ロイコトリエン拮抗薬

小児の風邪・急性細気管支炎とロイコトリエン拮抗薬 [まとめ]

ロイコトリエン拮抗薬はモンテルカスト(キプレス®︎やシングレア®︎)やプランルカスト(オノン®︎)がありますが、これらの薬が小児の風邪や急性気管支炎で有効か検討した研究は複数あります。

この薬の問題点として、医師によっては風邪や気管支炎でルーチンに近い状態で処方している方がいたり、保護者側も「咳止め」と勘違いしている点です。

基本的に気管支喘息であれば予防薬として使用されることは過去の研究結果で有効性が示されており、その有効性はしっかりとしています。しかし、小児の喘息以外での有効性の検討は不十分であり、有効でないか、有効性があっても非常にごくわずかな可能性もあります。

小児の急性細気管支炎の急性期に有効か?

小児は風邪をひいた際に急性細気管支炎を起こすことがありますが、これにロイコトリエン拮抗薬が有効かを検討した研究は複数あります。

モンテルカストは小児の急性細気管支炎に有効か? エジプト編前回はイスラエルで行われた、小児の急性細気管支炎において、モンテルカスト(キプレス®︎;シングレア®︎)の有効性を検証した研究をご紹介し...
モンテルカストは小児の急性細気管支炎に有効か? イスラエル編モンテルカスト(キプレス®︎; シングレア®︎)は気管支喘息の長期間管理薬として科学的根拠のある薬です。 喘息というと、空気の通り道が...

さらにこれらの研究を統合したメタ解析もあります。

[まとめ] ロイコトリエン拮抗薬は、乳幼児の急性細気管支炎に有効か? システマティック・レビューとメタ解析これまで、乳幼児の急性細気管支炎とロイコトリエン拮抗薬(主にモンテルカスト(キプレス®︎やシングレア®︎))について解説してきました。 ...

結果としては、メリットはほぼないか、あってもごく僅かという印象です。

細気管支炎後の喘鳴の再発予防に、中期的に有効か?

RSウイルス細気管支炎などに罹患したあとは、咳が長引いたり、喘鳴が再発しやすいことはよくあります。

この喘鳴の再発予防効果があるかを検討した研究もいくつかあります。ここでは3ヶ月ほど経過をみた研究を掲載します。

モンテルカストは乳幼児の気道感染症による喘鳴を軽快させるか? トルコ編乳幼児が気道感染症に罹患し、ゼーゼーと喘鳴が出るときには、軌道にcysteinyl-leukortieneが上昇している可能性があります...
モンテルカストはRSウイルス細気管支炎後の喘鳴を予防するのか?RSウイルス細気管支炎は乳幼児でよく起こる疾患ですが、この疾患に罹患したあとに、しばらく喘鳴(ぜーぜー)が起こりやすいことがあります。 ...
モンテルカスト(キプレス®︎)は小児の細気管支炎後の咳や喘鳴に有効か?RSウイルスですが、1歳までの50%ほどの小児が罹患し、3%ほどが入院が必要になると考えられています。 また、2歳までのほとんどのお子...

相反する結果でして、トルコの研究では。ロイコトリエン拮抗薬を使用したグループの方が、β刺激薬の吸入回数を減らしたり、臨床上昇度スコアが軽快しています。

一方で、デンマークやベルギーの研究では有効性はほとんどなさそうです。

細気管支炎後の喘鳴に長期的に投与したら有効か?

RSウイルスなどによる細気管支炎の後に長期的にロイコトリエンを使用してメリットがあるかを研究した文献も複数あります。

急性細気管支炎後の喘鳴をモンテルカストは予防するか? 韓国編急性細気管支炎は乳幼児で、RSウイルス感染時に起こることがあります。 細気管支炎を起こすと、ヒューヒュー、ゼーゼーといった喘鳴の症状が...
モンテルカストは乳幼児の喘鳴に有効か? イギリス&スコットランド編モンテルカスト(キプレス®︎;シングレア®︎)は喘息の長期管理薬としてのエビデンスは多数ありますが、乳幼児が感染の時に怒る一過性の喘鳴に...

どちらも似たような傾向でして、アレルギー素因のありそうなお子さんには有効性を認めそうな印象でした。とはいえ、喘鳴の回数や受診数を僅かに減らす程度でして、臨床的に意義のあるものかは慎重に考える必要があると思います。

4週間以上の長引く咳に有効か?

小児は風邪や細気管支炎以外にも、マイコプラズマや百日咳に罹患した時に咳が長引くことがあります。この状態にロイコトリエン拮抗薬が有効かを検索したシステマティックレビューはあります。

乳幼児の長引く咳にモンテルカストは有効なのか? [システマティック・レビューとメタ解析]今回はシステマティック・レビューとメタ解析の紹介です。 乳幼児が急性上気道炎(かぜ)や細気管支炎の際に咳が長引くことがありますが、こち...

PubMedなどで網羅的に文献を検索していますが、残念ながらまともな研究はありませんでした。

エビデンスは不足しており、長引く咳にルーチンでロイコトリエン拮抗薬を処方すべきでないと著者らは述べています。

ロイコトリエン拮抗薬の副作用について

[まとめ] ロイコトリエン拮抗薬は、乳幼児の急性細気管支炎に有効か? システマティック・レビューとメタ解析これまで、乳幼児の急性細気管支炎とロイコトリエン拮抗薬(主にモンテルカスト(キプレス®︎やシングレア®︎))について解説してきました。 ...

ロイコトリエン拮抗薬の副作用についても評価されています。この薬を使用したからといって発熱のリスクは上昇しないようですが、下痢に関しては副作用の頻度が上昇する印象です。

まとめ

ロイコトリエン拮抗薬のエビデンスについて、簡単にまとめてみました。

詳しく知りたい方は、それぞれの記事を参照されてください。

 

 

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Dr-KID
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このブログ(https://www.dr-kid.net )を書いてる小児科専門医・疫学者。 小児医療の研究で、英語論文を年5〜10本執筆、査読は年30-50本。 趣味は中長期投資、旅・散策、サッカー観戦。note (https://note.mu/drkid)もやってます。