小児科

幼児(3〜4歳)からできる歯の健康づくり【むし歯予防】

前回は乳幼児の歯磨きについて解説してきました。

今回は、もう少し対象年齢をあげて、3−4歳からできる歯の健康づくりについて、説明していこうと思います。

3歳頃の歯について

 3歳頃になると、徐々に乳歯は増えてきて、20本になります。

乳歯の根元の奥には、永久歯の芽ができており、徐々に成長してきます。

「永久歯にどうせ生えかわるから」と言わず、乳歯からしっかりと歯の健康を保つようにしましょう。

乳歯の役割ってなんですか?

乳歯の役割として

  • 成長・発達のための栄養摂取
  • 発音など、言葉を発する
  • 永久歯の案内(正しい場所に生えるための指標)

があります。

歯・口の中の異常について

小児の歯や口の中の異常で多いのは、

  • むし歯
  • 歯肉炎
  • 口内炎
  • 噛み合わせや歯並び
  • 歯の外傷

が多いです。

むし歯は年齢とともに増えていきます

むし歯のないこどもの割合ですが

  • 1歳:98%
  • 2歳:80%
  • 3歳:70%
  • 4歳:50%
  • 5歳:40%
  • 6歳;35%

 といわれています。

年齢とともに、むし歯ができてしまいますが、ある程度は予防できます。

むし歯の予防法について

むし歯の予防法として、

  1. 食生活
  2. ブラッシング
  3. フッ素

の3つの対策があります。

1.  食べ物の対策について

間食でだらだらとお菓子を食べたりすると、歯が酸性になっている時間が長く、虫歯になりやすいです。ポイントとして;

  • おやつの時間と量を決める
  • 歯にくっつきやすい物は避ける
  • 砂糖の入った飲み物をダラダラと飲むのは控える

といった点があげられます。

2. ブラッシングについて

むし歯ができやすい場所はある程度決まっていて;

  • 前歯の歯間
  • 奥歯
  • 奥歯の歯間
  • 歯と歯茎の間

あたりです。

あぶらしやデンタルフロスを使って、しっかりと綺麗にしましょう。

 3. フッ素について

フッ素は;

  • カルシウムの再沈着(再石灰化)を助ける
  • 酸に溶けにくくなる
  • 細菌(むし歯の原因菌)が酸の生成するのを抑える

といった作用があります。

フッ素を利用して丈夫な歯を作るには;

  • フッ素入りの歯磨き粉を利用する
  • 歯医者さんでフッ素を塗布してもらう

などの方法があります。 

 フッ素の虫歯予防効果は数多くの研究で確認されています。

 なかには水道水のフッ素を添加することで、住民全員にむし歯予防をする国や地域もあります。

もちろん水道水に添加しなくても、歯磨き粉から使用することができます。

まとめ

今回は幼児の歯の健康づくりを中心に説明してきました。

虫歯などを予防して、健康的な歯を保ちましょう。

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ABOUT ME
Dr-KID
このブログ(https://www.dr-kid.net )を書いてる小児科専門医・疫学者。 小児医療の研究で、英語論文を年5〜10本執筆、査読は年30-50本。 趣味は中長期投資、旅・散策、サッカー観戦。note (https://note.mu/drkid)もやってます。