小児科

【学校感染症】外出や登園・登校はいつからよいですか?【登校(園)基準のまとめ】

診察が終わり、部屋から出る前に

  • 『いつから学校へ行って良いですか?』
  • 『登園は先生の許可が必要ですか?』

と聞かれることがよくあります。

今回は「感染症の回復後、いつ集団生活への復帰できるか?」について、解説していこうと思います。

結論からいうと、「学校感染症」として決められた疾患は明確な登校基準・登園基準がありますが、それ以外は明確な期間がありません。

今回は「学校感染症」を中心に説明していこうと思います。次回はそれ以外の感染症について解説していきます。

学校感染症として定められた疾患

「学校感染症として定められた疾患」は実はかなり多数あるのですが、実際に問題となるものは限られています。具体的には

  • インフルエンザ
  • 水痘・水疱瘡(すいとう・みずぼうそう)
  • 流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)
  • 咽頭結膜熱(プール熱)
  • 流行性角結膜炎
  • 麻疹(はしか)
  • 風疹(ふうしん)

あたりでしょう。

これらの疾患について、

  1. 潜伏期間(感染してから、病気が発症するまでの期間)
  2. 感染を移しやすい期間
  3. 登校・登園の基準

の3点から説明していこうと思います。

 

インフルエンザ

インフルエンザは冬場が中心に起こる感染症です。

潜伏期間1〜4日程度で、平均2日といわれています。

感染しやすい期間ですが、発症前1日〜発症後3日程度までが、最も感染力が強いです。

登校・登園の基準は、

  • 発熱した後5日 + 解熱した後2日

を満たした場合です。幼児の場合は、「発熱した後5日+解熱後3日を経過するまで」と定められています。

水痘・水疱瘡(すいとう・みずぼうそう)

水痘(水ぼうそう)は全身に水疱ができる疾患で、ワクチンで予防可能です。

潜伏期間は長めで、10〜21日です(14〜16日までの発症が多いです)。

感染しやすい時期は、発疹が出現する1〜2日前から痂皮(かさぶた)を形成するまでです。

 登校・登園基準は、全ての発疹が痂皮化してからとなっています。

 

流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)

通称「おたふくかぜ」として有名な流行性耳下腺炎について。

流行性耳下腺炎は潜伏期間が12〜25日(16〜18日以内が多い)です。

感染しやすい時期は、耳下腺腫脹(顎の下が腫れる)の1〜2日前から腫脹後4日とされています。

登園・登校の目安は、発症してから5日を経過し、全身状態が良好になってからとされています。

 

咽頭結膜熱(プール熱)

咽頭結膜熱は別名「プール熱」と言われ、アデノウイルス感染が原因です。

この疾患の潜伏期間は2〜14日です。

感染しやすい時期は、発熱・充血などの症状が出現している数日間です。

登園・登校の基準は、主な症状(発熱など)が消え2日経過してからです。

 

流行性角結膜炎

流行性角結膜炎は、目の充血と目脂(めやに)を特徴にした疾患です。

潜伏期間は2〜14日です。

感染しやすい期間は充血、目やになど症状が出現してから数日間となっています。

登校・登園の基準は、結膜炎(目の充血や目やに)の症状が消失してからです。この疾患は感染力が非常に強いからと考えられています。

 

麻疹(はしか)

麻疹(はしか)は高熱と発疹を特徴とした病気で、ワクチンで予防可能です。

ワクチン接種率が向上して、診る機会が格段に減っています(若手の小児科の先生でも、診たことがない方も結構いるようです)。

麻疹の潜伏期間は、7〜18日です(8〜12日以内の発症が多い)。

感染しやすい期間は、発熱する1〜2日前から発疹出現の4日後までです。

登校・登園の基準は、解熱後3日経過した後となっています。

 

風疹(ふうしん)

風疹も発熱と発疹を特徴とした疾患で、ワクチン接種で予防可能です。

潜伏期間は麻疹より長く、14〜23日となっています。

感染しやすい期間は、発疹出現の7日前から7日後までです。

登校・登園の基準は、発疹が消失してからとなっています。

 

学校感染症の潜伏期間・感染しやすい期間・登校(園)基準のまとめ

これまでの説明をまとめると以下の表になります。

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ひょっとしたら診察室に貼られていたり、目安の紙をもらうことがあるかもしれません。

潜伏期間を知ることで、特に家族内でどのくらいの期間、感染症が起こる心配があるのかが、ある程度明確になります。

感染しやすい期間を知ることで、家族内感染(特に兄弟・姉妹)の予防に力を入れるべきタイミングもわかります。

次回は、学校感染症以外の説明もしていこうと思います。

Reference

・CURRENT Diagnosis and Treatment Pediatrics, Twenty-Fourth Edition
・Nelson Textbook of Pediatrics, 2-Volume Set
・Nelson Essentials of Pediatrics, 8e
・Medical Note presents
・小児科学, 10e
・小児の薬の選び方・使い方
・HAPPY!こどものみかた
・子どもの風邪
・小児科診療ガイドライン
・今日の治療薬

ABOUT ME
Dr-KID
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このブログ(https://www.dr-kid.net )を書いてる小児科専門医・疫学者。 小児医療の研究で、英語論文を年5〜10本執筆、査読は年30-50本。 趣味は中長期投資、旅・散策、サッカー観戦。note (https://note.mu/drkid)もやってます。