今回は、乳児の生理的胃食道逆流と投薬に関してです。
この推奨を「choosing wisely」ではどのように記載されているのか紹介してみようと思います。
- Choosing wisely:乳児の生理的胃食道逆流と投薬に関して
- 消化管運動促進薬や制酸薬を投与しない
- 検査もルーチンで行わない
Avoid using acid blockers and motility agents such as metoclopramide (generic) for physiologic gastroesophageal reflux (GER) that is effortless, painless, and not affecting growth. Do not use medication in the so-called “happy-spitter.”
American Academy of PediatricsからのChoosing Wisely
合併症のない乳児の生理的胃食道逆流に対して投薬しない[Choosing wisely]
Avoid using acid blockers and motility agents such as metoclopramide (generic) for physiologic gastroesophageal reflux (GER) that is effortless, painless, and not affecting growth. Do not use medication in the so-called “happy-spitter.”
There is scant evidence that gastroesophageal reflux (GER) is a causative agent in many conditions though reflux may be a common association. There is accumulating evidence that acid-blocking and motility agents such as metoclopramide (generic) are not effective in physiologic GER. Long-term sequelae of infant GER is rare, and there is little evidence that acid blockade reduces these sequelae. The routine performance of upper gastrointestinal (GI) tract radiographic imaging to diagnose GER or gastroesophageal disease (GERD) is not justified. Parents should be counseled that GER is normal in infants and not associated with anything but stained clothes. GER that is associated with poor growth or significant respiratory symptoms should be further evaluated.
生理的胃食道逆流(GER)で、辛さや痛みがなく、成長にも影響がないものには、制酸剤や消化管運動促進薬(メトクロプラミドなど)の使用は避ける。いわゆる “ハッピースピッター “への投薬はしない。
逆流は共通の関連性があるかもしれませんが、胃食道逆流(GER)が多くの疾患の原因となっているというエビデンスはほとんどありません。
メトクロプラミドのような消化管運動促進薬や制酸薬は生理的GERには効果がないというエビデンスが蓄積されている。
乳児期のGERの長期的な後遺症はまれであり、制酸薬がこれらの後遺症を軽減するというエビデンスはほとんどない。
上部消化管(GI)のX線画像診断を、GERや胃食道疾患(GERD)の診断のために日常的に行うことは正当化されていない。
乳児のGERは正常であり、衣服の汚れ以外には関係がないことを保護者に説明すべきである。一方で、成長不良や呼吸器症状に関連したGERはさらに評価すべきである。
考察と感想
成人とは異なり、乳児の食道括約筋の機能は未熟であるため、胃から食道、口へと逆流する傾向にあります。
これは病気でないことが多く、ほとんどは自然に軽快します。大まかにですが、生後1ヶ月では9割前後の小児が逆流します。しかし、1歳時点では1割まで自然に減少すると言われています。
ミルクや母乳を飲んで吐いてしまったとしても、本人がケロッとして元気であれば、投薬や特別な検査は必要ないのでしょう。
まとめ
今回は、乳児の生理的胃食道逆流と投薬しないに関するchoosing wiselyをご紹介しました。
これ以外にも項目が出ているようなので、コツコツと読んでいこうと思います。
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