新型コロナウイルス

小児のCOVID-19 (新型コロナウイルス感染症) の情報(3月5日版)

今回は、北京からの報告で、小児のデータが少し含まれていたので、そちらを紹介させていただこうと思います。

262名のデータのうち、小児は11例のみと僅かですが、情報が少ない小児においては貴重なデータであることは変わりありません。

ポイント

  •  北京からの小児11例の報告
  •  < 1歳では3名中1名が重症化
  •  1-12歳では8名全員が軽症で推移
マミー
マミー
子供が重症化しないって本当ですか?

Dr.KID
Dr.KID
成人より重症化のリスクは低いと考えていますが、全く重症化しないわけではありません。

感染者の推移 (3/4):

  •  世界:92,916人
  •  中国:80,270人
  •  日本:294人
  •  韓国:5328人
  •  イタリア:2502人
  •  イラン:2336人

イランがすごい勢いで増えていますね。気づけば、ヨーロッパの国々も増加傾向にあります。ドイツが200名近くになっています。陸続きなので、拡大も早いかもしれないですね。 

  北京における新型コロナウイルスの報告

今回は、Journal of Infectionという感染症の英文誌から報告された新型コロナウイルス感染(COVID-19)の報告を見ていきましょう。

北京からの報告になりますが、小児の感染11例が報告されています。

 概要

〜2月10日の間に新型コロナウイルス(2019-nCoV)の感染が確定した、北京でのデータとなります。今回は、小児の例のみに特化してお伝えしようと思います。

重症化の内訳は?

重症化の内訳は以下の通りになります:

年齢 合計 重症 軽症
< 1 3 1 2
1-12 8 0 8

小児は11名の感染例が確認されているようです。1歳未満の小児が1人だけ重症化してしまったようですね。

Dr.KID
Dr.KID
重症例は少ないですが、いくつか報告はされているようです。

 感想と考察

あまり詳細な情報がなかったのですが、小児でも1例のみ重症化していたようです。SNS上でも「小児は重症しない」「重症化した報告例がない」と声高におっしゃっている方もいるようですが、おそらくデータを知らないだけなのだと思います。

例えば、普通に小児が風邪のウイルスに感染したとして、それでも一定数は重症化します。例えば、肺炎や気管支炎を併発することもありますし、気管支喘息発作を起こすこともあります。なので、ノーリスクなウイルスはあり得ないのです。

これは、新型コロナウイルスであろうと、風邪のウイルスであろうと変わらないです。つまり、「新型ウイルスで小児は重症化しない」というのはやや楽観視しすぎな印象があります。
一方で、他の年齢グループと比較して重症化のリスクが低いというのはこれまでのデータを見るとあり得るのかもしれません。ですので、必要以上に恐怖にかられることもないのでしょう。

COVID-19(新型コロナウイルス感染症)が騒動になって1ヶ月以上になりますが、小児に関しては、まだ情報が足りていない印象です。

現時点で分かっていることをまとめると、以下の通りです:

Dr.KID
Dr.KID
本日の症例集積を加えました。

まとめ

今回は、

  •  中国と日本の感染者数の推移
  •  北京からの小児11例の症例

についてアップデートさせていただきました。

引き続き、新しい情報、過去の文献を読み込んだら、報告させてもらおうと思います。

森戸やすみ先生が新しい書籍を出すようですね↓↓

created by Rinker
内外出版社
¥1,540
(2024/04/25 07:39:00時点 Amazon調べ-詳細)

ホームケア解説本はこちら↓↓

当ブログの注意点について

Dr.KID
Dr.KID
当ブログは医療関係者・保護者の方々に、科学的根拠に基づいた医療情報をお届けするのをメインに行なっています。参考にする、勉強会の題材にするなど、個人的な利用や、閉ざされた環境で使用される分には構いません。

Dr.KID
Dr.KID
一方で、当ブログ記事を題材にして、運営者は寄稿を行なったり書籍の執筆をしています。このため運営者の許可なく、ブログ記事の盗用、剽窃、不適切な引用をしてメディア向けの資料(動画を含む)として使用したり、寄稿をしないようお願いします。

Dr.KID
Dr.KID
ブログの記載やアイデアを公的に利用されたい場合、お問い合わせ欄から運営者への連絡お願いします。ご協力よろしくお願いします。

 

ABOUT ME
Dr-KID
このブログ(https://www.dr-kid.net )を書いてる小児科専門医・疫学者。 小児医療の研究で、英語論文を年5〜10本執筆、査読は年30-50本。 趣味は中長期投資、旅・散策、サッカー観戦。note (https://note.mu/drkid)もやってます。