スクリーンタイム(テレビなどの画面の視聴時間)について、18〜24ヶ月未満の乳幼児は、基本的に設けないことが推奨されています。なた、2〜5歳に関しては、1時間未満が良いとされています。
この理由の1つとして、小児の睡眠不足があります。
テレビの光への暴露は、睡眠の開始、持続時間、質に悪影響を及ぼす可能性があるといわれています。
今回は、この点を生後12ヶ月時点でみた研究です。
- 12か月での夜間スクリーンメディア曝露と寝室でのメディア使用が睡眠時間に及ぼす影響を実証した研究はほとんどない。
- 生後6か月と12か月の晩にスクリーン媒体に曝露した幼児は、生後12か月で夜間の睡眠時間が減少した。
- 乳児の良好な睡眠衛生と最適な睡眠を促進するために、 午後7時以降のスクリーンメディア曝露は避けるべきである。
スクリーンタイムは、米国小児科学会は2016年の改訂で、2歳未満は0時間(みせないこと)、2〜5歳は1時間までを推奨しています。テレビなどを観る際も、保護者と一緒にみることを推奨しています。
オーストラリアも似たような方針を出しています。
研究の概要
背景・目的:
夜間でのスクリーンへの曝露、寝室でのスクリーンの使用、月齢6ヶ月時点の夜間睡眠時間が、 12ヶ月の乳児における夜間睡眠時間とどう関連するかを検討した。
方法:
生後6か月の乳児208名を本研究に登録し、生後12か月まで経過観察した。
来院時に、乳児の入眠時間および覚醒時間を記録するために睡眠日誌を用いて保護者に記載してもらった。
夜間睡眠時間を生後6ヶ月、12ヶ月で計算してもらった。家庭でのスクリーンへの曝露も詳細に評価した。
結果:
生後12か月時において、スクリーン(テレビなど)に曝露した乳児は、平日の夜間睡眠時間が28分減少した。
さらに、 生後6か月および12か月において、夜にスクリーンに曝露した乳児は、同月齢において夜7時以降にスクリーンに曝露されなかった乳児と比較して、 12か月夜間睡眠時間が短い傾向にあった。
生後12か月の夜間睡眠時間は、生後6か月の夜間睡眠時間と関連していた。
結論:
生後12か月において、夜にスクリーンに曝露した幼児は、 夜間睡眠時間が短い傾向にあった。
この月齢の乳児に良好な睡眠衛生と最適な睡眠を促進するため、 午後7時以降のスクリーンへの曝露は避けるべきである。
考察と感想
この回帰分析では、βが -0.46 (95%CI, -0.79〜-0.12)となってますが、これは時間です。これだと解釈しにくいので、分に直すには、それぞれを60でかければOKです。
すると、27.6分 [95%CI, 7.2分〜47.4分]となります。つまり、夜7時以降に、スマホやテレビといった電子機器のスクリーンをみている12ヶ月の乳児は、睡眠時間が30分前後短い傾向にあるといえます。
まとめ
生後12ヶ月において、夜7時以降のスクリーンタイムが、夜間の睡眠時間に与える影響をみています。
夜にスマホやTVといった電子機器をみていると、睡眠時間が30分ほど短くなるようでした。
乳児にとって睡眠は発達において非常に重要であり、夜間のスクリーンタイムは特に気をつけたほうがよさそうです。
乳幼児のスクリーンタイムの考え方をまとめたnoteはこちらになります↓↓
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