小児科

小児のITPにおいて、抗血小板抗体やトロンボポエチンを追加は必要?[日本編]

ITPの診断は基本は臨床診断ですが、抗血小板関連抗体の存在は、以前から言われています。

今回は、この検査が診断の一助になるか、感度・特異度の観点から見ています。

マミー
マミー
小児のITPにおいて、抗体検査による診断ってどうなのですか?

Dr.KID
Dr.KID
一般に臨床診断が基本ですが、過去のエビデンスを一緒にみてみましょう。

   ITPはかつて特発性血小板減少性紫斑病 or 免疫性血小板減少性紫斑病、その後、免疫性血小板減少症と呼び名が変わっています。

 研究の概要

 背景・目的

既存のガイドラインのITPの診断基準を改良することで、その診断を予測するのに有用であるかもしれない。

例えば、赤血球数、白血球数、抗GPIIb/IIIa抗体産生B細胞、血小板関連抗GPIIb/IIIa抗体、網状血小板の割合および血漿トロンボポイエチンを組み入れ提案した。

方法

この基準を検証するため、最初の来院時に血小板減少症と形態学的に正常な末梢血フィルムの112人の患者を対象に、多施設前向き試験を行った。

各患者は身体検査、ルーチンの臨床検査、抗GPIIb/IIIa抗体反応と血小板ターンオーバーの検査を受けた。

結果

90人の患者 (81%) は最初の来院時に設定した基準を満たした。

初診から6ヵ月以上経過してから、熟練の血液学者によって臨床診断がなされ、IITPは88名、非ITPは24名で診断された。

提案した基準は感度98%、特異度79%、陽性的中率95%、陰性的中率90%であった。

比較的低い特異度は、 ITPと再生不良性貧血または骨髄異形成症候群の両方を有する少数の患者に起因するようである。

結論

ITPに関して、臨床と検査所見に基づく著者らの予備的診断基準は、ITPの鑑別診断に有用であった。

しかし、日常的に使用できる基準を開発するためにはさらなる評価と修正が必要である。

考察と感想

原稿はオープンアクセスなので、そちらを見てみると良いでしょう:

重要なのは、この図表でしょう。

上述した感度・特異度などは、すべての検査(6つ)をして3つ以上あった場合の結果ですね。6つとは、具体的には

  1.  Anti-GPIIn/IIa antibody-producing B cells
  2.  Platlet-associated anti-GPIIb/IIIa antibody
  3.  Reticulated plateletes
  4.  TPO (thrombopoietin)
  5.  白血球数: 3.5〜9.0 x 10^9/L
  6.  赤血球数: 男 > 4.3 x 10^12/L or 女 > 3.7 x 10^12/L
Dr.KID
Dr.KID
なかなか全部揃えるのは難しそうだなーと思いました。

個人的には、他の研究でよく検討されていた「血小板減少のみで、他の異常がない」という方法に、これらの検査を追加する価値があるのか、という点ですね。

まとめ

今回は、免疫性の血小板減少において、血小板関連抗体の感度・特異度を、異なるアッセイで見ています。

血小板関連抗体やトロンボポエチンなどの組み合わせると、感度98%・特異度79%という結果だったようです。

一方で、これらの特殊な検査を一般病院で行えるかは、導入やコストの点から難しいかもしれないと思いました。

 

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Dr-KID
このブログ(https://www.dr-kid.net )を書いてる小児科専門医・疫学者。 小児医療の研究で、英語論文を年5〜10本執筆、査読は年30-50本。 趣味は中長期投資、旅・散策、サッカー観戦。note (https://note.mu/drkid)もやってます。