科学的根拠のある子育て・育児

インフルエンザ迅速検査の感度と特異度は、時間や検査キットで異なるか?[アメリカ・2002編]

インフルエンザの診断の補助で使用する迅速検査ですが、使用するタイミングで感度が大きく変化する点は、これまでの研究でお伝えしてきました。

今回の研究も同じテーマで分析していますが、検査キットでも異なるかを検討しています。

まとめ

  •  インフルエンザ迅速検査の妥当性を評価したアメリカの研究
  •  症状がでてから4日以上は、感度が落ちる
  •   検査キットによって感度・特異度はばらつきがある
マミー
マミー
検査キットでも正確性は異なるのですか?

Dr.KID
Dr.KID
基本的には似たような結果がでるでしょうが、微妙な違いはあるかもしれないですね。

研究の方法

今回の研究は、アメリカの小児病院1施設で、呼吸器感染症で入院した小児を対象に、2000年に研究がされたようです。

検査について

検査は、

  •  迅速検査
  •  RT-PCR

で妥当性の評価をしています。さらに、迅速検査も複数の種類で、感度・特異度を比較しているようです。

Dr.KID
Dr.KID
検査キットによる違いも比較している点がユニークですね。

研究結果と考察

最終的に625人の入院患者が対象となっています。

 病日によって感度はかわるか?

「4日以前前 vs. 4日以降」で感度・特異度を算出しています。

  〜4日, N=96 4日〜, NN=137
感度 100% 55%
特異度 97% 98%

感度は4日までなら100%と非常に高かったですが、4日をすぎると低下しているのが分かります。

Dr.KID
Dr.KID
これまでの研究と比較して、日数の区切りかたがアバウトで、さすがに感度100%は高すぎる気がしますが…

 検査キットによる違い

キット 感度 特異度
FLUOIA 83% 76%
QuickVue 73% 96%
ZstatFLU 62% 99%
Flu A+B* 86% 89%
Flu A* 88% 97%

(*Directagenを使用)

検査キットによって、感度はばらつきが大きくありそうです。特異度はどの検査キットも高めではありますが、FLUOIAは低いですね。

 

まとめ

今回の研究は、インフルエンザ検査のタイミングと、検査キットによって感度・特異度の違いを比較しています。

4日以降の検査は感度が下がる傾向にありました。また、キットによっては感度や特異度が低いものがあるようです。

マミー
マミー
検査キットによって精度は多少異なるのですね?

Dr.KID
Dr.KID
そのようです…メーカーによって製品が微妙にことなるからでしょう。

まとめ

  •  インフルエンザ迅速検査の妥当性を評価したアメリカの研究
  •  症状がでてから4日以上は、感度が落ちる
  •   検査キットによって感度・特異度はばらつきがある

 

当ブログの注意点について

Dr.KID
Dr.KID
当ブログは医療関係者・保護者の方々に、科学的根拠に基づいた医療情報をお届けするのをメインに行なっています。参考にする、勉強会の題材にするなど、個人的な利用や、閉ざされた環境で使用される分には構いません。

Dr.KID
Dr.KID
一方で、当ブログ記事を題材にして、運営者は寄稿を行なったり書籍の執筆をしています。このため運営者の許可なく、ブログ記事の盗用、剽窃、不適切な引用をしてメディア向けの資料(動画を含む)として使用したり、寄稿をしないようお願いします。

Dr.KID
Dr.KID
ブログの記載やアイデアを公的に利用されたい場合、お問い合わせ欄から運営者への連絡お願いします。ご協力よろしくお願いします。

ABOUT ME
Dr-KID
このブログ(https://www.dr-kid.net )を書いてる小児科専門医・疫学者。 小児医療の研究で、英語論文を年5〜10本執筆、査読は年30-50本。 趣味は中長期投資、旅・散策、サッカー観戦。note (https://note.mu/drkid)もやってます。