小児科

【患者相談】こどもの機嫌が悪い時の対処法【注意すべきサイン・受診基準など】

  • 『こどもの機嫌が悪いのですが、自宅でみていてよいのでしょうか?』
  • 『機嫌が悪い時、なにをみたらよいでしょう?』
  • 『どこかに電話などで相談したほうがよいですか?』
  • 『病院やクリニックにいってもよいですか?』

子供の機嫌が悪い時、理性的に我慢できないので、保護者としてもかなり焦ってしまうことでしょう。

ほとんどのケースで、時間とともに自然に落ち着いてしますが、原因が分からないことが多いです。
しかし、時に緊急性の高い疾患、急に悪化する病気が隠れていることもありえます。

今回は、「こどもの機嫌不良」について解説していければと思います。

 泣き方・意欲・意識と重症さ

こどもの機嫌が悪い時、多くは以下の順で重症になっていきます;

  1. 激しく、大きな声をあげて泣く
  2. 食欲や水分摂取、遊ぶ意欲がなくなる
  3. 泣き声が徐々に弱々しくなる
  4. 意識が悪くなる(反応が鈍くなる)
  5. 呼びかけに応じなくなる

お早めに受診したほうがよい例

上の5つでいえば、「泣き声が弱々しく感じる」「呼びかけに応じない・意識がおかしい」などに該当する時は、お早めに受診されたほうがよいと考えています。

消耗して泣き声が弱々しくなったり、呼びかけに応じないほど意識が悪いのは、よほどのことがないとこれらは起こらないですし、重症な疾患が隠れている可能性が高いからです。

激しく機嫌が悪い時にどうすべきか

「泣き声が弱々しい」「意識が悪い」はその時点で受診したほうがよいのは明らかですが、その一方で「大きな声で泣き、機嫌も悪い」ときは迷ってしまうと思います。

基本的には大きな心配はいらないことが多く、

  • 痛い
  • 痒い
  • 寂しい
  • 温度、食べ物が嫌だった
  • 家族に怒られて嫌だった

など、何かしらの不愉快や不快の場合です。

こどもをよく観察して、あやしてみるとよいでしょう。
あかちゃんであれば、母乳やミルクをあげて落ち着くかどうかみてみましょう。

「なにかおかしい」と感じた時

いつものようにあやしても、不機嫌が続くなど、「あれ、なにかおかしい」と感じることもあるかもしれません。いわゆる保護者の勘です。

ひとつ言えることは、「なにかおかしい」と感じた時は受診されてください。

 以前、こちらの記事を紹介しましたが、小児科医の「なにかおかしい」という感覚はこどもの重症化を予測するものでした。この小児科医が「なにかおかしい」と感じるのは、

  • 小児科医がこどもを診察をして「なにかおかしい」と感じた
  • 親御さんの「なにかおかしい」という訴えを真摯に受けとった

の双方が絡んでいると思います。

私個人としても、過去に

  • 「なにかいつもと違うと思い受診しました」

という保護者の訴えで、重症な疾患を見逃さずに済んだ経験が多数あります。

自宅でできるこどもの診かた

こどもを診る際に注意しているのは、

  • 泣き方、機嫌の悪さ
  • おむつの中
  • 全身の確認

です。

泣き方や機嫌についてはすでに詳しく説明したので、残り2つについて解説していきます。

おむつの中をみてみる

原因がおむつの中にあるケースとして、

  • 便秘症
  • おむつ皮膚炎
  • 胃腸炎
  • 鼠径ヘルニアや腸重積

などがありえます。

乳幼児の場合、2−3日便が出ないだけで腹痛や不快感をきたすことがあります。
便秘の基準は以下の詳しく書いています。

 胃腸炎があったり、おむつで蒸れてしまうと皮膚炎を起こすこともあります。
こちらにおむつ皮膚炎の対処法を詳しく書いています。

 また、頻度は多くはありませんが、鼠径ヘルニアや腸重積が隠れているケースもあります。鼠径ヘルニアは股に膨らみがでるので、見た目で分かります。

 腸重積など腸の疾患の場合、血便が出てくることがあります。
血便がでてきたら、一度は小児科に受診されたほうがよいと考えています。 

www.dr-kid.net

全身をみてみる

お腹の次は全身をみてみましょう。まずは、

  • 食べる、飲む
  • 寝る
  • 遊ぶ

といった基本的なことができているかみてみましょう。このなかで、1つでも欠けているようなら、小児科に受診する目安となります。

その他の目安として、

  • 顔色:真っ赤、真っ青、真っ白
  • 目や手の動き:けいれん(ひきつけ)がないか
  • 発熱
  • 呼吸の音:変な咳、ゼーゼー、苦しそうか

などをみてみましょう。

小児科医が気をつけている不機嫌の原因

不機嫌の原因も様々ですので、小児科では全身をくまなく診察しながら原因を探ります。

  • 重症感染症:髄膜炎、骨髄炎、関節炎
  • お腹や股:腸重積や鼠径ヘルニア、精巣捻転
  • 心臓:心不全や不整脈、川崎病
  • 気道:気道異物、肺炎・気管支炎
  • 骨折
  • 薬の副作用

など、様々な疾患を念頭に診察する必要であります。

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まとめ

今回は「こどもの機嫌が悪い」時の注意すべきサインや受診の目安などを説明してきました。

「受診の基準」というと厳格に思われるかもしれませんが、あくまでの目安です。

保護者の方々が「なにか変」「おかしい」と思ったら、受診する理由に十分なりますので、ためらわず受診されてよいでしょう。

Reference

・CURRENT Diagnosis and Treatment Pediatrics, Twenty-Fourth Edition
・Nelson Textbook of Pediatrics, 2-Volume Set
・Nelson Essentials of Pediatrics, 8e
・Medical Note presents
・小児科学, 10e
・小児の薬の選び方・使い方
・HAPPY!こどものみかた
・子どもの風邪
・小児科診療ガイドライン
・今日の治療薬

ABOUT ME
Dr-KID
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このブログ(https://www.dr-kid.net )を書いてる小児科専門医・疫学者。 小児医療の研究で、英語論文を年5〜10本執筆、査読は年30-50本。 趣味は中長期投資、旅・散策、サッカー観戦。note (https://note.mu/drkid)もやってます。
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