今回は、中国北部からの報告例31例で、小児のデータが含まれていたので、そちらを紹介させていただこうと思います。
- 中国北部からの小児31例の報告
- 重症化はなし
- 6割に発熱あり
- ウイルスは7〜23日間検出された
感染者の推移 (3/5):
- 世界:95,118人
- 中国:80,409人
- 日本:330人
- 韓国:5766人
- イタリア:3089人
- イラン:2922人
イランがすごい勢いで増えていますね。気づけば、ヨーロッパの国々も増加傾向にあります。ドイツ・フランス・スペインが200名以上に増加しています。陸続きで、鉄道網なども発達しているので、拡大も早いかもしれないですね。
中国北部における小児新型コロナウイルス31例
今回は、中国の医学誌で報告された、小児の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の31例の報告を解説していきます。
結構、いろんな情報が網羅的に掲載されており、非常に良い論文だと思いました。
概要
1/21〜2/25までに認めた中国北部での新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の小児31例(21の病院)をまとめた症例集積研究となります。
年齢の構成は、平均が7歳1ヶ月[範囲, 6ヶ月〜17歳]となっています。小児のまとまった報告は少なく、非常に貴重な情報と思われます。
感染経路は?
予測される感染経路は以下の通りでした:
n = 31 | % | |
症状のある 成人と接触 |
21 | 68% |
無症状の 成人と接触 |
1 | 3% |
家族内集積 | 28 | 90% |
重症度は?
N=31 | % | |
無症状 | 4 | 13% |
軽症 | 13 | 42% |
中等度 | 14 | 45% |
重症 | 0 | 0% |
ほとんどが軽症〜中等症くらいでして、重症化した例はいなかったようです。
症状は?
症状の特徴のデータも提示されていました。
症状 | N = 31 | % |
発熱 | 20 | 65% |
高熱 | 1 | |
微熱 | 10 | |
3日以上 | 5 | |
3日未満 | 15 | |
咳 | 14 | 45% |
倦怠感 | 3 | 10% |
下痢 | 3 | 10% |
発熱がもっとも一般的な症状のようで、6割くらいですね。大半は微熱〜中等度の熱で、数日で解熱してしまうことが多いようです。
CTは?
CTも撮影されていたようです。異常を認めたのは14例で、そのうち9例はすりガラス陰影があったようです。
ウイルスの検出期間は?
ウイルスの検出期間も調べています。31人中25人が陰性化まで確認されていますが、検出される期間は、
- 7〜23日
とかなり広範囲でした。
感想と考察
31例の症例集積研究です。なんとなくですが、小児における一般的な全体像を反映しているような印象もありました。
多くは家族内の成人からの感染が多いようです。重症化した例はおらず、軽症〜無症状で経過した症例もそれなりにいます。発熱期間は数日くらいがほとんどです。時に咳、倦怠感、下痢を認めることもあるようです。
ウイルスは比較的長期に渡って検出されており、今回の集団では7〜23日のようです。
COVID-19(新型コロナウイルス感染症)が騒動になって1ヶ月以上になりますが、小児に関しては、徐々に情報が増えてきた印象です。現時点で分かっていることをまとめると、以下の通りです:
まとめ
今回は、
- 中国と日本の感染者数の推移
- 中国北部からの小児31例の症例
についてアップデートさせていただきました。
引き続き、新しい情報、過去の文献を読み込んだら、報告させてもらおうと思います。
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