麻疹

インドでのはしか:BuxaのDukpa部族における流行、疫学、およびワクチンの有効性[インド編]

インド、西ベンガル州のBuxa Hillsに住むDukpa部族の間で2011年の4月から6月にかけて麻疹のアウトブレイクが発生しました。麻疹はワクチンで予防可能な疾患でありながら、インドではその発生とアウトブレイクが一般的です。本研究では、このコミュニティにおけるワクチンのカバレッジ、ワクチンの有効性、麻疹のアウトブレイクのパターンを評価するための調査が行われました。

 
参考文献

Bhuniya S, Maji D, Mandal D, Mondal N. Measles outbreak among the Dukpa tribe of Buxa hills in West Bengal, India: epidemiology and vaccine efficacy. Indian J Public Health. 2013 Oct-Dec;57(4):272-5. doi: 10.4103/0019-557X.123273. PMID: 24351391.

インドでのはしか:BuxaのDukpa部族における流行、疫学、およびワクチンの有効性[インド編]

研究の背景/目的

はしかはワクチンで予防可能な疾患であるにもかかわらず、インドではその発生とアウトブレイクが一般的です。

2011年の4月から6月にかけて、Jalpaiguri地区のKalchiniブロックのBuxa丘に位置する、Dukpa部族によって居住されている4つの遠隔でアクセスが困難な小集落では、はしかのアウトブレイクが発生しました。

研究の方法

このコミュニティでのはしかのアウトブレイクのパターンを記述し、ワクチンのカバレッジとワクチンの有効性(VE)を評価するための調査を実施しました。

研究の結果

全体の発症率は14.3%であり、男性と女性ではそれぞれ12.6%と16.0%でした(P = 0.189)。発症率は0歳から<5歳で最も高く(40%)、次いで5歳から<15歳で36.5%でした。VEは66.3%(信頼区間の95%は46.9-78.6%)でした。

結論

アンリーチャブルな地域に到達するための特別な戦術を通じて、ワクチンのカバレッジを急速に増加させる必要があります。

考察と感想

本文には「ワクチン有効性(VE)の計算のための9-59ヶ月の子供のコホートサイズは68でした。これらの中で、50人がワクチンを接種しており、残りは振り返り観察でワクチン未接種でした。ワクチン接種者と未接種者の発症率はそれぞれ30.0%と88.9%でした。」と記載があるので、以下のようなTableが想定されます:

予防接種 あり なし
麻疹あり 15 16
人数 50 18

この研究では、VEは66.3%(95%CI: 46.9-78.6%)であると推定されました。

9-59ヶ月の子供たちの中でのワクチン接種時期によるVEは、2つのグループ、すなわち9ヶ月から12ヶ月の間にワクチン接種された(VE = 66.59%)と12ヶ月以降にワクチン接種された(VE = 65.38%)の間でわずかな違いが示されました。

既存の麻疹ワクチンより有効性が低く推定されている点が気になりましたが、研究のデザインやサンプル数の少なさからくるものかもしれません。

Dr. KIDの執筆した書籍・Note

絵本:めからはいりやすいウイルスのはなし

知っておきたいウイルスと体のこと:
目から入りやすいウイルス(アデノウイルス)が体に入ると何が起きるのでしょう。
ウイルスと、ウイルスとたたかう体の様子をやさしく解説。

感染症にかかるとどうなるのか、そしてどうやって治すことができるのか、
わかりやすいストーリーと絵で展開します。

絵本:はなからはいりやすいウイルスのはなし

こちらの絵本では、鼻かぜについて、わかりやすいストーリーと絵で展開します。

絵本:くちからはいりやすいウイルスのはなし

こちらの絵本では、 胃腸炎について、自然経過、ホームケア、感染予防について解説した絵本です。

医学書:小児のかぜ薬のエビデンス

小児のかぜ薬のエビデンスについて、システマティックレビューとメタ解析の結果を中心に解説しています。
また、これらの文献の読み方・考え方についても「Lecture」として解説しました。
1冊で2度美味しい本です:

小児の診療に関わる医療者に広く読んでいただければと思います。

医学書:小児の抗菌薬のエビデンス

こちらは、私が3年間かかわってきた小児の抗菌薬の適正使用を行なった研究から生まれた書籍です。

日本の小児において、現在の抗菌薬の使用状況の何が問題で、どのようなエビデンスを知れば、実際の診療に変化をもたらせるのかを、小児感染症のエキスパートの先生と一緒に議論しながら生まれた書籍です。

created by Rinker
¥3,850
(2023/12/04 14:33:29時点 Amazon調べ-詳細)

Dr.KID
Dr.KID
各章のはじめに4コマ漫画がありますよー!

noteもやっています

かぜ薬とホームケアのまとめnote

小児のかぜ薬とホームケアの科学的根拠

 

小児科外来でよくある質問に、科学的根拠を持って答えるnote

保護者からのよくある質問に科学的根拠で答える

ABOUT ME
Dr-KID
このブログ(https://www.dr-kid.net )を書いてる小児科専門医・疫学者。 小児医療の研究で、英語論文を年5〜10本執筆、査読は年30-50本。 趣味は中長期投資、旅・散策、サッカー観戦。note (https://note.mu/drkid)もやってます。