•  風邪の症状はどのくらい続きますか?

これは小児科外来で最もよくある質問の1つです。この問いかけに答えるのは実は非常に難しいです。なぜなら、目の前にいる患者さんの咳や鼻水が、どのくらい続くのかを予測するのは、ほぼ不可能に近いからです。

この状況で小児科医がどのように返答するかは様々ですが、経験ベースで伝える方、知っている研究結果をもとに伝える方、ガイドラインの記載に沿って説明する方など様々でしょう。

どれが良い・悪いを議論するつもりはないのですが、経験のみをもとにすると、ひょっとしたら偏りが生じているかもしれません。とはいえ、研究結果をもとに解説するにしても、日本の小児科外来の結果を反映したもののデータはほとんどありません。
こういったジレンマはつきものです。

今回は、イギリスとアメリカのガイドラインにおいて、風邪の症状がどのくらい持続すると記載されているのか見てみましょう。

イギリスのガイドライン

参考文献

NICE Short Clinical Guidelines Technical Team. Respiratory tract infections—antibiotic prescribing. Prescribing of antibiotics for self-limiting respiratory tract infections in adults and children in primary care. National Institute for Health and Care Excellence, 2008.

2008年のイギリスのガイドラインで、風邪の症状の期間について、どう記載されているのかみてみましょう。

症状 平均期間
急性中耳炎 4日間
咽頭痛 1週間
かぜ症状 (鼻汁 etc) 1.5週間
咳 3週間
気管支炎 3週間

意外と症状が長いと思われる方がいるかもしれませんね。

アメリカのガイドライン

アメリカのガイドラインも見てみましょう。CDCのものになります。

こちらのガイドラインを参照すると、以下の通りです。

症状 期間の目安
咽頭痛 1〜2 週間
かぜ症状 (鼻汁 etc) 〜2週間
咳 2〜8週間

アメリカのガイドラインの方が、やや長めの印象ですね。

一覧表

それぞれの結果を一覧にしてみましょう。

  ガイドライン
症状 イギリス アメリカ
急性中耳炎 4日 –
咽頭痛 1週間 1〜2週間
かぜ症状 (鼻汁 etc) 1.5週間 〜2週間
咳 3週間 2〜8週間
気管支炎 3週間 –

両方ともだいたい同じことを言っていますが、若干、アメリカの方が長めに設定している印象ですね。

まとめ

今回はアメリカとイギリスのガイドラインをもとに、風邪の症状の期間について解説してきました。

風邪とはいえ、咽頭痛は1〜2週間、鼻汁などの症状は2週間以下、咳は2〜8週間ほどとガイドライン上には記載されています。

これらの症状の期間を解析したシステマティックレビューもあるので、またの機会に解説できればと思います。

 

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ABOUT ME
Dr-KID
このブログ(https://www.dr-kid.net )を書いてる小児科専門医・疫学者。 小児医療の研究で、英語論文を年5〜10本執筆、査読は年30-50本。 趣味は中長期投資、旅・散策、サッカー観戦。note (https://note.mu/drkid)もやってます。