今回は、ケニアから報告された、水質、衛生、清潔を改善する包括プログラムが、どの程度、学校の感染症の予防効果があるのか検討した研究結果をみてみましょう。
先にこの研究の結論とポイントから述べましょう。
- ケニアで行われた研究
- 水の供給、水質、衛生、清潔を改善する包括プログラムの有効性の評価
- 水の供給が悪い地域において、これらのプログラムは下痢の発症率および日数を低下させた
手洗いの励行は、感染症の予防に有効という結果が複数あります。
研究の概要
水・清潔・衛生(WASH:water, sanitation, hygiene)の改善が病気の軽減に与える影響はよく知られています.
しかし、学校を拠点とした場合、これら3つが学童期の子どもたちに与える影響は厳密に調査されていません。
方法
ケニアのニャンザ州で、学校での水・清潔・衛生の3つが、児童の下痢性疾患に対する影響を評価するために、クラスター・ランダム化比較試験を実施しました。
研究には、
- 乾季に水源が近くにある学校
- 乾季に水源が近くにない学校
の2つの集団を用いておこなわれました。
結果
水源地が近くにある地域において、清潔、水処理と衛生面の改善を受けた学校に通う生徒は、そうでない学校校に通う生徒と比較して、下痢の発生率や期間に差は見られなかった。
水源地が近くにない地域において、水供給の改善、衛生促進と水処置、衛生設備の改善を受けた学校の生徒では、そうでない学校の生徒と比較して、下痢の発生率と有病日数の減少が見られた。
結論
私たちの研究では、学校の水・衛生・清潔の改善が生徒の下痢症に与える影響について、地域によって異なる結果が得られました。
感想と考察
今回は、ケニアでおこなわれた衛生環境の改善効果ですね。その中に、飲み水や手洗いが含まれていたのでしょう。
包括的なプログラムの効果で、手洗い単独ではない点は注意して解釈する必要がありそうです。
まとめ
ケニアで行われた研究で、水が慢性的に不足している地域において、水、清潔や衛生の改善は、胃腸炎の発症率とその期間を低下させる傾向にありました。
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