今回は、小児の喘息や細気管支炎に対するレントゲン撮影に関してです。
この推奨を「choosing wisely」ではどのように記載されているのか紹介してみようと思います。
外来でも診療する機会が多いですが、基本的にはレントゲン撮影は不要という内容です。
- Choosing wisely:喘息や細気管支炎の診断に関して
- ルーチンでレントゲン撮影を行わないように推奨されている
アメリカのSociety og Hospital MedicineからのChoosing Wisely
小児の喘息や気管支炎に、ルーチンでレントゲン撮影を行わない[Choosing wisely]
Don’t order chest radiographs in children with uncomplicated asthma or bronchiolitis.
National guidelines articulate a reliance on physical examination and patient history for diagnosis of asthma and bronchiolitis in the pediatric population. Multiple studies have established limited clinical utility of chest radiographs for patients with asthma or bronchiolitis. Omission of the use of chest radiography will reduce costs, but not compromise diagnostic accuracy and care.
小児の合併症を伴わない喘息や気管支炎に、胸部X線を撮影しない。
全国的なガイドラインでは、小児における喘息と気管支炎の診断には身体診察と病歴を重視することが明確にされている。
複数の研究によると、喘息または気管支炎患者に対する胸部X線の臨床的有用性は限定的と確認されている。
胸部X線を省略することはコストを削減するが、診断・精度とケアを損なうことはない。
考察と感想
喘息や細気管支炎におけるルーチンのレントゲン検査はしなくても良いという内容でした。
基本的に喘息や細気管支炎は臨床診断が可能ですし、ほとんどの小児科の先生方は同じようなプラクティスをしているのではないでしょうか。
もちろん例外はありますので、「やるべき/すべきでない」のダイコトマニアは避けた方が良いでしょう。
まとめ
今回は、choosing wiselyにおける、小児の喘息・細気管支炎における胸部レントゲン検査の有用性に関してご紹介しました。
これ以外にも項目が出ているようなので、コツコツと読んでいこうと思います。
Dr. KIDの執筆した書籍・Note
医学書:小児のかぜ薬のエビデンス
小児のかぜ薬のエビデンスについて、システマティックレビューとメタ解析の結果を中心に解説しています。
また、これらの文献の読み方・考え方についても「Lecture」として解説しました。
1冊で2度美味しい本です:
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小児の診療に関わる医療者に広く読んでいただければと思います。
医学書:小児の抗菌薬のエビデンス
こちらは、私が3年間かかわってきた小児の抗菌薬の適正使用を行なった研究から生まれた書籍です。
日本の小児において、現在の抗菌薬の使用状況の何が問題で、どのようなエビデンスを知れば、実際の診療に変化をもたらせるのかを、小児感染症のエキスパートの先生と一緒に議論しながら生まれた書籍です。
noteもやっています
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