Cancer Epidemiology (がんの疫学)

Cancer Epidemiology (がんの疫学)(16)| タバコの消費量について

前回は発がん物質としてのタバコについて説明してきました。

今回は、タバコの消費量について世界的なトレンドを簡単に説明していければと思います。

大陸別にみたタバコの消費量

(WHO)

2009年のデータなのでやや古いですが、タバコの消費量の分布は上の図のようになっています。

西太平洋が最も多く、ついで欧州、アメリカの順になっています。

国別にみたタバコの消費量

2014年のデータになりますが、国別での消費量もあります。

(WHOのデータより)

世界では58億本物タバコが消費されていますが、最も多いのは中国です。日本は世界では5番目の消費量です。


(WHO)

タバコの消費量は世界的には横ばいですが、中国は突出して増加しているのが分かります。

中国での喫煙者は一日あたり平均22本のタバコを吸っており、1980年から2013年の間に50%ほど増加しているようです。

タバコ消費量の年次トレンド


(WHO)

タバコの消費量ですが、1880年より徐々に増加してきて、戦後から急増しています。

わずか100年で100倍以上も増えた計算になります。

喫煙者数の分布について| 男性

喫煙者数の分布ですが、15歳以上を対象にすると、世界の男性人口の1/3は喫煙者であると推定されています。その数は、およそ8.2億人です。

近年は喫煙者は低所得 or 中所得国が増えていて、80%がこれに該当します。

喫煙者の増加と、タバコに関連した死亡の増加にはインターバルがあります。


(WHO)

高所得国の過去と同じような道を辿ると仮定すると、中・低所得国のタバコの消費量も徐々に増加してきます。それに伴い、タバコによる死亡者数も遅れて増えてきます。

喫煙者数の分布について| 女性

世界的には1.7億人の女性が喫煙者と推定されています。女性の場合、喫煙者は高所得国に多いのが特徴的です。


(WHO)

男性と比較すると緩やかな増加ですが、タバコの消費量は低・中所得国でこれから増加することが予想されています。

また、タバコによる死亡数は、高所得国においてもまだピークを迎えていないのかもしれません。

おわりに

タバコの消費量は年々増加していますが、増加は高所得国から低所得国へと移動しています。

喫煙に伴う慢性疾患の増加は、これらの国から増えてくることが予測されます。

次回は、受動喫煙について簡単に説明していこうと思います。

 

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Dr-KID
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このブログ(https://www.dr-kid.net )を書いてる小児科専門医・疫学者。 小児医療の研究で、英語論文を年5〜10本執筆、査読は年30-50本。 趣味は中長期投資、旅・散策、サッカー観戦。note (https://note.mu/drkid)もやってます。