Cancer Epidemiology (がんの疫学)

Cancer Epidemiology (がんの疫学)⑩| 胃癌の疫学

前回は世界における前立腺癌の疫学について簡単に説明してきました。

Cancer Epidemiology (がんの疫学)⑨| 前立腺癌の疫学前回は世界における大腸癌の疫学について簡単に説明してきました。 https://www.dr-kid.net/cancerepi8 ...

今回は、胃癌に注目して疫学の話をしていこうと思います。

Cancer Epidemiologyの教科書は以下↓

胃癌の発症と死亡

胃癌の発症と死亡数ですが、2018年に

  •  103万人の新規発症
  •  78万人の死亡

が生じたと推定されています。

世界的に、胃癌は新規発症癌5位で、死亡数では3位です。

特徴としては中国をはじめとする東アジアに多いです。

男性の方が多く、男女比は2.24と推定されています。

国別にみた発症と死亡

国別にみた発症率と死亡率を見ていきましょう。

国別にみた年齢調整発症率

国別にみた胃癌の年齢調整発症率を見てみましょう。

こちらは男性です:

主にアジア、ロシア、南米の一部の発症率が高いです。

女性の胃癌発症率はどうでしょうか。

似たような分布ですね。

地域で見た年齢調整発症率と死亡率

年齢調整発症率と死亡率は以下の通りになります。

一方で、発症率・死亡率ともに東アジアが頭一つ抜けている印象です。

発症率の経時トレンド

胃癌発症率の経時トレンドを見てみましょう。こちらは男性のトレンドです。

全体の傾向として、低下傾向にあります。ピロリ菌の除菌や、スクリーニングによる早期発見の影響が大きいのかもしれません。日本は劇的な減少傾向ですね。

こちらは女性のトレンドです。

女性においても発症率が劇的に減っています。

死亡率のトレンド

こちらは男性における胃癌の死亡率のトレンドです。

基本的には死亡率は減少トレンドにあります。日本も減少傾向にありますが、韓国は著しく低下傾向していますね。

こちらは女性における胃癌の死亡率のトレンドです。男性と同じような傾向にあるのが分かります。

胃癌の危険因子について

胃癌の危険因子としては、以下のものが挙げられます。

危険因子 解説
年齢 55歳以上
性別
細菌 ピロリ菌感染
家族歴
遺伝
家族歴あり
Lynch syndrome (HNPCC)
HBOC
FAP
など
人種 白人はリスク低い
食事 食塩過多
野菜・果物摂取が少ない
既往歴 胃の手術既往
悪性貧血
胃酸欠乏症
その他 タバコ
アルコール
肥満

 

おわりに

今回は胃癌の国際的な疫学について簡単に解説してきました。
気になる方は、IARCはGLOBCANなどの資料を参照されると良いでしょう。

次回は肝臓癌について解説していければと思います。

Cancer Epidemiologyの教科書は以下↓

ABOUT ME
Dr-KID
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このブログ(https://www.dr-kid.net )を書いてる小児科専門医・疫学者。 小児医療の研究で、英語論文を年5〜10本執筆、査読は年30-50本。 趣味は中長期投資、旅・散策、サッカー観戦。note (https://note.mu/drkid)もやってます。