賢明な医療の選択

神経学的に異常のない小児が単純型熱性けいれんを起こしても、ルーチンに脳波検査をしない

今回は、単純型熱性けいれんと脳波に関してです。

この推奨を「choosing wisely」ではどのように記載されているのか紹介してみようと思います。

ユーキ先生
ユーキ先生
単純型熱性けいれんと脳波に関して、どうなっているのでしょうか?

Dr.KID
Dr.KID
Choosing wiselyを見てみましょう。

ポイント

  •  Choosing wisely:単純型熱性けいれんと脳波に関して
  •  ルーチンでの使用は避ける

  American Academy of PediatricsからのChoosing Wisely

神経学的に異常のない小児が単純型熱性けいれんを起こしても、ルーチンに脳波検査をしない [Choosing wisely]

Don’t routinely order an EEG on neurologically healthy children who have a simple febrile seizure.

Febrile seizures are the most commonly occurring seizures in the first 60 months of life. Caregiver anxiety can often lead to requests for neurodiagnostic testing. Attention should be directed at finding the cause of fever and treating it. Electroencephalogram (EEG) tests are costly and can increase caregiver and child anxiety without changing the outcome or course of treatment. EEG has not been shown to predict recurrence of febrile seizures or future epilepsy in patients with simple febrile seizures. EEG can be ordered for children that present with afebrile seizures, complex febrile seizures and in children with neurological insult.

神経学的に異常のない小児が単純型熱性けいれんを起こしても、ルーチンに脳波検査を指示してはならない。

熱性けいれんは、生後60ヶ月以内に最も多く発生するけいれんである。保護者の不安が神経診断検査の依頼につながることも多い。発熱の原因を見つけて治療することに注意を向けるべきです。

脳波検査には費用がかかり、治療結果や治療方針を変えることなく、保護者や子どもの不安を増大させる可能性があります。

脳波は、単純型熱性けいれんの患者において、熱性発作の再発や将来のてんかんを予測することは、はっきりとは示されていません。

脳波は、無熱性けいれんを呈する小児、複雑型熱性けいれんを呈する小児、および神経学的障害を呈する小児に対して使用することができる。

考察と感想

単純型熱性けいれんと脳波に関してでした。

昔からよく研究されている領域で、単純型熱性けいれんであれば、脳波をするメリットはほとんどないため、ルーチンでは行わないように、というのはその通りだと思いました。

文献もきっちり読んでおきたいところですね

文献リストは↓↓

American Academy of Pediatrics Subcommittee on Febrile Seizures. (2011). Febrile seizures: guidelines for the neurodiagnostic evaluation of the child with a simple febrile seizure. Pediatrics, 127 (2), 389-394.

El-Radhi, A., Sahib, A. (2015). Management of seizures in children. British Journal of Nursing. 24 (3), 152-155.

Graves, R.C., Oehler, K., Tingle, L.E. (2012) Febrile seizures: risks, evaluation, and prognosis. American Family Physician. 15(85), 149-153.

Harini, C., Nagarajan, E., Kimia, A., de Carvalho, R., An, S., Bergin, A., Takeoka, M., Pearl, P., Loddenkemper, T. (2015) Utility of initial EEG in first complex febrile seizure. Epilepsy and Behavior. 52 (PT A), 200-204.

Oluwabusi, T., Sood, S.K. (2012) Update on the management of simple febrile seizures: Emphasis on minimal intervention. Current Opinion in Pediatrics. 24 (2) 259-265.

まとめ

今回は、主に単純型熱性けいれんと脳波に関してご紹介しました。

これ以外にも、Choosing wiselyには項目が出ているようなので、コツコツと読んでいこうと思います。

 

created by Rinker
¥6,600
(2021/09/18 16:19:24時点 Amazon調べ-詳細)

Dr. KIDの執筆した書籍・Note

医学書:小児のかぜ薬のエビデンス

小児のかぜ薬のエビデンスについて、システマティックレビューとメタ解析の結果を中心に解説しています。
また、これらの文献の読み方・考え方についても「Lecture」として解説しました。
1冊で2度美味しい本です:

小児の診療に関わる医療者に広く読んでいただければと思います。

医学書:小児の抗菌薬のエビデンス

こちらは、私が3年間かかわってきた小児の抗菌薬の適正使用を行なった研究から生まれた書籍です。

日本の小児において、現在の抗菌薬の使用状況の何が問題で、どのようなエビデンスを知れば、実際の診療に変化をもたらせるのかを、小児感染症のエキスパートの先生と一緒に議論しながら生まれた書籍です。

created by Rinker
¥3,850
(2021/09/18 10:53:34時点 Amazon調べ-詳細)

Dr.KID
Dr.KID
各章のはじめに4コマ漫画がありますよー!

noteもやっています

かぜ薬とホームケアのまとめnote

小児のかぜ薬とホームケアの科学的根拠

小児科外来でよくある質問に、科学的根拠を持って答えるnote

保護者からのよくある質問に科学的根拠で答える

当ブログの注意点について

当ブログは医療関係者・保護者の方々に、科学的根拠に基づいた医療情報をお届けするのをメインに行なっています。参考にする、勉強会の題材にするなど、個人的な利用や、閉ざされた環境で使用される分には構いません。

一方で、当ブログ記事を題材にして、運営者は寄稿を行なったり書籍の執筆をしています。このため運営者の許可なく、ブログ記事の盗用、剽窃、不適切な引用をしてメディア向けの資料(動画を含む)として使用したり、寄稿をしないようお願いします。

ブログの記載やアイデアを公的に利用されたい場合、お問い合わせ欄から運営者への連絡お願いします。ご協力よろしくお願いします。

ABOUT ME
Dr-KID
このブログ(https://www.dr-kid.net )を書いてる小児科専門医・疫学者。 小児医療の研究で、英語論文を年5〜10本執筆、査読は年30-50本。 趣味は中長期投資、旅・散策、サッカー観戦。note (https://note.mu/drkid)もやってます。