小児科

【小児肥満】こどもの体重管理の方法について【食事・運動・家族のサポート】

小児の肥満は様々な要因で起こります。例えば、

  • 遺伝的な要素
  • 家庭・学校などの環境
  • 発達の影響

があげられます。

遺伝的な要因は変えられませんが、環境(家庭など)は変えられることができるかもしれません。

 こどもの肥満は将来の糖尿病や心疾患のリスクになりえるので、早い時期からの対応が望ましいでしょう。

今回は、肥満の管理(予防や治療)について説明していこうと思います。

体重をコントロールするために

肥満になってしまった場合、いかに体重をコントロールするかが重要ですが、3点ほど気をつけるとよいでしょう:

  1. 栄養面
  2. 運動面
  3. 家族の協力

の3つです。

1.  栄養面について

まず栄養面についての基本ですが、

  • 1日に5種類以上の野菜や果物を食べる(果汁はNG)
  • 糖の入っている飲料水は避ける
  • 朝食を必ず毎日食べる
  • 外食を避ける

といった点を気をつけるとよいでしょう。

 食事について

野菜や果物を多く摂り、揚げ物や脂肪の多い高エネルギーのものは避けるようにしましょう。

炭水化物(白米など)も摂りすぎると肥満の原因になるので、注意が必要です。

ダイエットのために食事を減らしたり、スキップするのは、継続するのが非常に難しく、リバウンドしやすいのでやめましょう。

脂肪の多い食品を野菜などに置き換える、スナック菓子を避ける、甘い飲み物を避ける、など健康的な食生活を身につけるようにするとよいでしょう。

2. 運動について

体重のコントロールするには食事面も重要ですが、体を動かすことも同じくらい大事です。具体的な目標として;

  • テレビなど画面をみる時間は1〜2時間以内
  • 毎日1時間以上は体を動かす

の2つを取り入れましょう。

 テレビ・パソコン・スマホの制限について

テレビやパソコン、スマホに夢中になると、1日の大半を座ったり横になって過ごすことになります。

結果的に体を動かす時間が減ってしまうので、テレビやスマホなど画面(スクリーン)を見る時間を制限するようにしましょう。

 毎日運動をしましょう

運動の習慣も非常に重要です。1日1時間以上は体を動かすようにしましょう。

最初は軽い散歩などでも構いません。

辛くなりすぎない範囲で、ゆっくりと運動の強度を上げていくようにしましょう。

3. 家族の協力について

こどもが一人で体重をコントロールするのは不可能ですので、ご家族で協力して行うようにしましょう。例えば

  • 保護者が記録を取るようにする(食事・運動時間・テレビの時間など)
  • 定期的に体重を測定する
  • こどもの自主性も尊重する

といった点に注意しましょう。

 記録について

全ての行動を記録する必要はありませんが、食事、運動時間、テレビの視聴時間などを記録するようにしましょう。

野菜をたくさん食べて、運動時間が増え、画面を見る時間が減ってきたら大成功です。うまくいった時は、お子さんを褒めてあげてください。

体重も定期的に記録するようにしましょう。毎日決まった時間でもよいですし(朝、トイレにいった後など)、毎日が無理であれば、決まった曜日でも構わないでしょう。

ただし「〇〇kg 減らす」と目標を置くと、かえって失敗したり、リバウンドの原因になります。プロセスを評価するのが大事で、本人の食生活、運動、行動の変化を褒めるようにしましょう。

 こどもの自主性も尊重しましょう

「体重を管理」というと、いろんなルールを課したくなりますが、制限が厳しすぎると、こどもの心が折れてしまうこともあります。

ですので、厳しすぎる制限は避けつつ、本人の自主性も尊重しながら、まずは出来る範囲でルールを定めていきましょう。

まとめ

小児肥満は将来のメタボリック症候群にも関連しており、体重をコントロールする必要があります。

食事・運動の見直しと家族の協力が重要です。

体重そのものにとらわれすぎず、食生活や行動の変化といったプロセスを褒めて、徐々に健康的な体にしていきましょう。

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ABOUT ME
Dr-KID
このブログ(https://www.dr-kid.net )を書いてる小児科専門医・疫学者。 小児医療の研究で、英語論文を年5〜10本執筆、査読は年30-50本。 趣味は中長期投資、旅・散策、サッカー観戦。note (https://note.mu/drkid)もやってます。