感染予防といえば、手洗い・マスク・うがい、などと言われています。
これまで、手洗いとうがいのエビデンスは沢山解説してきましたが、うがいはどうでしょうか。
日本の小児を対象に行われた観察研究もあったようですので、今回はそちらを解説していきます。
- 小児においてうがいの有効性を検証した観察研究
- うがいは発熱性疾患の発症予防効果がありそう
- 欠席に対しては有効性は示唆されなかった
水のうがい、ポピドンヨードのうがい、コントロールで比較しています。
研究の概要
背景:
発熱は小児で最も一般的な症状の1つであり、呼吸器感染症によって引き起こされることが多い。
呼吸器感染症を予防するために、日本の公的期間はうがいを推奨してきたが、小児における有効性は明らかではない。
方法:
日本の福岡市の145の保育園に通う小児を対象に観察研究に登録した。
曝露群の小児には、少なくとも1日1回うがいをするよう指示した。
この研究のエンドポイントは、日中の発熱の頻度および病欠の頻度であった。
結果:
2~6歳の全部で19,595人の子供を、 20日間観察した(391,900人日)。
多変量ロジスティック回帰分析では、コントロール群と比較して、うがい群における発熱発症のオッズ (OR) は低かった(OR=0.68)。
年齢層別分析では、 このORは、2歳(OR=0.67)、 4歳(OR=0.46)、 5歳(OR=0.41)であった。
コントロールグループと比較して、うがい群では病欠のオッズはやや低かった(OR, 0.92 )。
年齢層別分析ではこの ORは、4歳でOR=0.68、 5歳でOR=0.59、 6歳でOR=0.63であった。
サブグループ解析では、緑茶(OR=0.32)または水道水(OR=0.68)でうがいをした小児で、発熱のオッズは低い傾向にあった。
一方で、病欠に関しては、有効性を認めなかった。
結論:
うがいは小児における熱性疾患の予防に有効である可能性がある
感想と考察
日本の小児で行われた研究があるとは知らなかったので、びっくりしました。結構な大規模な観察研究ですね。
水道水か緑茶で予防効果があったようですが、似たような有効性ですので、基本的には水道水でよいでしょう。
まとめ
今回の研究では、日本の小児において、うがいが風邪の予防になるかを検証した観察研究になります。
うがいの実施で、発熱性の疾患の予防効果が示唆されています。
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