賢明な医療の選択

自閉症を含む行動障害や発達障害のある子どもに対して、「環境有害物質」の毛髪分析をしない[Choosing wisely]

今回は、発達障害と毛髪分析に関してです。

この推奨を「choosing wisely」ではどのように記載されているのか紹介してみようと思います。

ユーキ先生
ユーキ先生
発達障害と毛髪分析に関して、教えてください

Dr.KID
Dr.KID
Choosing wiselyを見てみましょう。

ポイント

  •  Choosing wisely:発達障害と毛髪分析
  •  ルーチンで検査をしない

American Academy of PediatricsからのChoosing Wisely

自閉症を含む行動障害や発達障害のある子どもに対して、「環境有害物質」の毛髪分析をしない[Choosing wisely]

Do not order hair analyses for “environmental toxins” in children with behavioral or developmental disorders, including autism.

The analysis of hair for a broad array of elements and chemicals as a way to diagnose the cause of childhood diseases such as autistic spectrum disorder has no scientific basis. Such assays may not be reliable: hair collection is not precise and it is a heterogeneous matrix; chemicals in hair may not be distributed evenly from the root up the shaft, the assays used may not be accurate technically, and hair can easily be contaminated by external residues of dust, shampoos, conditioners, or other hair treatments. Reports of finding of various metals, etc, can create a severe anxiety in the families requiring further testing by other means. Historically, testing by standard means fail to verify the apparent exposure reported by hair analysis.

自閉症を含む行動障害や発達障害のある子どもに対して、「環境有害物質」の毛髪分析をしない。

自閉症スペクトラム障害などの小児疾患の原因を診断する方法として、広範囲の元素や化学物質について毛髪を分析することは、科学的根拠がありません。

毛髪の採取は正確ではなく、不均質なマトリックスであること、毛髪に含まれる化学物質が根元から毛幹まで均一に分布していない可能性があること、使用する測定法が技術的に正確ではない可能性があること、毛髪は埃やシャンプー、コンディショナーなどの毛髪処理剤の外部残留物によって容易に汚染される可能性があることなど、このような測定法は信頼できるものではありません。

様々な金属が検出されたという報告は、家族に深刻な不安を与え、別の方法でさらなる検査を必要とします。歴史的に見ても、標準的な方法による検査では、毛髪分析で報告された明らかな暴露を確認することはできません。

考察と感想

発達障害と毛髪分析に関してでした。

日本では一般的ではないですが、アメリカでは行われることがあるのでしょうか。また、疫学系の論文で毛髪の分析は行われることがありますが、計測エラーに関しても、そういう視点を持って読み進める必要がありそうですね。

参考文献も読んでみようと思います:

Frisch M, Schwartz B. The pitfalls of hair analysis for toxicants in clinical practice: three case reports. Environ Heal Perspect. 2002;110(4):433-436

Harkins DK, Susten AS. Hair analysis: exploring the state of the science. Environ Health Perspect. 2003;111(4):576-578

Seidel S, Kreutzer R, Smith D, McNeel S, Gilliss D. Assessment of commercial laboratories performing hair mineral analysis. JAMA. 2001;285(1):67-72

Yoshinaga J, Imai H, Nakazawa M, Suzuki T, Morita M. Lack of significant positive correlations between elemental concentrations in hair and in organs. Sci Total Environ. 1990;99(1-2):125-135

まとめ

今回は、発達障害と毛髪分析に関するchoosing wiselyをご紹介しました。

これ以外にも項目が出ているようなので、コツコツと読んでいこうと思います。

 

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ABOUT ME
Dr-KID
このブログ(https://www.dr-kid.net )を書いてる小児科専門医・疫学者。 小児医療の研究で、英語論文を年5〜10本執筆、査読は年30-50本。 趣味は中長期投資、旅・散策、サッカー観戦。note (https://note.mu/drkid)もやってます。