新型コロナウイルス

小児のCOVID-19 (新型コロナウイルス感染症) の情報(3月25日版)

今回は、新型コロナウイルスに感染し、重症化した小児8例の研究結果を紹介させていただきます。

先日、ブログ記事にもした、武漢の小児病院からの報告の延長と思います。

小児のCOVID-19 (新型コロナウイルス感染症) の情報(3月23日版)今回は、新型コロナウイルスに感染した小児171例の研究結果を紹介させていただきます。 武漢の小児病院からの報告で、非常に重要でしょう。...
ポイント

  •  新型コロナウイルス感染症の重症例、8例の分析
  •  重症例は2ヶ月〜15歳
  •  全員、多呼吸があった
  •  挿管・人工呼吸器管理が必要だったのは2例
  •  ICU入室は4例
  •  8例中5例は退院
  •  他の文献と合わせると1例は死亡
  •  2例はICUで治療中
マミー
マミー
小児が重症化するとどうなりますか?

Dr.KID
Dr.KID
まとまった報告が出たので、確認してみましょう。

感染者の推移 (3/24):

  •  世界:350,589人
  •  中国:81,171人
  •  日本:1120人
  •  アメリカ:35,206人
  •  韓国:9037人
  •  イタリア:63,297人
  •  イラン:23,049人

イタリアとアメリカがすごい勢いで増えていいます。気づけば、ヨーロッパの国々も増加傾向にあります。ドイツが25,000名前後、スペインが33,000名くらいに増加しています。 

  小児の重症例の報告について

新しい小児の重症例の症例集積を発見したので、簡単にまとめようと思います。

 概要

今回は、新型コロナウイルスのPCR検査陽性が確定し、重症となった8名の研究です。

年齢分布

まずは年齢の分布から見ていきましょう。

  N
年齢  
< 1 2
1-5 2
6-10 1
11-15 3

どの年齢層でも、重症例はいますね。

Dr.KID
Dr.KID
乳幼児だからと言って、絶対に重症化しないという訳ではなさそうです。

1例はALL(急性リンパ球性白血病)が、1例は腸重積が、1例は水腎症があったようです。これは既報の通りと思います。

潜伏期間や症状の期間

潜伏期間 5〜10日
発症〜診断 0〜15日
症状の期間 9日〜28日以上
家族内感染あり 5/8

潜伏期間は1週間前後、症状が出て診断されるのも1週間前後ですね。

症状の期間は重症例ですので長く、短くても10日となっています。

症状・診断に関して

症状に関しては、以下の通りでした:

症状 N %
多呼吸 8 100%
6 75%
発熱 6 75%
痰がらみ 4 50%
吐き気
嘔吐
4 50%
下痢 3 37.5%
倦怠感 1 12.5%
頭痛 1 12.5%

発熱、咳、呼吸が苦しそう(多呼吸)といった症状が多い印象ですね。

CT所見

CT所見は以下の通りでした:

CT所見 N %
すりガラス陰影 87.5%
多発性の斑状影 8 100%

こちらも既報と似ていて、すりガラス陰影が多いようですね。

重症例・死亡例について

ICU入室が必要だったのは、4例のようです:

  1.  水腎症(1歳1ヶ月)
  2.  白血病(8歳)
  3.  腸重積(10ヶ月)
  4.  基礎疾患なし?(13歳)

だったようです。

こちらの報告には書かれていませんでしたが(下の記事に記載)、腸重積のあった10ヶ月の小児は、多臓器不全となり、入院後4週間で死亡したようです。
母から新型コロナウイルスをもらったようです。母も重症化してしまっているようです。

小児のCOVID-19 (新型コロナウイルス感染症) の情報(3月23日版)今回は、新型コロナウイルスに感染した小児171例の研究結果を紹介させていただきます。 武漢の小児病院からの報告で、非常に重要でしょう。...

1歳1ヶ月の小児は、すでに退院できているようです。

白血病のある8歳小児と、基礎疾患が特にない13歳の小児は、まだICUにいるようです。

治療について

治療は以下の通りでした:

項目 人数(/8)
酸素投与 6
人工呼吸器 2
抗菌薬 5
抗ウイルス薬 8
ステロイド 5
IVIG
(免疫グロブリン)
4
漢方? 4
血漿交換 1
輸血 1

 

Dr.KID
Dr.KID
腸重積に罹患していた小児が新型コロナウイルスに罹患して、多臓器不全になるというストーリーがかなりレアな気がしました(ちょっと理解が難しいです)。

 感想と考察

大きめのデータなので、小児における全体像がつかみやすかったです。

入院した小児で、酸素需要があったのは2.3%、ICU入室となったのが1.8%、死亡例が0.6%でした。

最重症となる例は、割合としては、成人と比較して多くはない印象です。

COVID-19(新型コロナウイルス感染症)が騒動になって1ヶ月以上になりますが、小児に関しては、徐々に情報が増えてきた印象です。現時点で分かっていることをまとめると、以下の通りです:

Dr.KID
Dr.KID
これまでに私が検索した報告例のまとめです。

まとめ

今回は、

  •  中国と日本の感染者数の推移
  •  小児の171例の解析結果

についてアップデートさせていただきました。

引き続き、新しい情報、過去の文献を読み込んだら、報告させてもらおうと思います。

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ABOUT ME
Dr-KID
このブログ(https://www.dr-kid.net )を書いてる小児科専門医・疫学者。 小児医療の研究で、英語論文を年5〜10本執筆、査読は年30-50本。 趣味は中長期投資、旅・散策、サッカー観戦。note (https://note.mu/drkid)もやってます。