今回の研究は、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)以外のコロナウイルスが、どのくらい生存していたのか、検討した研究になります。
今回は、システマティックレビューを見つけたので、そちらを参照してみましょう。
- 新型コロナウイルス以外のコロナウイルスの生存時間を検証
- 環境温度が高いほど、生存時間は短い傾向に
Persistence of coronaviruses on inanimate surfaces and their inactivation with biocidal agents.
新型コロナウイルス「以外」という点は要注意ですよ!
研究の概要
ヒトに感染するコロナウイルスには、風邪の原因ウイルスであるヒトコロナウイルス(HcoV)が4種類(229E、OC43、NL63、HKU1)、2002年に中国の広東省で流行した重症急性呼吸器症候群(SARS-CoV)、サウジアラビアで発見された中東呼吸器症候群コロナウイルス(MERS-CoV)があります。
また、豚に感染する伝染性胃腸炎コロナウイルス (TGEV)、マウスに感染するマウス肝炎コロナウイルス(MCV)など、動物に感染するコロナウイルスもあります。
これらのウイルスを使用して、異なる環境下で、コロナウイルスの生存時間を確認しています。
研究結果は以下の通りでした
家庭でよく使用しそうな素材編
温度が低いほど、ウイルスの生存期間は長いようですね。素材による違いは、このデータだけだと分かりづらいですね。
医療品で使っていそうな素材
こちらは、同じ製品で異なる温度をみていないので、なんとも言えないですね。サージカルグローブやガウンは、比較的、早めにウイルスがいなくなるのですね。
感想と考察
前回、新型コロナウイルスで類似の論文があり、実際に木材や医療品ではどうなんだろう?、と疑問に思ったので、これを解消してくれた論文です。
一方で、これは新型コロナウイルス「以外」ですので、このまま一般化して良いかは、なんとも言えないですね。ウイルス学が専門の方が、どう解釈するかは、気になるところです。
まとめ
今回は、新型コロナウイルス「以外」のコロナウイルスが、温度や素材によって、生存時間がどのくらい異なるか検証したシステマティックレビューを説明しました。
温度が高いほど、ウイルスの消滅する時間は早いようですが、40℃のスチールでも、最大で4日ほどかかりそうですね。
一般化には注意しましょう。
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