小児科

医療従事者のステロイド恐怖症は?[フランス編]

ステロイド恐怖症(ステロイドフォビア)として知られるステロイド外用薬に対する恐怖は、先進国では普遍的な問題である。

これは、アトピー性皮膚炎などの慢性疾患で治療のアドヒアランスが悪い主な理由の一つである。

今回は、薬剤師側のステロイドフォビアについての研究です。

マミー
マミー
医療者がステロイドを恐れることはありますか?

ユーキ先生
ユーキ先生
公表された研究があったと思います。

Dr.KID
Dr.KID
一緒に見てみましょう。

ポイント

  • フランスから発表された研究
  • 薬剤師にもステロイドフォビアは一定数いる

   2016年にフランスで発表されたようです

医療従事者のステロイド恐怖症は?[フランス編]

研究の背景/目的

医療従事者はコルチコステロイドに対する不信感や情報提供の一貫性の欠如が考えられる。

この不信感と一貫性のなさが、アトピー性皮膚炎(AD)の子供の患者や親の間で、コルチコステロイドの使用に対する恐怖心を高める可能性がある。

本研究では、小児の AD 治療のためのステロイド外用剤の使用に対する薬剤師の不信感を評価するために、フランスの全国調査を使用した。

研究の方法

フランスのすべての薬局から、500 の無作為サンプル (約 2 %) の郵便調査を受けるために選択されました。

調査は、アトピー性皮膚炎(AD)の子供のための外用ステロイドの使用に関連する 50 項目の標準化された質問票で構成されています。

主なアウトカムは、薬剤師のステロイド外用剤に対する信頼度を0~10のビジュアル・アナログ・スケールで自己評価したものであった。

Dr.KID
Dr.KID
今回は薬剤師さんが対象だったようですね:調査は10点満点のようです。

研究の結果

平均信頼度は4.46(95%信頼区間4.11-4.82)であった。この研究は、薬剤師がステロイド外用剤に対して中程度の信頼しか持っていないことを浮き彫りにした。

結論

この信頼の欠如は、親や患者のコルチコステロイドに対する恐怖心の維持に大きな影響を与える可能性がある。

考察と感想

フランスの薬剤師さんを対象とした研究でした。

外用薬ステロイドに対する恐怖症は約半数程度にあり、局所及び全身性の副作用の懸念が多かったようです。

Dr.KID
Dr.KID
必要以上に副作用を懸念する必要はないですし、医師の指示より薄く塗るような指導も少し問題のように感じました。

まとめ

この研究では、フランスの薬剤師を対象に、外用薬ステロイドに対する恐怖症を調査しています。

約半数ほどで恐怖症と考えられる回答があったようです。

 

新型コロナ関連の書籍↓↓

created by Rinker
¥990
(2024/10/14 17:58:36時点 Amazon調べ-詳細)

created by Rinker
¥1,700
(2024/10/15 11:49:00時点 Amazon調べ-詳細)

感染対策の書籍↓↓

created by Rinker
¥1,386
(2024/10/15 08:01:11時点 Amazon調べ-詳細)

Dr. KIDの執筆した書籍・Note

医学書:小児のかぜ薬のエビデンス

小児のかぜ薬のエビデンスについて、システマティックレビューとメタ解析の結果を中心に解説しています。
また、これらの文献の読み方・考え方についても「Lecture」として解説しました。
1冊で2度美味しい本です:

小児の診療に関わる医療者に広く読んでいただければと思います。

医学書:小児の抗菌薬のエビデンス

こちらは、私が3年間かかわってきた小児の抗菌薬の適正使用を行なった研究から生まれた書籍です。

日本の小児において、現在の抗菌薬の使用状況の何が問題で、どのようなエビデンスを知れば、実際の診療に変化をもたらせるのかを、小児感染症のエキスパートの先生と一緒に議論しながら生まれた書籍です。

created by Rinker
¥3,850
(2024/10/14 23:27:24時点 Amazon調べ-詳細)

Dr.KID
Dr.KID
各章のはじめに4コマ漫画がありますよー!

noteもやっています

かぜ薬とホームケアのまとめnote

小児のかぜ薬とホームケアの科学的根拠

 

小児科外来でよくある質問に、科学的根拠を持って答えるnote

保護者からのよくある質問に科学的根拠で答える

 

当ブログの注意点について

Dr.KID
Dr.KID
当ブログは医療関係者・保護者の方々に、科学的根拠に基づいた医療情報をお届けするのをメインに行なっています。参考にする、勉強会の題材にするなど、個人的な利用や、閉ざされた環境で使用される分には構いません。

Dr.KID
Dr.KID
一方で、当ブログ記事を題材にして、運営者は寄稿を行なったり書籍の執筆をしています。このため運営者の許可なく、ブログ記事の盗用、剽窃、不適切な引用をしてメディア向けの資料(動画を含む)として使用したり、寄稿をしないようお願いします。

Dr.KID
Dr.KID
ブログの記載やアイデアを公的に利用されたい場合、お問い合わせ欄から運営者への連絡お願いします。ご協力よろしくお願いします。

 

ABOUT ME
Dr-KID
このブログ(https://www.dr-kid.net )を書いてる小児科専門医・疫学者。 小児医療の研究で、英語論文を年5〜10本執筆、査読は年30-50本。 趣味は中長期投資、旅・散策、サッカー観戦。note (https://note.mu/drkid)もやってます。