賢明な医療の選択

血小板数が10,000/mcLを超える無症候性の小児患者には、ルーチンで血小板を輸血しない[Choosing wisely]

今回は、血小板数が10,000/mcLを超える無症候性の小児に対する血小板輸血に関してです。

この推奨を「choosing wisely」ではどのように記載されているのか紹介してみようと思います。

ユーキ先生
ユーキ先生
血小板数が10,000/mcLを超える無症候性の小児に対する血小板輸血に関して、教えてください

Dr.KID
Dr.KID
Choosing wiselyを見てみましょう。

ポイント

  •  Choosing wisely:血小板数が10,000/mcLを超える無症候性の小児に対する血小板輸血
  •  ルーチンでは使用しない

American Academy of PediatricsからのChoosing Wisely

血小板数が10,000/mcLを超える無症候性の小児患者には、ルーチンで血小板を輸血しない[Choosing wisely]

Don’t transfuse platelets in an asymptomatic (i.e., non-bleeding) pediatric patient (e.g. aplastic anemia, leukemia, etc.), with a platelet count > 10,000/mcL unless other signs and/or symptoms for bleeding are present, or if the patient is to undergo an invasive procedure.

In asymptomatic (i.e, non-bleeding) pediatric patients with a platelet count > 10,000/mcL, transfusion is not clinically indicated unless signs, symptoms, or increased risk factors of bleeding are present. This practice is consistent with recommendations from the clinical guidelines of multiple associations (National Institute for Health and Care Excellence, British Society for Haematology, American Society of Clinical Oncology, and American Society of Hematology). The risk of spontaneous bleeding is low at platelet counts > 10,000/mcL. Unnecessary transfusions put patients at risk for transfusion reactions, alloimmunization, blood borne infections, and refractoriness to future platelet transfusions. This recommendation does not apply in anticipation of an invasive procedure.

血小板数が10,000/mcLを超える無症候性(すなわち非出血性)の小児患者(再生不良性貧血、白血病など)には、他の出血の徴候および/または症状がない限り、または患者が侵襲的な処置を受ける場合以外で、血小板を輸血しない。

血小板数が10,000/mcLを超える無症候性(すなわち、出血していない)小児患者では、出血の徴候、症状、または危険因子が増加していない限り、輸血は臨床的に適応されません。

この方法は、複数の学会(National Institute for Health and Care Excellence、British Society for Haematology、American Society of Clinical Oncology、American Society of Hematology)の臨床ガイドラインの推奨事項と一致しています。

血小板数が10,000/mcL以上であれば、自然出血のリスクは低くなります。不必要な輸血は、患者に輸血反応、異種免疫、血液由来の感染症、および将来の血小板輸血に対する抵抗性のリスクをもたらします。 この推奨は、侵襲的な処置を想定している場合には適用されません。

考察と感想

血小板数が10,000/mcLを超える無症候性の小児に対する血小板輸血に関してでした。

ITPとかが良い例だとは思うのですが、例には入っていなかったのが疑問ですね。白血病など血液疾患に関しては、専門家の先生の臨床的な判断も重要と思います。

参考文献も読んでみようと思います:

National Institute for Health and Care Excellence. Blood transfusion NICE Guideline 24. 2015 Nov; Retrieved from www.nice.org.uk/guidance/ng24.

Neunert C, Lim W, Crowther M, Cohen A, Solberg L Jr, Crowther MA. The American Society of Hematology 2011 evidence-based practice guideline for immune thrombocytopenia. Blood. 2011 Apr;117(16):4190–4207.

New HV, Berryman J, Bolton-Maggs PH, Cantwell C, Chalmers EA, Davies T, Gottstein R, Kelleher A, Kumar S, Morley SL, Stanworth SJ. Guidelines on transfusion for fetuses, neonates and older children. British Journal of Haematology. 2016 Nov;175(5):784-828.

Schiffer CA, Bohlke K, Delaney M, Hume H, Magdalinski AJ, McCullough JJ, Omel JL, Rainey JM, Rebulla P, Rowley SD, Troner MB, Anderson KC. Platelet Transfusion for Patients With Cancer: American Society of Clinical Oncology Clinical Practice Guideline Update. Journal of Clinical Oncology. 2018 Jan;36(3):283-299.

まとめ

今回は、血小板数が10,000/mcLを超える無症候性の小児に対する血小板輸血に関するchoosing wiselyをご紹介しました。

これ以外にも項目が出ているようなので、コツコツと読んでいこうと思います。

 

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ABOUT ME
Dr-KID
このブログ(https://www.dr-kid.net )を書いてる小児科専門医・疫学者。 小児医療の研究で、英語論文を年5〜10本執筆、査読は年30-50本。 趣味は中長期投資、旅・散策、サッカー観戦。note (https://note.mu/drkid)もやってます。