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学校におけるユニバーサル・マスクの解除 – 生徒と職員における新型コロナウイルス感染症の発生率[アメリカ編]

学校におけるユニバーサルマスクの解除について検討された研究があるのでご紹介しようと思います。

マミー
マミー
学校のマスク着用義務ってどうなのでしょうか?

ユーキ先生
ユーキ先生
流行状況や教室内の環境などさまざまな点で考える必要があると思います。

Dr.KID
Dr.KID
論文を読んでみましょう

ポイント

  • ボストン地域の学区では、マスク着用義務の解除の影響を調査した論文
  • 州全体のマスク着用の政策が取り消された後の15週間で、生徒および職員1000人あたり44.9件のCOVID-19の追加発症と関連していた。 

参考文献

Lifting Universal Masking in Schools — Covid-19 Incidence among Students and Staff November 9, 2022  DOI: 10.1056/NEJMoa2211029 

 2022年にアメリカから公表されたようです

学校におけるユニバーサル・マスクの解除 – 生徒と職員における新型コロナウイルス感染症の発生率[アメリカ編]

研究の背景/目的

2022年2月、マサチューセッツ州は公立学校における州共通のマスク政策を取り消し、多くの学区はその後数週間のうちにマスクの要件を解除した。ボストン地区では、ボストン地区と近隣のチェルシー地区の 2 学区だけが、2022 年 6 月までマスク着用義務を継続した。 

マスク着用義務の解除の学区間の時差は、ユニバーサル・マスク政策が学校での新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の発生率に及ぼす影響を検証する機会を提供するものであった。 

研究の方法

我々は、時期をずらして実施された政策の差分の差分析を用いて、2021-2022学年度中にマスク着用義務を解除したボストン地域の学区における生徒と職員のCovid-19の発生率と、マスク着用義務を維持した学区における発生率を比較した。また、学区の特徴も比較した。 

Dr.KID
Dr.KID
学区によって方針が異なった歪みを利用した研究ですね。

研究の結果

州全体のマスク着用義務が取り消される前の COVID-19の発生率の傾向は,学区間で同様であった. 

州全体のマスク着用義務が取り消された後の15週間で,マスク着用義務の解除は,生徒および職員1000人あたり44.9件の追加症例(95%信頼区間,32.6~57.1)と関連していた。これは推定11,901件,その間の全地区における症例の29.4%に相当する. 

マスク着用義務の延長を選択した地区は、マスク着用義務の早期解除を選択した地区に比べ、校舎が古く、状態が悪い傾向があり、1教室当たりの生徒数が多い傾向がありました。 

また、これらの地区では、低所得の生徒、障害のある生徒、第二言語としての英語学習者の割合が高く、黒人やラテン系の生徒や職員の割合も高かった。 

この結果は、ユニバーサル・マスクが、学校におけるCOVID-19の発症と対面授業日数の損失を減らすための重要な戦略であることを裏付けている。 

このように,教育上の不平等を深める可能性を含む,学校における構造的人種差別の影響を緩和するためにユニバーサルマスクは特に有用であると考えられる。 

結論

ボストン地域の学区では、マスク着用義務の解除は、州全体のマスク着用の政策が取り消された後の15週間で、生徒および職員1000人あたり44.9件のCOVID-19の追加発症と関連していた。 

考察と感想

この研究の背景として、マサチューセッツ州は、2021-2022学年度に公立学校でユニバーサル・マスキング政策をとっていた州の一つでした。 

マサチューセッツ州初等中等教育省(DESE)は、疾病対策予防センター(CDC)の最新のガイダンスに従って、2022年2月28日に州全体のユニバーサル・マスキング政策を取り消しました。 

その結果、多くのマサチューセッツ州の学区はその後の数週間の間にマスク着用義務を解除しています。ボストン地区と近隣のチェルシー地区の2学区だけが、2022年6月までマスク着用義務を継続していたようです。 

Dr.KID
Dr.KID
政策の違いをDIDに上手くおとしこんだなぁと思いました。

まとめ

ボストン地域の学区では、マスク着用義務の解除は、州全体のマスク着用の政策が取り消された後の15週間で、生徒および職員1000人あたり44.9件のCOVID-19の追加発症と関連していた。 

 

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Dr.KID
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ABOUT ME
Dr-KID
このブログ(https://www.dr-kid.net )を書いてる小児科専門医・疫学者。 小児医療の研究で、英語論文を年5〜10本執筆、査読は年30-50本。 趣味は中長期投資、旅・散策、サッカー観戦。note (https://note.mu/drkid)もやってます。