今回は、小児の夜尿症と自己イメージを検討した研究をご紹介します。
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夜尿症のある小児のほうが、そうでない小児と比較して、身体的な外観や全体的な自尊心のスコアが低い傾向。
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また、男女別に見ると女児の方が、年齢別で見ると高学年の方がその傾向が強かった。
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治療に成功すると、自尊心のスコアなど一部の指標は改善傾向にあった
2001年に公表されたようです。
夜尿症の子どものセルフイメージとパフォーマンス[ベルギー編]
研究の背景/目的
8歳から12歳の夜尿症の子どもの自己イメージを調査し、年齢、性別、臨床症状、一時性と二次性夜尿症、治療の失敗との相関を調べた。
研究の方法
研究グループには50の大学病院が含まれており、治療抵抗性の夜尿症児が選ばれ、最終的な対象者は男子27名、女子23名であった。
平均年齢は9.8歳で、8歳から12歳の子供たちであった。
子どもたちは2つの年齢グループに分類された;I=8-9歳、II=9-12歳
50人中41人が一次性夜尿症であった。
摂取前の治療回数の平均は5.6回で、A=1〜4回、B=5〜8回、C=9〜12回であった。
対照群には夜尿症のない子ども77人が含まれ、男子31人、女子46人であった。
子どもたちの生活の特定の領域における知覚的な能力を測定するために用いた方法は、Harterによる「Self-Perception Profile for Children」であった。この測定は、治療の前後に行われました。
研究の結果
夜尿症の子どもは、夜尿症でない子どもに比べて、身体的外見(p<0.05)とグローバルな自尊心(p<0.01)に関する能力の認識が低く、統計学的な有意差を認めた。
学力に関しては、性別(p<0.01)と年齢(p<0.05)の主効果が見られた。
治療の失敗回数との相関を認めた。治療の失敗回数が多いほど、自尊心は低くなります。治療成功後、「運動能力」と「グローバル自尊心」の改善が見られたが、統計学的には有意ではなかった。
結論
夜尿症は子どもの自己イメージやパフォーマンスに重要な悪影響を及ぼす。
認知された結果は、夜尿症の男児よりも女児の方が低く、年齢が高い方が低い方よりも有意に低かった。昼間と夜間の尿失禁を持つ子どもは、夜間のみの問題を持つ子どもに比べて、学力に関する能力が有意に低下した。
治療が成功すると、運動能力やグローバルな自尊心が高まる傾向にあった。
考察と感想
全体としては、夜尿症のある小児のほうが、そうでない小児と比較して、身体的な外観や全体的な自尊心のスコアが低い傾向にあったようです。
また、男女別に見ると女児の方が、年齢別で見ると高学年の方がその傾向が強かったようです。
一方で、治療に成功すると、自尊心のスコアなど一部の指標は改善傾向にあったようです。
夜尿症は年齢とともに自然軽快する傾向にあり、放置していても自然と治ってしまうのも事実です。それも選択肢の1つではあるものの、時間がかかってしまい、その間に、学校生活や部活動などで大事なイベントに参加しづらかったりといった負の側面があります。
また、夜尿症自体でお子さんの心が傷ついているケースもあるようです。この研究ではその心理的な側面を数値として表わして、さらに治療によってそれが回復する可能性が示唆されたという意味で、とても重要な研究と思います。
まとめ
夜尿症のある小児において、そうでない小児と自己評価を比較した研究になります。
夜尿症のある小児のほうが、そうでない小児と比較して、身体的な外観や全体的な自尊心のスコアが低い傾向にあり、男女別に見ると女児の方が、年齢別で見ると高学年の方がその傾向が強かったようです。
こちらの書籍はとてもおすすめで、小児科医必読ではないでしょうか。
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