賢明な医療の選択

尿路感染症の治療後、フォローアップの尿培養は避ける[Choosing wisely]

今回は、尿路感染症の治療後のフォローアップの尿培養に関してです。

この推奨を「choosing wisely」ではどのように記載されているのか紹介してみようと思います。

ユーキ先生
ユーキ先生
尿路感染症の治療後のフォローアップの尿培養に関して、どうしたら良いのでしょうか?

Dr.KID
Dr.KID
Choosing wiselyを見てみましょう。

ポイント

  •  Choosing wisely:尿路感染症の治療後のフォローアップの尿培養
  •  合併症がなく、臨床的に改善しているなら、フォローアップ培養をしない

  American Academy of PediatricsからのChoosing Wisely

尿路感染症の治療後、フォローアップの尿培養は避ける[Choosing wisely]

Avoid ordering follow-up urine cultures after treatment for an uncomplicated urinary tract infection (UTI) in patients that show evidence of clinical resolution of infection.

Studies have shown that clinical resolution of infection is adequate for determining effectiveness of antibiotic therapy after treatment for a UTI.

合併症を伴わない尿路感染症(UTI)の治療後、臨床的に感染が解消された証拠がある患者では、フォローアップの尿培養を指示することは避けてください。

尿路感染症の治療後の抗生物質治療の効果を判断するには、臨床的な改善が適切であることが研究で示されています。

考察と感想

合併症を伴わない尿路感染症(UTI)の治療後、臨床的に改善しているようなら、フォローアップの尿培養をしない、という内容でした。

参考文献も読んでみようと思います:

American Academy of Pediatrics, Committee on Quality Improvement, Subcommitee on Urinary Tract Infection. Practice parameter: the diagnosis, treatment, and evaluation of the initial urinary tract infection in febrile infants and young children. Pediatrics 103: 843-852, 1999.

Bachir R: Nonresponders: prolonged fever among infants with urinary tract infections. Pediatrics 105:E59, 2000.

Currie ML, Mitz L, Raasch CS, Greenbaum LA. Follow-up urine cultures and fever in children with urinary tract infection. Arch Pediatr Adolesc Med 157:1237-1240, 2003.

Oreskovic, NM  Sembrano, Eduardo U. Repeat Urine Cultures in Children Who Are Admitted With Urinary Tract Infections. Pediatrics 119, Number 2, e325-329,  2007.

 

まとめ

今回は、尿路感染症の治療後のフォローアップの尿培養に関するchoosing wiselyをご紹介しました。

これ以外にも項目が出ているようなので、コツコツと読んでいこうと思います。

 

created by Rinker
¥6,600
(2024/03/28 10:25:00時点 Amazon調べ-詳細)

Dr. KIDの執筆した書籍・Note

医学書:小児のかぜ薬のエビデンス

小児のかぜ薬のエビデンスについて、システマティックレビューとメタ解析の結果を中心に解説しています。
また、これらの文献の読み方・考え方についても「Lecture」として解説しました。
1冊で2度美味しい本です:

小児の診療に関わる医療者に広く読んでいただければと思います。

医学書:小児の抗菌薬のエビデンス

こちらは、私が3年間かかわってきた小児の抗菌薬の適正使用を行なった研究から生まれた書籍です。

日本の小児において、現在の抗菌薬の使用状況の何が問題で、どのようなエビデンスを知れば、実際の診療に変化をもたらせるのかを、小児感染症のエキスパートの先生と一緒に議論しながら生まれた書籍です。

created by Rinker
¥3,850
(2024/03/28 19:05:31時点 Amazon調べ-詳細)

Dr.KID
Dr.KID
各章のはじめに4コマ漫画がありますよー!

noteもやっています

かぜ薬とホームケアのまとめnote

小児のかぜ薬とホームケアの科学的根拠

 

小児科外来でよくある質問に、科学的根拠を持って答えるnote

保護者からのよくある質問に科学的根拠で答える

 

当ブログの注意点について

当ブログは医療関係者・保護者の方々に、科学的根拠に基づいた医療情報をお届けするのをメインに行なっています。参考にする、勉強会の題材にするなど、個人的な利用や、閉ざされた環境で使用される分には構いません。

一方で、当ブログ記事を題材にして、運営者は寄稿を行なったり書籍の執筆をしています。このため運営者の許可なく、ブログ記事の盗用、剽窃、不適切な引用をしてメディア向けの資料(動画を含む)として使用したり、寄稿をしないようお願いします。

ブログの記載やアイデアを公的に利用されたい場合、お問い合わせ欄から運営者への連絡お願いします。ご協力よろしくお願いします。

ABOUT ME
Dr-KID
このブログ(https://www.dr-kid.net )を書いてる小児科専門医・疫学者。 小児医療の研究で、英語論文を年5〜10本執筆、査読は年30-50本。 趣味は中長期投資、旅・散策、サッカー観戦。note (https://note.mu/drkid)もやってます。