『発熱』は小児科外来受診の理由として、最も多いです。
外来でよく質問されることの1つで:
- 『熱が出た時は、冷やしたほうがよいですか?』
- 『それとも、しっかり着せて温めたほうがよいですか?』
という質問がとても多いです。
『冷やすべきか or 温めるべきか』について、(個人的な考えですが)少し語ってみようと思います。
目次
感染症で発熱する理由について
まず、『冷やすべきか or 温めるべきか』を語る前に、なぜ熱が出るのかを説明していきましょう。
熱は病原体(ウイルスや細菌)と戦っている証拠
まず、熱は感染の原因となるウイルスや細菌と戦っている証拠です。
ウイルスが体内に侵入すると、脳(視床下部)にある『体温調節中枢』の設定温度が上がります。
体温調節中枢の設定温度が上がると、目標の温度まで体は体温を上げようとします。
ブルブルと震えるような時の対処法
どのように体は体温を上げているか
脳の体温調節中枢の設定温度が上がった後、体は体表から熱が奪われるのを防ごうとします。
具体的には、手足の細い血管を引き締めて、体表に向かう血流を最小限に留めます。
このため、熱の上がり始めは、手足の色が悪くなったり、冷たくなることがあります。
さらに、筋肉を震わせることで、熱を作り出します。
『悪寒・戦慄(せんりつ)』と言われる震えは、熱を作り出すプロセスの1つです。
ブルブルと震えて寒がっているなら、温めてあげましょう
特に発熱の初期は体温が上昇するために、手足が冷たくなったり、ブルブルと震えることがあります。
このような時は、暖かい衣類や毛布などで温めてあげると良いでしょう。
熱が上がりきると、汗をかいて暑がる
一旦、体温が上がりきると、次は手足が温かくなり、汗をかくようになります。
手足への血流を増やし、汗をかいて熱を体外へ追い出そうとします。
熱はこもらないようにしましょう
熱が上がりきり、手足が温かくなり、汗をかくようになったら、熱がこもらないようにしてあげましょう。
熱はこもらないほうが、体は楽です。
1枚薄着にしたり、掛物の数を減らすと良いでしょう。
臨機応変に対応しましょう
私たち大人でも熱が出ると、ブルブルと震えるように寒く厚着したくなるタイミングと、暑くて薄着にしたくなるタイミングがあります。
子供も基本的に一緒ですので、よくお子さんを監視して、タイミングを探るとよいでしょう。
まとめ
熱が出た時に冷やすべきか or 温めるべきか、は
- 手足が冷たく、ブルブルと震えるように寒がれば温めてあげる
- 手足が温かく、汗をかくようなら、薄着にしてあげる
とよいでしょう。
タイミングが重要ですので、臨機応変に対応していきましょう。