科学的根拠のある子育て・育児

小児の風邪の自然経過を知ろう [アメリカ編]

  •  風邪の症状ってどのくらい続きますか?
  •  明日には熱は治りますか?
  •  咳が1週間ほど治らないのですが…

子供は何回も風邪をひきます。もちろん、ほとんどのケースで感染したウイルスは異なるものが多いので、経過も様々です。ですが、風邪にかかった後、どのくらい症状が続くのか知っておくと良いでしょう。

前回のツートの元論文の解説になります。

ツイート

アメリカの81人の小学生の風邪を追跡した研究

1週間後でも鼻づまりは75%、咳は50%ほど残っており、10日後でも73%が何らかの症状があります。
風邪とはいえ、意外と回復までに時間がかかります。

今回はこちらの文献を参考にさせていただきました。

研究内容について

研究の方法

今回の研究は、アメリカのバージニア州で行われたものです。

急性上気道炎(風邪)と診断された86人の小学生 (5-12歳)を対象に、症状の推移を10日間ほど追跡しています。

通常、小児の研究ですと親から症状を聴取するものが多いのですが、この場合、「子供の症状≠親の訴え」となってしまうことがあります。これは疫学的には計測エラーというのですが、それを予防するために小学生を対象にしています。小学生であれば、ある程度は自分の症状を自分で訴えることができるからです。

研究結果

こちらが研究結果になります。赤色は発熱、青色は鼻水の症状(くしゃみ、鼻汁、鼻づまり)、黒色は咳で分類させていただきました。

初日に発熱している人は15%でしたが、経過とともに減っているのが分かります。発熱が五日以上持続している方が、1段階低くなっているのが分かります。よく「熱が5日以上あるようなら受診を」と指導されていますが、これは川崎病を疑うのが1つと、「風邪にしては5日以上持続するのはやや長い」というのが、小児科医が感覚的にわかっているからだと思います。

咳や鼻水に関しては、意外と長く続いているのが分かるでしょう。いずれも似たような傾向にあり、風邪に罹患してから2−3日くらいがピークで、その後に徐々に消えていく印象です。
1週間でも咳は50%以上の割合で残っています。鼻づまりに関しては1週間でも75%くらいの割合で残存しています。

この結果を見ても、10日ほどしてもまだ何らかの症状が残っている方が多いのが分かると思います。実際は73%の方が、何らかの症状が残っていたようです。

ウイルス検査の結果は以下の通りでした

ウイルス %
ライノウイルス 46% (37/81)
RSウイルス 14% (11/81)
パラインフルエンザ 6% (5/81)
インフルエンザA 5% (4/81)
コロナウイルス 229 2% (2/81)

圧倒的にライノウイルスが多いのが分かります。

RSウイルスも小児の風邪のウイルスです。
「RSウイルスって大丈夫ですか?」と聞かれてしまいそうですが、基本的に小学生が罹患しても乳幼児のように悪化することはほとんどありません。
また、RSウイルス検査の保険適応も1歳未満、という点も知っておくと良いでしょう。

まとめ

今回は風邪の自然経過を追跡した研究を紹介しました。

1週間後でも鼻づまりは75%、咳は50%ほどの子供で残っており、10日ほど様子をみても73%ほどが何らかの症状が残っています。

意外と回復までに時間がかかるのが分かるでしょう。

 

ホームケアのノウハウは森戸やすみ先生の書籍がおすすめ:

小児感染症の定番書はこちら:

 

ABOUT ME
Dr-KID
Dr-KID
このブログ(https://www.dr-kid.net )を書いてる小児科専門医・疫学者。 小児医療の研究で、英語論文を年5〜10本執筆、査読は年30-50本。 趣味は中長期投資、旅・散策、サッカー観戦。note (https://note.mu/drkid)もやってます。
RELATED POST