果がわかるであろう48時間を超えた抗菌薬のルーチンでの使用を控える

  American Academy of PediatricsからのChoosing Wisely

細菌感染の証拠がない無症状の乳児に対して、48時間を超えてルーチンに抗生物質治療を継続することは避ける [Choosing wisely]

Avoid routine continuation of antibiotic therapy beyond 48 hours for initially asymptomatic infants without evidence of bacterial infection.

There is insufficient evidence to support antibiotic treatment for more than 48 hours to rule out bacterial infection in asymptomatic term and preterm infants. Current blood culturing systems identify the great majority of pathologic organisms prior to 48 hours. Prolonged antibiotic use may be associated with necrotizing enterocolitis and death in extremely low birthweight infants.

These items are provided solely for informational purposes and are not intended as a substitute for consultation with a medical professional. Patients with any specific questions about the items on this list or their individual situation should consult their physician.

細菌感染の証拠がない無症状の乳児に対して、48時間を超えてルーチンに抗生物質治療を継続することは避けるべきである。

無症状の周産期および早産児の細菌感染を除外するために、48時間を超えて抗生物質を投与することを支持するエビデンスは十分ではない。

現在の血液培養システムでは、病的な細菌の大部分は48時間以内に同定される。抗生物質の長期使用は、超低出生体重児の壊死性腸炎や死亡につながる可能性がある。

考察と感想

主にNICU、あるいは小児科で診療する3ヶ月未満の発熱に関して、抗菌薬の治療戦略についてでしょうか。

確かに血液培養は大抵は二日以内に陽性と出ることが多いので、必要以上に抗菌薬をルーチンで長期投与しないように、というのはその通りだと思います。

文献リストは↓↓

Cotten CM, Smith PB. Duration of empirical antibiotic therapy for infants suspected of early-onset sepsis. Curr Opin Pediatr. 2013 Apr;25(2):167-71.

Cotten CM, Taylor S, Stoll B, Goldberg RN, Hansen NI, Sánchez PJ, Ambalavanan N, Benjamin DK Jr; NICHD Neonatal Research Network. Prolonged duration of initial empirical antibiotic treatment is associated with increased rates of necrotizing enterocolitis and death for extremely low birth weight infants. Pediatrics. 2009 Jan;123(1):58-66.

Garcia-Prats JA, Cooper TR, Schneider VF, Stager CE, Hansen TN. Rapid detection of microorganisms in blood cultures of newborn infants utilizing an automated blood culture system. Pediatrics. 2000 Mar;105(3 Pt 1):523-7.

まとめ

今回は、主に新生児に対する抗菌薬の使用戦略に関してご紹介しました。

これ以外にも、Choosing wiselyには項目が出ているようなので、コツコツと読んでいこうと思います。

 

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Dr-KID
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このブログ(https://www.dr-kid.net )を書いてる小児科専門医・疫学者。 小児医療の研究で、英語論文を年5〜10本執筆、査読は年30-50本。 趣味は中長期投資、旅・散策、サッカー観戦。note (https://note.mu/drkid)もやってます。