- 『湿疹があるので、ステロイド軟膏を処方してもらいました』
- 『2〜3日塗ると一時的に良くなるのですが、やめるとすぐに悪化します』
- 『どうしたらよいでしょう?』
という質問を外来でよくされます。
今回は、こちらの質問に簡単に答えてみようと思います。
詳しい解説のリンクも貼っておきますので、そちらも参考にしてください。
目次
ステロイド軟膏(外用薬)の使い方にはコツがある
塗って軽快するのは効いている証拠
まず、『塗ると軽快する』のはステロイド軟膏が効いている証拠です。
湿疹(皮膚の炎症)に比べて弱いステロイドを使用しても、少し軽快する程度か、全く変化がないでしょう。
つまり、塗って軽快するのは、効いているのです。
Dr.KID
適切な量を塗っても全く軽快しないなら、効いていないと言えます。
見た目は綺麗になっても、皮膚の奥に炎症が続いていることがあります
数日塗ると皮膚の見た目が改善されることが多いですが、実は皮膚の奥で炎症が続いていることがあります。
このため、やめてしまうとすぐに湿疹が再燃してしまいます。
Dr.KID
中〜長期的な皮膚の炎症で湿疹が出ていることがあり、この場合は塗っても皮膚の奥に炎症が残っていることがあります。

ステロイド外用薬はゆっくりと減らしましょう
焦らずにゆっくり減らすのがよいでしょう。
最初の数日で皮膚は綺麗になるかもしれませんが、その後も2−3日は続けてください。
その後、一日2回塗っていたのなら、一日1回にはステロイド軟膏、残り1回は保湿にすると良いでしょう。
徐々に減らすことで、湿疹の再燃を防げます。
*ステロイド軟膏の塗り方については、こちらに詳しく書いています:

ステロイド軟膏の使い方のポイントをまとめてみましたステロイド軟膏の使い方まとめ
ステロイド軟膏は湿疹に、保湿剤は乾燥肌に使う
ステロイド軟膏は皮膚の炎症を抑えます
適切に...
ステロイドの副作用が怖いです
巷で言われているステロイドによる重篤な副作用は、ほとんどが飲み薬のステロイドの副作用です。
外用薬のステロイドの副作用は正しく使えば怖くありませんので、過剰に心配する必要はないと思います。
副作用に関する質問はこちらでお答えしています:

こちらでステロイド外用薬の疑問にお答えします『子供にステロイドの塗り薬を使って大丈夫でしょうか?』
『ステロイドを使うと怖い副作用がでるのでしょうか?』
と保護者の方からよく質...
湿疹の悪化因子がないか、もう一度、確認してみましょう
湿疹は様々な環境因子で悪化します。例えば;
- 皮膚の乾燥や、汗・汚れ
- ペットなど動物との接触
- ダニ
- 花粉
などが代表的でしょう。
今一度、身の回りの悪化因子を見直してみると良いでしょう。
Dr.KID
悪化因子を取り除くと、皮膚への刺激が取り除かれるので、治療がスムーズになることがあります。
まとめ
ステロイド外用薬の塗り方、減らし方にはコツがあります。
正しく使えば早めに終了でき、悪化も少なく、副作用のリスクも減らせます。
Dr.KID
どのくらいの量を、どの期間使うのかを明確にすると良いでしょう。