エキナセアは、かぜ症状(急性上気道感染症の症状)をはじめとする、様々な状態において、治療薬としてよく使用されているようです。
成人では、「かぜ症状の改善にエキナセアが有効かもしれない」というRCTがあるようですが、小児においては研究数は少ないです。
また、スカンジナビア半島では古くからKan Jangという市販薬を使用していたようですが、小児での有効性の評価はなく、今回、まとめて行われたようです。
(推奨ではありません)
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4歳〜10歳の小児において、Kan Jang, エキナセア(Echinacea purpurea)、標準治療を比較したランダム化比較試験です。
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エキナセアに関しては、標準治療と比較して有益性はほとんど示されず
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Kan Jangは風邪症状が軽く、期間が短くなる可能性が示唆されていました。
Spasov AA, Ostrovskij OV, Chernikov MV, Wikman G. Comparative controlled study of Andrographis paniculata fixed combination, Kan Jang and an Echinacea preparation as adjuvant, in the treatment of uncomplicated respiratory disease in children. Phytother Res. 2004 Jan;18(1):47-53.
日本では一般的に使用されてる薬ではないので、注意しましょう。
エキナセア/ビタミンC/プロポリスは子供のかぜ予防に有効で安全?
研究の背景/目的
合併症のない小児の感冒において、Kan Jang (Andrographis paniculata (N.) SHA‐10抽出物を含有する固定化された薬草の組み合わせ)とImmunal (Echinacea purpurea (L.) 抽出物を含有する製剤)の有効性を検討した。
Kan Jangはスカンジナビア(主にスウェーデン)で利用されている、風邪の民間療法のようです:
(参照)
Immunalは、エキナセアの抽出物を含む市販薬のようですね:
(参照)
研究の方法
4歳から11歳の小児130人で、10日間にわたって実施した。
治療
本研究は
- Kan Jang : N = 53
- Immunal (エキナセア): N = 41
- 標準治療 : N = 39
の3グループで行われた、ランダム化比較試験である。
アウトカム
主なアウトカムは、
- 風邪のエピソード
- 発熱日数
- 疾患の日数
などであった。
研究の結果
合併症のない感冒の早期に開始した場合, Kan Jangの方が
- 症状が軽度
- 鼻汁と鼻閉が軽度
- 回復までの時間が短い
- 解熱薬や鎮咳薬の使用頻度が少ない
傾向にあった。
結論
Kan Jang治療の忍容性は良好であり, 副作用は報告されなかった。
考察と感想
Abstractにはデータが提示されていないので、実際にどのくらい効果があったのか分かりづらいですね。
例えば、患者スコアというのも計測しているのですが、何を指標にされていたのか、本文を読んでもよくわからなかったのですが、以下のような中央値の推移だったようです:
経過 | KJ | E | C |
1日 | 4 | 4 | 5 |
3日 | 1 (1-2.25) |
4 (2-5) |
4 (3-4.75) |
5日 | 0 (0-1) |
2 (1-3) |
3 (2-4) |
(KJ, Kan Jang; E, エキナセア; C, コントロール)
エキナセアとコントロールを比べてみても、ほとんど変わらない印象ですね。
他の指標(鼻水の量)も同じような推移をしていました。
まとめ
4歳〜10歳の小児において、Kan Jang, エキナセア(Echinacea purpurea)、標準治療を比較したランダム化比較試験です。
エキナセアに関しては、標準治療と比較して有益性はほとんど示されず、Kan Jangは風邪症状が軽く、期間が短くなる可能性が示唆されていました。
Kan Jangは日本では一般的な薬でないため、注意は必要であると思います。
小児で使用される咳止めのエビデンスをまとめたnoteもあります。
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