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インフルエンザ迅速検査の感度・特異度は、年齢によって異なるか?[アメリカ・2004-2006]

インフルエンザの流行期によく使用する迅速検査ですが、検査ですので感度・特異度があります。

つまり、本当は陽性と出るはずが陰性と出たり、その逆も起こり得ます。このため、検査の性能の指標として感度・特異度を見ることがあります。

感度は、インフルエンザが本当にある患者において、検査が陽性となる確率です。
特異度は、インフルエンザが本当にない患者において、検査が陰性となる確率となります。

今回は、この感度と特異度が年齢によってどのくらい違うもか、検討した研究を見てみましょう。

ポイント

  •  インフルエンザ迅速検査の妥当性を評価
  •  感度は60-70%、特異度は95%以上
  •  年齢によるばらつきは大きくはなさそう
マミー
マミー
検査も100%正確というわけじゃないのですね?

Dr.KID
Dr.KID
はい。特にインフルエンザの迅速検査は、本来陽性になる人が間違って陰性とされてしまうことはあります。

今回の文献はこちらです。

研究の方法

今回の研究は、2004/05と2005/06シーズンで、アメリカにおいて小児を中心に行われた迅速検査の妥当性評価の研究です(Validation study)。月齢に分けて感度、特異度がどのくらい異なるのかを調査しています。全部で9000人近くのデータを使用しています。

検査ですが、

  •   2004/05は「Remel Xpect Flu A&B」
  •   2005/06は「Binax Now Influenza A&B」
  •  ゴールドスタンダードにウイルス培養

を使用しているようです。

Dr.KID
Dr.KID
「迅速検査 vs. ウイルス培養」で、迅速検査の正確性を判断していると言えます。

研究結果と考察

結果は以下の通りでした。

インフルエンザAの場合

年齢 N 感度 特異度
< 6ヶ月 2987 62.5% 98.7%
6-23ヶ月 2339 66% 98.7%
23-59ヶ月 1401 75.5% 98.2%
5-18歳 2219 61.7% 97.4%

感度と特異度は以下のようでした。

幼児期の感度が一番高い印象ですね。一方で、特異度はどの年齢でもあまり変わらない印象です。

インフルエンザBの場合

年齢 N 感度 特異度
< 6ヶ月 2987 27.6% 99.9%
6-23ヶ月 2339 25.9% 99.7%
23-59ヶ月 1401 18.9% 99.9%
5-18歳 2219 30.7% 99.8%

B型の感度はかなり低いですね。特異度は変わらない印象です。

 感想と考察

インフルエンザ迅速検査ですが、特異度は非常に高く、感度は低い結果でした。

使用している検査キットは日本のものと異なる点、また検査したタイミングを考慮していない点は注意した方が良いですね。

感度70%は低めですが、これは偽陰性が多いことが示唆されます。つまり、本来は陽性と出るはずが、なぜか陰性となってしまうことです。インフルエンザの場合、発熱後の検査するタイミングが重要で、一般的には24時間後くらいが良いと考えられています。

インフルエンザの迅速検査は発熱後24-48時間に!今回の論文はこちら: 2011年のEuropean Journal of Pediatrics (欧州小児科学会の英文誌)に掲載さ...
Dr.KID
Dr.KID
正確な診断が必要なら、受診のタイミングは重要ですね

まとめ

今回の研究では、インフルエンザの迅速検査は感度60-70%、特異度は95%以上の結果でした。

B型に関しては再検討の余地があるのと、検査するタイミングも考慮して欲しかったですね。

 

まとめ

  •  インフルエンザ迅速検査の妥当性を評価
  •  感度は60-70%、特異度は95%以上
  •  年齢によるばらつきは大きくはなさそう

 

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ABOUT ME
Dr-KID
このブログ(https://www.dr-kid.net )を書いてる小児科専門医・疫学者。 小児医療の研究で、英語論文を年5〜10本執筆、査読は年30-50本。 趣味は中長期投資、旅・散策、サッカー観戦。note (https://note.mu/drkid)もやってます。