抗菌薬

[考察] 伝染性膿痂疹の外用抗菌薬の選択について | システマティックレビューとメタ解析から

ガイドラインから見た外用薬の選択

外用抗菌薬にも様々な種類がありますが、IDSAの皮膚感染症ガイドラインや、コクランデータベースから発表されたシステマティック・レビューとメタ解析によると、フシジン酸(フシジンレオ®︎)とムピロシン(バクトロバン®︎)、レタパムリン(日本では未発売)が選択肢として挙げられます。

例えば、IDSAの皮膚感染症ガイドラインでは4、ムピロシンまたはレタパムリンの使用が推奨されています。また、IDSAのMRSAガイドラインでも、伝染性膿痂疹のような軽症な皮膚感染症はムピロシンが推奨されています5

システマティックレビューから見た外用薬の選択

これらの推奨の根拠となる研究はいくつかあります。
2012年にコクランデータベースから報告されたシステマティックレビューとメタ解析があります6

 ムピロシンの有効性について

例えば、ムピロシンの概要は、プラセボと比較して治癒率が高かったです。

さらに、ムピロシン外用薬と経口抗菌薬と比較された研究もあります。

エリスロマイシン、dicloxacillin (ジクロキサシリン)、セファレキシン、アンピシリンと比較していますが、ムピロシン外用薬は経口抗菌薬とほぼ同等か、それ以上の治療効果がありそうでした6

フシジン酸の有効性について

フシジン酸に関しても少ないながら報告されています。例えば、プラセボと比較して、フシジン酸は治癒成功率が4倍ほど高かったです (RR, 4.42; 95%CI, 2.39–3.17) 6

また、フシジン酸とムピロシンを比較しており、ほぼ同等の治療効果が確認されています6

ゲンタマイシン外用薬について

日本の外来では伝染性膿痂疹に対してゲンタマイシン外用薬(ゲンタシン軟膏®︎など)やステロイドとゲンタマイシン併用の外用薬(リンデロンVG軟膏®︎など)が処方されるケースがあるようです。

少し古いデータになりますが7、アトピー性皮膚炎のある小児の伝染性膿痂疹に対して、ゲンタマイシン外用薬の有効性を検討した研究があります。

ゲンタマイシン外用薬とステロイド外用薬を比較した場合、ステロイド外用薬の方が治療成功率は高い傾向にありました(RR, 1.88; 95%CI, 0.96–3.67)。

ステロイド・ゲンタマイシン併用の外用薬とステロイド単独の外用薬では、治療効果は同等〜併用薬がやや優れているという結果でした(RR, 1.3; 95%CI, 0.85–1.97)。
アトピー性皮膚炎のある小児での研究であるため、一般化可能性はやや厳しいかもしれませんが、伝染性膿痂疹に対してゲンタマイシン外用薬を単独で使用するメリットは少ないでしょう。

参考文献

  1. Uda K, Okubo Y, Kinoshita N, et al. Nationwide survey of indications for oral antimicrobial prescription for pediatric patients from 2013 to 2016 in Japan. J Infect Chemother. June 2019. doi:10.1016/j.jiac.2019.03.004
  2. 厚生労働省. 院内感染症対策サーベイランス(JANIS). https://janis.mhlw.go.jp/index.asp. Accessed August 8, 2019.
  3. Pereira LB. Impetigo – Review. An Bras Dermatol. 2014;89(2):293-299. doi:10.1590/abd1806-4841.20142283
  4. Stevens DL, Bisno AL, Chambers HF, et al. Executive summary: Practice guidelines for the diagnosis and management of skin and soft tissue infections: 2014 update by the infectious diseases society of America. Clin Infect Dis. 2014;59(2):147-159. doi:10.1093/cid/ciu444
  5. Liu C, Bayer A, Cosgrove SE, et al. Clinical practice guidelines by the infectious diseases society of america for the treatment of methicillin-resistant Staphylococcus aureus infections in adults and children. Clin Infect Dis. 2011;52(3):e18-55. doi:10.1093/cid/ciq146
  6. Koning S, van der Sande R, Verhagen AP, et al. Interventions for impetigo. Cochrane Database Syst Rev. 2012;2012(1). doi:10.1002/14651858.CD003261.pub3
  7. WACHS GN, MAIBACH HI. Co‐operative double‐blind trial of an antibiotic/ corticoid combination in impetiginized atopic dermatitis. Br J Dermatol. 1976;95(3):323-328. doi:10.1111/j.1365-2133.1976.tb07021.x

 

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Dr-KID
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このブログ(https://www.dr-kid.net )を書いてる小児科専門医・疫学者。 小児医療の研究で、英語論文を年5〜10本執筆、査読は年30-50本。 趣味は中長期投資、旅・散策、サッカー観戦。note (https://note.mu/drkid)もやってます。