小児科

赤ちゃんの歯【乳幼児の虫歯予防】

小児科医は基本的に歯に関する教育はきちんと受けていませんが、健診の際などにご両親から歯の相談をされることがあります。

今回は赤ちゃんの歯について、数回にわけて説明していこうと思います。

赤ちゃんの歯はいつからできてますか?

赤ちゃんの歯は、妊娠中からすでに出来始めています。

具体的には、妊娠7週目くらいになると、歯の「芽」が出来始めます。

そして、妊娠4ヶ月には、歯にカルシウムなどが沈着し、少しずつ硬い歯になってきます。

妊娠中の食事も気をつけると良いでしょう

このため、妊娠中から

  • カルシウム
  • ビタミンD
  • タンパク質

などを食品からバランスよくとり、お腹の中にいる赤ちゃんに丈夫な歯が育つようにするとよいでしょう。

乳児の歯はいつから生えますか?

赤ちゃんの歯は生後6ヶ月くらいから生えてきます。

個人差がありますので、多少はこの時期を前後することはあります。

前歯から1本ずつ生えてくることが多いでしょう。

乳児に歯が生えてきたら

乳児に歯が生えてきたら、虫歯のケアをするようにしましょう。

母乳は虫歯になりにくいと言われていますが、特に夜中に母乳を飲ませた後に、ガーゼなどで赤ちゃんの歯をきれいにしておくとよいでしょう。

哺乳瓶と虫歯について

完全母乳栄養でない場合、哺乳瓶を使ってミルクをあげていると思います。

哺乳瓶を長時間使うと、前歯に虫歯ができやすくなります。ですので、哺乳が一通り終わったら長時間は口に含ませないようにしましょう。

また、果汁ジュースやスポーツドリンクを哺乳瓶に入れて飲ませるのもやめましょう。これは、ジュースやスポーツドリンクに砂糖が多く含まれており、虫歯の原因になるためです。

 また、1歳未満の乳児に果汁を与えるメリットはありませんので(肥満や虫歯の原因になります)、哺乳瓶で飲ませるのはやめましょう。

虫歯の親子感染を防ぐために

虫歯はミュータンス菌が感染することで起こります。

生まれたばかりの赤ちゃんには、この菌はいませんが、乳歯が生えてから家族の口から移ってしまうことがあります。

感染の時期としては、1歳半〜2歳半に多いと言われています。

乳児の虫歯予防として、以下のことを気をつけておくと良いでしょう。

妊娠期の予防について

妊娠している時にも積極的に歯科健診を受けておくとよいでしょう。

歯医者さんでクリーニンフをしてもらたり、キシリトールやフッ素の入っている歯磨きで丁寧にブラッシングをしておきましょう。

出産後の注意点

赤ちゃんに、お母さんや家族が口移しで食べ物を与えると、虫歯の原因菌が移ってしまうことがあります。

スプーンや箸などで、唾液を介して虫歯が移ることがあるので注意が必要です。

ご家族の方はご自身とお子さんの歯をより丁寧にブラッシングして、虫歯の原因菌を定着させないようにしましょう。

まとめ

今回は乳児の歯や、生えた後にご家族でできることを中心に説明してきました。

まとめると、

  • 乳歯が生えてきたらケアをはじめる
  • 乳児に果汁・砂糖は避ける
  • 離乳食などの口移しは避ける

あたりを気をつけると良いでしょう。

次回は歯磨きについて解説していこうと思います。

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Dr-KID
このブログ(https://www.dr-kid.net )を書いてる小児科専門医・疫学者。 小児医療の研究で、英語論文を年5〜10本執筆、査読は年30-50本。 趣味は中長期投資、旅・散策、サッカー観戦。note (https://note.mu/drkid)もやってます。