ドクター・キッド

〜小児科医が解説する子供の健康・病気・育児〜

若年生特発生関節炎(JIA)って何ですか?

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小児のリウマチは比較的まれですが、大きな病院で1年間外来していると数人ほど受診されることがあります。

昔は若年性関節リウマチ(JRA)と呼ばれていましたが、現在は若年性特発性関節炎(JIA)という名前に変わっています。

若年性特発性関節炎について

若年性特発性関節炎では、関節炎の症状が主にでます。
関節炎とは、関節の痛みが出たり、腫れたり、動かしにくくなる病気のことをいいます。

▪️ 若年性特発性関節炎の原因について

詳しい原因はわかっていません。

ですが、通常は体に侵入してくる細菌やウイルスを攻撃する免疫システムが、間違えて自分の関節(特に滑膜)を攻撃してしまうと、若年性特発性関節炎が起こると言われています。

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若年性特発性関節炎( JIA)は主に5種類あります

若年性特発性関節炎は、主に5種類あり、関節の症状、発熱、発疹などで分類されています。

1. 全身型の若年性特発性関節炎

全身型の若年性特発性関節炎は発熱が長引くことが特徴です。
2週間以上続くことも多いです。

日内変動といって、朝は熱が低く、夕方に熱が高くなる、といった変動を繰り返します。

サーモンピンク色のまばらな発疹が、熱が上がると出てくるのも特徴的です。

1〜16歳の年齢で起こり、男児のほうが女児より多いです。

2. 多関節型の若年性特発性関節炎

このタイプの若年性特発性関節炎は、いわゆる大人がかかるリウマチに似ています。

4箇所以上の関節が6ヶ月以上にわたり炎症を起こした状態です。

両側性といって、左右同時に起こることが多いです。

男児より女児のほうが多いです。

3. 単関節型の若年性特発性関節炎

4箇所以下の関節が6ヶ月以上にわたり炎症を起こします。

こどもの若年性特発性関節炎では、このタイプが最も多いといわれています。

2〜5歳くらいの幼児がかかることが多いです。

片方の膝に起こりやすいのも特徴的です。

4. 付着部関連の若年性特発性関節炎

足首(アキレス腱の付着部)や腰(仙腸関節)の痛みが出ます。

10代の男児の多い疾患です。

クローン病潰瘍性大腸炎が隠れていることがあるため、注意が必要です。

5. 乾癬型の若年性特発性関節炎

複数箇所の関節に痛みや腫れが出ます。

乾癬という特徴的な発疹が出たり、爪の変形を認めることもあります。

手はソーセージ状に腫れてしまうこともあります。

女児のほうが多いです。

症状の特徴について

▪️ 関節の症状について

若年性特発性関節炎の関節の症状は良くなったり悪くなったりするのが特徴的です。

例えば、朝は関節が痛い・こわばって動かしにくいのが、昼〜夕になると痛みが軽減して動かせるようになります。

痛みも激痛というより、軽度〜中程度の痛みで、「歩き方が変」とか「正座ができなくなった」といって受診されることもあります。

一方、細菌による化膿性関節炎の場合は、一日中続く激痛です。

痛みの強さと日内変動から、ある程度見分けることもできます。

▪️ 熱について

全身型では熱が出ることがほとんどですが、それ以外のタイプですと熱がないこともあります。

発熱もずっと高熱が続くというより、一日でアップダウンします。

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受診の目安について

  • 発熱が長引く時(1週間以上)
  • 関節を痛がる時
  • 痛くて動けない時

は大きめの医療機関に受診されたほうがよいでしょう。

検査について

若年性特発性関節炎と診断するには、他の病気(感染症や癌など)を否定する必要があります。

血液検査、関節液の検査、画像検査(MRIなど)をするのが一般的でしょう。

▪️ 眼の検査もします

若年性特発性関節炎には虹彩炎(眼の炎症)が起こっていることがあります。

眼科の先生にも眼の状態をみてもらったほうが良いでしょう。

治療について

若年性特発性関節炎のタイプによって治療は異なりますが;

などを組み合わせることが多いです。

関節炎による痛みで筋力が低下したり、関節が拘縮してしまうことがあるため、早期から理学療法を始めることもあります。

 

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