今回は、JIAの関節のレントゲンの診療方針に関するchoosing wiselyをご紹介します。
この推奨を「choosing wisely」ではどのように記載されているのか紹介してみようと思います。
- Choosing wisely:JIAのフォローでのレントゲンに関して
- ルーチンのサーベーランスとして、レントゲンを使用しない
American College of RhaumatologyからのChoosing Wisely
若年性特発性関節炎(JIA)の疾患活動をモニターするために、ルーチンのサーベイランスとして関節のX線撮影を行わない[Choosing wisely]
Don’t routinely perform surveillance joint radiographs to monitor juvenile idiopathic arthritis (JIA) disease activity.
There are no available data to suggest that routinely obtaining surveillance joint radiographs to monitor for the development or progression of erosive changes in children with juvenile idiopathic arthritis (JIA) improves outcomes. Radiation exposure and cost are potential risks. In the absence of data to support clear benefit, radiographs should be obtained by the pediatric rheumatologist only when history and physical exam raise clinical concern about joint damage or decline in function.
若年性特発性関節炎(JIA)の疾患活動をモニターするために、ルーチンでサーベイランスとして関節のX線撮影を行わない。
若年性特発性関節炎(JIA)の子供のびらん性変化の発達や進行をモニターするために定期的にモニター用に関節X線写真を取得することが、患者の予後を改善することを示唆する利用可能なデータはありません。
放射線被曝とコストは潜在的なリスクです。
明らかな有益性を裏付けるデータがない場合には、既往歴や身体診察で関節の損傷や機能低下が臨床的に懸念される場合にのみ、小児リウマチ専門医がX線写真を取得すべきです。
考察と感想
JIAなど慢性疾患においては、服薬の調整や関節機能の確認などで、定期的に通院する必要があります。
本人の症状は落ち着いていたり、改善している状況であれば、毎回は検査はいらないでしょうという趣旨でしょうか。
この辺りは、専門にされている先生が慣れているでしょうから、必要と判断された場合にのみ撮影しましょうということでしょうか。
まとめ
今回は、JIAの関節のレントゲンに関するchoosing wiselyをご紹介しました。
これ以外にも項目が出ているようなので、コツコツと読んでいこうと思います。
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