新型コロナウイルス

小児のCOVID-19 (新型コロナウイルス感染症) の情報(3月1日版)

日本小児科学会から2/28に発表された「新型コロナウイルス感染症に関するQ&A」をご紹介します。

ポイント

  •  中国と日本の感染者数の推移
  •  上海から報告された小児の症例報告
マミー
マミー
最近は、新しい報告がありましたか?

Dr.KID
Dr.KID
今回は上海からの症例報告を見つけたので、そちらを見ていきましょう。

中国と日本の感染者数の推移

中国と日本の感染者数の推移は以下の通りです (2/27時点)
  •  世界:85,055人
  •  中国:79,251人
  •  日本:237人

大半が中国で占められていますが、世界全体では8万人が報告されていますね。韓国とイタリアがここにきて、急増しています。

 中国の累積感染者数の推移

中国では、もうすぐ8万人に差しかかろうとしていますが、徐々に新規感染者は鈍化してきて、頭打ちになってきている印象です。ここのところは、8万弱がずっと推移していますね。そろそろ8万を超えそうな印象です。

図のY軸のスケールを対数化させたグラフが右側です。感染者数の増加速度は、徐々に鈍化してきている印象です。

日本の累積感染者の推移

日本の患者数の推移は以下の通りです:

この図を見てしまうと、まだ上昇トレンドで、勢いは増してきている印象で、これから急速に増えてくるかもしれません。

右の図は、Y軸を対数化しています。

累積数は200人を超えましたね。

韓国で感染者数が2,900人を超えたという報告も出ているようです。シンガポールは90人、イタリアが800人を超えています。 

また、アメリカなどを含め、渡航制限が今後どうなるかも注目しています。現在はアメリカは日本に対してレベル2「高齢者や慢性疾患のある人は、不要な渡航を控え、延期するよう推奨」の設定のようです。
韓国に対しては、さらにレベル3に引き上げられています。

  上海でのCOVID-19の小児の症例

今回は、上海から報告された新型コロナウイルス感染(COVID-19)の小児の症例の報告を見ていきましょう。

 症例:7歳男児

生来健康な7歳の小児が、咳・発熱で受診されたようです。父がCOVID-19とすでに診断があったようで、この小児は入院し経過観察となったようです。呼吸苦、嘔吐・下痢、腹痛や頭痛はなかったようです。

対症療法で経過観察し、特に重症化することはなく退院できたようです。

本人の症状は非常に軽かったようですが、回復期に2回PCR検査で陽性が出ており(発症5、9日目)、軽症の小児で無症状となっても、しばらくウイルスが排出されていることがわかったようです。

母は無症状ですが、PCR検査をすると陽性だったようです。

小児は軽症であっても臨床的に治癒した後もウイルスの排泄が続く傾向があるようですね。小児の2019‐nCoV(新型コロナウイルス)感染症のデータは限られており、軽症例および濃厚接触者に対する包括的なウイルス学的検出が中国でも実施されていないようです。

このため、この論文の著者らは、小児が症例数が過小評価されている点を懸念しています。

Dr.KID
Dr.KID
重症例の報告が少ないのはいいことですが、どれだけ小児での検査が行き届いているかは、まだ一抹の不安があります。

 感想と考察

COVID-19(新型コロナウイルス感染症)が騒動になって1ヶ月以上になりますが、小児に関しては、まだ情報が足りていない印象です。

現時点で分かっていることをまとめると、以下の通りです:

Dr.KID
Dr.KID
本日の症例報告を加えました。

まとめ

今回は、

  •  中国と日本の感染者数の推移
  •  上海から報告された小児の症例報告

についてアップデートさせていただきました。

引き続き、新しい情報、過去の文献を読み込んだら、報告させてもらおうと思います。

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ABOUT ME
Dr-KID
このブログ(https://www.dr-kid.net )を書いてる小児科専門医・疫学者。 小児医療の研究で、英語論文を年5〜10本執筆、査読は年30-50本。 趣味は中長期投資、旅・散策、サッカー観戦。note (https://note.mu/drkid)もやってます。