賢明な医療の選択

必要な状態でない限り、心肺機能やパルスオキシメトリの継続的なモニタリングを適用しない[Choosing wisely]

今回は、入院患者の持続モニタリングに関してです。

この推奨を「choosing wisely」ではどのように記載されているのか紹介してみようと思います。

ユーキ先生
ユーキ先生
入院患者の持続モニタリングに関して、どうしたら良いのでしょうか?

Dr.KID
Dr.KID
Choosing wiselyを見てみましょう。

ポイント

  •  Choosing wisely:入院患者の持続モニタリング
  •  必要な状態でない限り、持続的なモニターをしない

  American Academy of NursingからのChoosing Wisely

必要な状態でない限り、心肺機能やパルスオキシメトリの継続的なモニタリングを適用しない[Choosing wisely]

Don’t apply continuous cardiac-respiratory or pulse oximetry monitoring to children and adolescents admitted to the hospital unless condition warrants continuous monitoring based on objectively scored cardiovascular, respiratory, and behavior parameters.

Nurses use continuous electrocardiography (ECG), respiratory, and pulse oximetry monitoring to track patient vital signs and trends, and to help identify signs of patient status deterioration. However, when pulse oximetry and physiologic monitoring are used inappropriately, significant cost burdens can affect the entire healthcare system. In addition, the high number of alarm alerts and level of noise created by these alarms leads to alarm fatigue. When high levels of false alarms occur in the work environment, clinically significant alarms may be masked by being silenced or unrecognized when clinicians become desensitized. In addition to alarm fatigue, continuous bedside monitoring of pediatric patients can provide a false sense of security that the patient is “safer” and that the nurse will note status changes in a patient more easily when a bedside monitor is used. Continuous bedside monitoring should not be used in place of hourly safety checks. Focused nursing assessments using a standardized early warning tool should be used to monitor changes in a pediatric patient’s status to identify deteriorations.

入院している小児や青年に対しては、客観的にスコアリングされた心血管、呼吸、行動のパラメータに基づいて、継続的なモニタリングが必要な状態でない限り、心肺機能やパルスオキシメトリの継続的なモニタリングを適用しない。

看護師は、患者のバイタルサインとその傾向を把握し、患者の状態悪化の兆候を見極めるために、心電図(ECG)、呼吸器、パルスオキシメトリの連続モニタリングを行います。

しかし、パルスオキシメトリや生理学的モニタリングが不適切に使用されると、多大なコスト負担が医療システム全体に影響を及ぼします。

さらに、アラームの数が多く、これらのアラームによるノイズレベルが高いと、アラーム疲労につながります。職場環境で大量の誤報が発生すると、臨床的に重要なアラームが消音されてマスクされたり、臨床医が鈍感になって認識されなくなったりします。

アラーム疲労に加えて、小児患者のベッドサイド連続モニタリングは、患者が「より安全である」という誤った安心感を与え、看護師はベッドサイドモニタを使用することで患者の状態変化をより簡単に記録することができます。

継続的なベッドサイドモニターは、1時間ごとの安全確認の代わりに使用すべきではありません。小児患者の状態の変化を監視して悪化を特定するためには、標準化された早期警告ツールを用いた集中的な看護評価を行うべきである。

考察と感想

過剰なアラームに関するchoosing wiselyでした。持続アラームをつけることでモニターできるわけですが、特に乳幼児の場合は動いたり外したりで生じるアラームの誤作動は多いです。このため、アラームの誤報が生じて医療者の労力を奪いかねないというのはその通りだと思います。

このため、持続アラームの適応やカットオフ値も必要になってくるのでしょうが、その辺りはまだ勉強不足ですので、参考文献も読んでみようと思います:

Fuijkschot, J., Vernhout, B., & Lemson, J., Draaisma, J.,. (2015). Validation of a Paediatric Early Warning Score: first results and implications of usage. European Journal of Pediatrics, 174(1), 15-21. doi:10.1007/s00431-014-2357-8.

Gazarian, P. K. (2014). Nurses’ response to frequency and types of electrocardiography alarms in a non-critical care setting: a descriptive study. Int J Nurs Stud, 51(2), 190-197. doi:10.1016/j.ijnurstu.2013.05.014.

Karnik, A., Bonafide, C.P. (2015). A framework for reducing alarm fatigue on pediatric inpatient units. Hospital Pediatrics, 5(3), 160-163.

Murray, J. S. W., L.A.; Pignataro, S.; Volpe, D. (2015). An integrative review of pediatric early warning system scores. Pediatric Nursing, 41(4), 165-174.

Sendelbach, S., Wahl, S., Anthony, A., & Shotts, P. (2015). Stop the Noise: A Quality Improvement Project to Decrease Electrocardiographic Nuisance Alarms. Crit Care Nurse, 35(4), 15-22; quiz 11p following 22. doi:10.4037/ccn2015858.

Watkins, T., Whisman, L., & Booker, P. (2016). Nursing assessment of continuous vital sign surveillance to improve patient safety on the medical/surgical unit. J Clin Nurs, 25(1-2), 278-281. doi:10.1111/jocn.13102

まとめ

今回は、先天性股関節脱臼と検査に関するchoosing wiselyをご紹介しました。

これ以外にも項目が出ているようなので、コツコツと読んでいこうと思います。

 

created by Rinker
¥6,600
(2021/07/24 11:45:19時点 Amazon調べ-詳細)

Dr. KIDの執筆した書籍・Note

医学書:小児のかぜ薬のエビデンス

小児のかぜ薬のエビデンスについて、システマティックレビューとメタ解析の結果を中心に解説しています。
また、これらの文献の読み方・考え方についても「Lecture」として解説しました。
1冊で2度美味しい本です:

小児の診療に関わる医療者に広く読んでいただければと思います。

医学書:小児の抗菌薬のエビデンス

こちらは、私が3年間かかわってきた小児の抗菌薬の適正使用を行なった研究から生まれた書籍です。

日本の小児において、現在の抗菌薬の使用状況の何が問題で、どのようなエビデンスを知れば、実際の診療に変化をもたらせるのかを、小児感染症のエキスパートの先生と一緒に議論しながら生まれた書籍です。

created by Rinker
¥3,850
(2021/07/24 10:34:34時点 Amazon調べ-詳細)

Dr.KID
Dr.KID
各章のはじめに4コマ漫画がありますよー!

noteもやっています

かぜ薬とホームケアのまとめnote

小児のかぜ薬とホームケアの科学的根拠

 

小児科外来でよくある質問に、科学的根拠を持って答えるnote

保護者からのよくある質問に科学的根拠で答える

 

当ブログの注意点について

当ブログは医療関係者・保護者の方々に、科学的根拠に基づいた医療情報をお届けするのをメインに行なっています。参考にする、勉強会の題材にするなど、個人的な利用や、閉ざされた環境で使用される分には構いません。

一方で、当ブログ記事を題材にして、運営者は寄稿を行なったり書籍の執筆をしています。このため運営者の許可なく、ブログ記事の盗用、剽窃、不適切な引用をしてメディア向けの資料(動画を含む)として使用したり、寄稿をしないようお願いします。

ブログの記載やアイデアを公的に利用されたい場合、お問い合わせ欄から運営者への連絡お願いします。ご協力よろしくお願いします。

ABOUT ME
Dr-KID
このブログ(https://www.dr-kid.net )を書いてる小児科専門医・疫学者。 小児医療の研究で、英語論文を年5〜10本執筆、査読は年30-50本。 趣味は中長期投資、旅・散策、サッカー観戦。note (https://note.mu/drkid)もやってます。