科学的根拠のある子育て・育児

生後6ヶ月時点でのスクリーンタイムは、その後の発達に影響するのか?[アメリカ編]

スクリーンタイム(テレビなどの画面の視聴時間)について、18〜24ヶ月未満の乳幼児は、基本的に設けないことが推奨されています。なた、2〜5歳に関しては、1時間未満が良いとされています。

この理由の1つとして、小児の発達に与える影響が挙げられます。。

特に2歳未満の乳幼児は、テレビ番組などメディアから学習することはできず、その時間は保護者などとの交流・双方向性の教育の機会が奪われてしまいます。

今回は、その点を見た論文をご紹介します。

ポイント

  •  生後6ヶ月時点でのメディアへの暴露時間が、14ヶ月時点での発達に与える影響を推定
  •  メディア暴露時間が長いほど、言語・認知機能の指標は低い傾向にあった
マミー
マミー
スクリーンタイムってどうなのでしょうか?

Dr.KID
Dr.KID
過去の文献をみてみましょう。

スクリーンタイムは、米国小児科学会は2016年の改訂で、2歳未満は0時間(みせないこと)、2〜5歳は1時間までを推奨しています。テレビなどを観る際も、保護者と一緒にみることを推奨しています。

オーストラリアも似たような方針を出しています。

 研究の概要

背景・目的:

生後6カ月の乳児において、メディアへの曝露時間とコンテンツが、生後14カ月時点の発達と関連しているかどうかを明らかにする。

方法:

2005年11月23日〜2008年1月14日まで、乳幼児発達に関連するコホート研究に参加した259組の母子の解析になります。

Dr.KID
Dr.KID
アメリカの都会の公立病院で、低所得世帯が対象のようです。

結果:

259名の乳児のうち、 249名 (96.1%) が生後6か月でメディアに曝露されており、平均 (SD) 曝露時間は152.7 (124.5) 分/日であった。

統計学的に共変量を未調整および調整した分析では、 6か月齢でのメディア曝露の時間は、 14か月齢でのより低い認知発達(未調整:r=−0.17, ;調整後:β=−0.15)およびより低い言語発達(r=−0.16;β=−0.16)と関係した。

評価した3種類のメディアコンテンツの中で、 1種類(年長児・大人向け)のみが14か月齢で低い認知と言語発達と関係した。

乳幼児向けの教育的または非教育的コンテンツへの曝露と発達の間には、関連性はほとんど認められなかった。

結論:

本研究は、米国の社会経済的地位の低い家族の子供において、乳幼児期のメディア曝露とその後の発達の関連性を長期的に評価した初めての知見である。

この知見は、さらなる研究が必要ではあるが、米国小児科学会が推奨する、2歳までメディアに触れないことを支持するエビデンスの1つでしょう。

考察と感想

色々と解析がされていましたが、一番パッと見て分かりやすいのは、以下の図でした。


(図は論文より拝借)

生後6ヶ月時点でのメディアへの暴露時間と14ヶ月時点での発達の指標を見ています。

この図は、言語発達(PLS-4 Total Language score)と認知機能(Bayley-III Cognitive score)を見ていますが、メディアへの暴露時間が長いほど、これらの指標が悪くなっているのが分かります。

Dr.KID
Dr.KID
これがAAPの「2歳未満のスクリーンタイムはNG」の根拠の1つなのでしょうね。

まとめ

今回の研究は、6ヶ月時点でのメディア暴露時間が、生後14ヶ月時点の発達に影響するかを検討しています。

生後6ヶ月時点でのメディア暴露が長いほど、14ヶ月時点での言語や認知機能の発達に悪影響していたようです。

 

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このブログ(https://www.dr-kid.net )を書いてる小児科専門医・疫学者。 小児医療の研究で、英語論文を年5〜10本執筆、査読は年30-50本。 趣味は中長期投資、旅・散策、サッカー観戦。note (https://note.mu/drkid)もやってます。