トイレトレーニング(トイトレ)の方法を比較した研究は少ないながらもあるようです。
少し古い文献になりますが、1960年代に開発された「Azrin & Foxx 法」と「親やトレーナーの経験則」を比較した研究を紹介します。
- トイトレ法を比較した研究
- 親やトレーナーの経験則に基づくより、Azrin & Foxx法の方が成功率が高い
- Nが少なく、追加検証は必要
Matson JL, Ollendick TH. Issues in toilet training normal children. Behav Ther. 1977;8(4):549–53.
研究の方法
この研究の対象となったのは、
- 20-26ヶ月の用事
が該当しています。
介入について
この研究での介入は、
- Azrin & Foxx 法
- 親やトレーナーからの経験則によるトイトレ法
のいずれかをランダムに投与しています。
アウトカムについて
アウトカムに関しては、
- トイトレの成功(排尿・排便のコントロール)
を見ています。
研究結果と考察
最終的に10人が研究に参加し、Azrin & Foxx 法に5人、経験のある親 or トレーナーによる指導は5人に割り振られています。
トイトレの成功率
Azrin | 経験 | |
成功率 | 4/5 | 1/5 |
RR | 4.0 (0.66 to 24.4) | |
RD | +60% (+10% to +109.6%) |
Nは非常に少ないですが、Azrin & Foxx法の方が成功率は高かったようですね。リスク比にして4倍、リスク差にして+60%ほど高くなっています。
感想と考察
Nがかなり少ないので、なんとも言えませんが、トイトレの方法を比較した研究があることに驚きました。成功率はAzrin & Foxx法の方が高かったようです。
トイトレを含んだ育児の方法は、ついつい経験則で語られがちです。経験則も全て悪いわけじゃないのですが、「あなたの方法は私の子には合わない」というのが起こりがちです。よく「〇〇ママが教える育児」というのが巷で噂になるようですが、それのほとんどが経験則(と少しだけの理論武装)をもとにしたお話ばかりで、特に極端な意見が脚光を浴びやすい傾向にあります。
まずは平均的な方法、よく検討された方法という基本を理解することの方が、私は大事ではないかと思っています。
まとめ
非常にNが少ないですが、Azrin & Foxx法と経験則の基づくトイトレ法をランダム化比較試験で検討した研究結果でした。
この結果によると、Azrin法の方がよさそうな印象を受けますが、Nが少なく、追加検証は必要と思いました。
古い論文ですので、他にも類似のものがないか、探してみようと思います。
- トイトレ法を比較した研究
- 親やトレーナーの経験則に基づくより、Azrin & Foxx法の方が成功率が高い
- Nが少なく、追加検証は必要