ドクター・キッド

〜小児科医が解説する子供の健康・病気と単なる雑記のブログ〜

こどもの首にしこりがあります 〜頚部リンパ節炎について〜

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『首に小さなしこりがあります』

と心配されて受診されるケースは時々あります。

多くは頚部リンパの腫れで、様子をみていてよいことがほとんどです。

今回は、頚部リンパ節炎について説明します。

リンパ節ってなんですか?

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イラスト(緑色の部分)のようにリンパ節は頚部に多数あります。
首の前、横、後ろにまばらに広がっている小さな組織がリンパ節です。

リンパ節の役割は、ウイルスや細菌などの病原体から体を守る役割があります。
つまり、感染症にかかるのを防ぐために働く組織です。

▪️ リンパ節の大きさについて

通常、こどものリンパ節は皮膚の上から触れても分からないくらい小さいです。

しかし、なんらかの原因でリンパ節が変化することがあります。例えば;

  • リンパ節が腫れて大きくなった
  • リンパ節を触ると痛みがある
  • リンパ節の部位に一赤みがある、触れると熱感がある

といった変化があります。

リンパ節が大きくなる原因

リンパ節が大きくなる原因は主に2つでして;

  1. ウイルスや細菌による感染症
  2. 自己免疫性疾患や悪性腫瘍など感染症以外による

の2つです。

「悪性腫瘍」と聞くと驚いてしまう保護者の方々が多いですが、ほとんどはウイルスや細菌による感染症ですので、過度に心配しすぎないで良いでしょう。

1.  感染症について

原因となる病原体で最も多いのは風邪の原因となるウイルスです。

また、溶連菌や黄色ブドウ球菌などの細菌が原因となっているケースもあります。

稀ですが結核菌が原因となっていることもありますので、あなどれません。

2.  感染症以外について

感染症以外では自己免疫性疾患(川崎病やSLEなど)や悪性腫瘍(白血病やリンパ腫)の可能性がありますが、感染症と比べると非常に稀です。

リンパ節が腫れている時は、どのような検査をしますか?

私個人としては、リンパ節の腫れがある場合、受診されてもよいと考えています。

特に1〜2 cm以上の腫れ、触ると痛がる、徐々に大きくなっている、などが当てはまる場合は、お早めに相談されて良いでしょう。

検査ですが、受診された患者さんの病歴(リンパ節が腫れている期間や程度、発熱など)や診察(腫れている大きさなど)をもとに判断しています。

  • 血液検査
  • 細菌やウイルスの検査
  • CTや超音波
  • 生検(リンパ節の組織をとってきて顕微鏡でみる検査)

を行うことがあります。

ほとんどのケースはウイルスか細菌が原因ですので、血液検査、細菌やウイルスの検査、超音波のうちいくつかを組み合わせて判断することが多いです。

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リンパ節炎の治療について教えてください

風邪などウイルス感染によって、一時的にリンパ節が小さく腫れているだけのことが多いので、特別な治療はいらないことが多いです。

川崎病など自己免疫疾患で腫れてしまっている場合は、原疾患の治療をすれば軽快します。

数週間〜数ヶ月でゆっくりとリンパ節の腫れがなくなるケースが多いでしょう。

▪️ 抗菌薬(抗生剤)を使うケース

ウイルスと比較して、溶連菌やブドウ球菌などの細菌に感染すると、リンパ節の腫れは大きく、赤みを伴い、触ると非常に痛がるケースが多いです。

このような時は細菌に対して抗生物質を使用します。

内服薬で治療可能なことが多いですが、軽快しない場合は点滴から行うこともあります。

▪️ 切開をすることもあります

リンパ節に膿が多く溜まってしまった場合(これを膿瘍といいます)、皮膚を小さく切って(切開)膿を排出するドレナージを行うことがあります。

まとめ

リンパ節は体を病原体(ウイルス・細菌など)から守る働きがあります。

風邪などウイルス感染が原因で、首のリンパ節が腫れることが多いです。

腫れている期間や大きさなどから、細菌感染でないか、あるいは感染以外に原因がないかを考えながら診察・治療をしています。