賢明な医療の選択

以前の結果があり、治療介入やヘモグロビン変量のモニタリングを必要としない患者には、ヘモグロビン電気泳動を繰り返さない

今回は、小児の鎌状赤血球症やサラセミアと検査に関してです。

この推奨を「choosing wisely」ではどのように記載されているのか紹介してみようと思います。

ユーキ先生
ユーキ先生
鎌状赤血球症やサラセミアと検査に関して、どうなっているのでしょうか?

Dr.KID
Dr.KID
Choosing wiselyを見てみましょう。

ポイント

  •  Choosing wisely:鎌状赤血球症やサラセミアと検査
  •  ルーチンで検査を繰り返さない

  American Academy of PediatricsからのChoosing Wisely

以前の結果があり、治療介入やヘモグロビン変量のモニタリングを必要としない患者には、ヘモグロビン電気泳動を繰り返さない[Choosing wisely]

Do not repeat hemoglobin electrophoresis (or equivalent) in patients who have a prior result and who do not require therapeutic intervention or monitoring of hemoglobin variant levels.

Pre-conception and antenatal hemoglobin electrophoresis screening is recommended, especially in high prevalence areas for sickle cell disease or thalassemia, and has become routine practice in order to detect abnormalities of hemoglobins S, C, D-Punjab, E, O-Arab, Lepore, beta-thalassemia trait, delta/beta thalassemia trait, alpha thalassemia trait (2 chain deletion), and hereditary persistence of fetal hemoglobin (HPFH). Partner testing should be offered when there is a risk of a significant hemoglobinopathy in the infant. Repeat hemoglobin electrophoresis testing is required only to make a more specific diagnosis or monitor the results of interventional therapies in patients with known hemoglobinopathies. Providers should investigate prior results before requesting a repeat hemoglobin electrophoresis.

以前に結果が出ていて、治療介入やヘモグロビン変量のモニタリングを必要としない患者には、ヘモグロビン電気泳動(または同等のもの)を繰り返さないこと。

特に鎌状赤血球症やサラセミアの有病率が高い地域では、ヘモグロビンSの異常を検出するために、妊娠前および出産前のヘモグロビン電気泳動スクリーニングが推奨され、日常的に行われるようになっています。

乳児に重大なヘモグロビン症のリスクがある場合には、パートナー検査を行うべきである。

繰り返しのヘモグロビン電気泳動検査は、より特異的な診断を下すため、またはヘモグロビン症が判明している患者の介入治療の結果を監視するためにのみ必要です。

医療機関は、ヘモグロビン電気泳動の反復検査を依頼する前に、以前の結果を調査する必要があります。

考察と感想

鎌状赤血球症やサラセミアは、国内では日常的には診療しないので、あまり実感がないですね。代わりうるものではなければ、同じ検査を何度もしないというのは、その通りだと思います。

参考文献を読んで勉強しようと思います:

Michigan Department of Health & Human Services. Interpretation of newborn hemoglobin screening results. [Internet]. Lansing (MI): Michigan Department of Health & Human Services. 2015. [cited 2017 July 14]. Available from: http://www.michigan.gov/documents/mdch/Interpretation_of_Newborn_Hemoglobin_Screening_Results_Sep2013_438936_7.pdf

Centers for Disease Control and Prevention, Association of Public Health Laboratories. Hemoglobinopathies: Current practices for screening, confirmation and follow-up. [Internet]. Silver Spring (MD): Centers for Disease Control and Prevention, Association of Public Health Laboratories. 2015. [cited 2017 July 14]. Available from: https://www.cdc.gov/ncbddd/sicklecell/documents/nbs_hemoglobinopathy-testing_122015.pdf

Lane PA. Newborn screening for hemoglobin disorders. [Internet]. 2001. [cited 2017 July 14]. Available from https://sickle.bwh.harvard.edu/screening.html

Ryan K, Bain BJ, Worthington D ,James J, Plews D, Mason A, Roper D,Rees DC, De la Salle B, Streetly A. Significant haemoglobinopathies: guidelines for screening and diagnosis. British Journal of Haematology, [Internet]. 2010 Jan. [cited 2017 July 14]; 149, 35–49

まとめ

今回は、鎌状赤血球症やサラセミアと検査に関するchoosing wiselyをご紹介しました。

これ以外にも項目が出ているようなので、コツコツと読んでいこうと思います。

 

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ABOUT ME
Dr-KID
このブログ(https://www.dr-kid.net )を書いてる小児科専門医・疫学者。 小児医療の研究で、英語論文を年5〜10本執筆、査読は年30-50本。 趣味は中長期投資、旅・散策、サッカー観戦。note (https://note.mu/drkid)もやってます。