今回は、3ヶ月未満の小児を対象とした新型コロナウイルスのシステマティックレビューを紹介します。
一般的に乳幼児は感染しづらい、重症化しづらいと言われていますが、実際のところはどうでしょうか。
- 3ヶ月未満の乳児を対象にしたシステマティックレビュー
- 重症化率は3%、死亡例はいなかった
- 発熱・咳といった症状が多い
- 感染者との接触歴は7割であった
2021年1月に公表されたようです。
3ヶ月未満の乳児の新型コロナ感染は?[システマティックレビュー編]
研究の背景/目的
乳児において、市中で発症した新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)感染に関する現在の報告を要約し、評価することを目的として研究が行われた。
研究の方法
2019年11月1日〜2020年6月15日までに発表された報告を特定するために、著者らはシステマティックレビューを実施した。
生後 3 ヵ月未満の乳児において、検査室で確認された新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)感染についての報告を対象とした。
新生児期/周産期に新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に曝露し、退院前に診断された新生児、病院発症した症例を報告、検査室で確認せずに臨床的に診断された症例を除外した。
2 名の独立した査読者がスクリーニング、データの抽出、バイアスのリスク評価を行った。
対象となる変数は、患者の年齢、COVID-19への曝露、病歴、臨床症状、SARS-CoV-2検査、検査所見、臨床経過などであった。
研究の結果
- 23件の単発症例報告
- 14件の症例シリーズ
- 1件のコホート研究
を含む、合計38件の論文が包含基準を満たし、検査で新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)感染が確認された生後3ヵ月未満の乳児63例が報告されていた。
ほとんどの症例は軽度から中等度であった。
発熱、呼吸器、消化器、心臓、神経学的所見が報告された。
臨床検査値には、好中球減少症、リンパ球減少症、炎症性マーカーおよびアミノトランスフェラーゼの血清レベルの上昇が含まれていた。
58 例(92%)の乳児が入院し、13 例(21%)が集中治療室に入院し、2 例(3%)が機械換気を必要とした。死亡例は報告されていない。
結論
検査室で新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)感染が確認された乳児のうち、ほとんどの症例は軽度から中等度であり、支持療法により改善した。
このの結果は、呼吸器症状がなくても、発熱や哺乳量の低下などの全身症状を呈する乳児においては、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)感染を疑う指標を高く設定する必要があることを示している。
考察と感想
新生児〜生後3ヶ月までの乳児ですと、外出の機会も少ないでしょうし、感染のリスクはかなり低いのでしょう。
症状としては、
- 発熱 73%
- 咳 38%
- 鼻汁 36%
- 呼吸不全 26%
- 哺乳不良 24%
といった内容でした。
7割は感染者との接触歴があったようです。成人から子供への感染は気をつける必要がありそうですね。
まとめ
3ヶ月未満の小児を対象とした新型コロナウイルスのシステマティックレビューでした。
63例が報告され、重症例は3%、死亡例はなかったようです。
7割ほどが、感染者との接触歴があったようです。
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