制吐剤

メトクロプラミドとオンダンセトロンは吐き気止めとしてどちらが有効?

小児で使用される制吐剤もいくつか種類がありますが、種類が異なれば有効性が異なる可能性もあります。今回の研究では、

  • Metoclopramide (メトクロプラミド;プリンペラン®︎)
  • Ondansetron (オンダンセトロン;ゾフラン®︎)
  • Bromopride

の3種類の制吐剤の有効性を比較・検討しています。

日本の小児の一般外来で使用できるものはプリンペラン®︎くらいですが、他剤との比較された研究結果をみつけたので、解説していきましょう。

研究の方法

今回の研究は、急性の嘔吐症で救急外来を受診した小児を対象にランダム化比較試験が行われました。対象となったのは、

  •  1〜12歳
  •  24時間以内に嘔吐が複数回
  •  制吐剤が必要と指導医が判断した
  •  重度の脱水や基礎疾患ない

方を対象に研究が行われました。

治療は、

  • Metoclopramide (メトクロプラミド;プリンペラン®︎)
  • Ondansetron (オンダンセトロン;ゾフラン®︎)
  • Bromopride

のいずれかを外来で1回筋注しています。

アウトカムは、

  •  1、6、24時間後の嘔吐
  •  下痢の頻度
  •   経口摂取
  •  点滴
  •   再受診

などを指標にみています。

研究結果と考察

最終的に175人の小児が解析対象となりました。

制吐作用について

制吐作用は、

  •   1時間後
  •  6時間後
  •  24時間後

に比較しています。

  B M O
1時間 96.6% 94.8% 100%
6時間 91.5% 84.4% 98.3%
24時間 67.8% 67.2% 96.6%

*B = Bromopride; M = メトクロプラミド; O = オンダンセトロン

薬使用後の経口補水量、点滴や再受診は以下の通りでした:

  B M O
経口補水 150ml 100ml 200ml
点滴 8.5% 10.3% 0%
再受診 5.1% 5.4% 1.7%

 

副作用について

傾眠や下痢などの副作用も評価しています。副作用がなかった割合は以下の通りです。

  B M O
1時間 54.2% 53.5% 75.9%
24時間 64.4% 63.6% 69.0%

副作用の大半は傾眠でした。

考察と感想

今回の研究では、オンダンセトロンは制吐作用が強く、点滴や再受診のリスクを下げる効果があり、さらに副作用も少ない印象でした。
一方で、メトクロプラミド(プリンペラン®︎)は有効性は劣る印象で、今回研究した3剤では最も効果が低いと感じさせる結果です。

日本の小児科外来で使用できる薬は限られているので、かなり考えさせられる結果でしたね。

基本的にはよくデザインされた研究とおもいますが、気になった点としては、プラセボとの比較が見たかったですね。ただ、研究のデザインや倫理的な問題でプラセボをおくことができなかったのかもしれないですね。

まとめ

今回の研究では、オンダンセトロンは制吐作用が強く、点滴や再受診のリスクを下げる効果があり、さらに副作用も少ない印象でした。

一方で、メトクロプラミド(プリンペラン®︎)は有効性は劣る印象で、今回研究した3剤では最も効果が低かったです。

 

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Dr-KID
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このブログ(https://www.dr-kid.net )を書いてる小児科専門医・疫学者。 小児医療の研究で、英語論文を年5〜10本執筆、査読は年30-50本。 趣味は中長期投資、旅・散策、サッカー観戦。note (https://note.mu/drkid)もやってます。