今回は、中国の重慶市において認めた、小児の新型コロナウイルス感染25例の経過のまとめになります。
- 中国・重慶市の小児25例の報告
- せき・発熱が症状として多い
- 重症例はなかった
中国の重慶市からの報告
研究の概要
背景
重慶市において、新型コロナウイルス感染症の小児の臨床症状の特徴を記述することを目的に研究が行われました。
方法
検査室でRT-PCR (RNA‐PCR) により確認された新型コロナウイルス感染の小児25名についてです。2020年1月19日〜3月12日までに、重慶市が指定する病院に入院ています。
これらの患者の臨床データと疫学的特徴を収集し分析した。
結果
診断はRT-PCR検査により確認した。
25例中14例が男性、 11例が女性であった。
年齢の中央値は11.0歳(0.6~17.0年の範囲)であった。
全ての子供は家族クラスター発生と関係し、 7人の子供 (28%) は湖北省に旅行または居住歴を示した。
これらの患者は、無症候性8例 (32%) 、非常に軽度の4例 (16%) および中等症は13例 (52%) で、重症例は確認されなかった。
最も一般的な症状は
- 咳(13例、52%)
- 発熱(6例、24%)
であった。
臨床症状の持続時間は13.0 (8.0~25.0) 日であった。
入院時白血球数が正常であったのは25例中21例 (84%) で、 10×10^9/L以上は2例 (8%) 、 4×10^8/L未満は2例 (8%) であった。
22症例 (88%) は正常CD 4+Tリンパ球数を示したが、残りの3症例 (8%) ではこれは軽度に増加した。
23例のCD 8+Tリンパ球数は正常であったが、残りの2例 (8%) ではCD 8+Tリンパ球数も軽度に増加していた。
全てのリンパ球数は正常であった。
CT画像が異常であったのは13例のみで、そのほとんどは肺底部の胸膜下に位置していた。
治療は、全例インターフェロン、リバビリン併用6例、ロピナビルまたはリトナビル併用12例であった。
発症からPCR陰性化までの日数は15.20±6.54日であった。
インターフェロン、インターフェロン+リバビリンおよびインターフェロン+ロピナビルまたはリトナビル治療群の間でPCR陰性化までの時間に差はなかった。
全例回復し退院した。
結論
小児における新型コロナウイルス感染症の臨床症状および炎症性バイオマーカーは、成人よりも非特異的で軽度である。
感想と考察
こういった症例集積は久しぶりに見た気がします。過去の症例集積をまとめた表は以下の通りで、隅っこが今回の集積研究のデータです:
血液検査データはこちら:
CT所見はこちら
参考文献が気になる方は、以前のまとめ記事を参考にしていただければと思います
まとめ
今回は、中国・重慶において新型コロナウイルスに感染した小児25例の経過をまとめた研究でした。
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