スクリーンタイム(テレビなどの画面の視聴時間)について、18〜24ヶ月未満の乳幼児は、基本的に設けないことが推奨されています。
この理由の1つとして、この月齢のお子さんは、動画からほとんど言葉を学ぶことができないことが、過去の複数の研究からわかっているからです。
今回は、その1つを見ていきましょう。
- 4週間にわたり行われたランダム化比較試験
- DVDによって、12〜18ヶ月の幼児が、言葉を学習するか検証
- この月齢の小児は、DVDからはほとんど言葉を学習しなかった
- 保護者との相互作用や、直接の対話から言葉を学習する傾向にある
- DVDが好きな保護者は、その学習効果を過剰評価する傾向にあった
スクリーンタイムは、米国小児科学会は2016年の改訂で、2歳未満は0時間(みせないこと)、2〜5歳は1時間までを推奨しています。テレビなどを観る際も、保護者と一緒にみることを推奨しています。
研究の概要
背景
近年、米国をはじめとして、世界中の親たちが、幼児向けにデザインされた膨大な数のビデオやDVDを購入している。
方法
著者らは、家庭で4週間にわたり、週に5回、人気のDVD (39分間)を見ることで、生後12か月から18か月の子供がどれだけ多くの新しい単語を学んだかを調べた。
ランダムに4つのグループに分け:
- DVD: 保護者との相互作用(触れ合い)あり
- DVD: 保護者との相互作用なし
- 保護者が目的とする言葉をDVDなしで教育
- コントロール:特に何もしない
の4つに分けられた。
結果
結果は以下の図の通りでした:
最も重要な結果は、DVDを見た子どもたちが、1カ月間DVDを見たことで、対照群よりも多くの言葉を覚えることが_できなかった_ことです。
最高レベルの学習は、ビデオがない状態で、親が毎日の活動中に目標とする言葉を子供に教えようとする状態で起こった。
もう1つの重要な結果は、DVDを気に入っている親は、子どものDVDからの学習効果を過大評価する傾向があった。
結論として、幼児はメディアから比較的ほとんど学習せず、時に彼らの両親はメディアから学習することを過大評価する。
感想と考察
12〜18ヶ月の幼児を対象としていましたが、単にDVDからの動画を流すだけでは、言葉はほとんど学習しなかったようです。
保護者との関わりがあると少し単語を覚えたようですが、DVDなしで言葉を教育した方がより効果は大きかったようです。
まとめ
赤ちゃんのビデオを見た経験がある親は、通常の発達上の変化を、ビデオによる効果と誤認する傾向があるようです。また、これによって、彼らの子供の発達に対するビデオの影響を過大評価する傾向にあるようです。
この年齢の幼児が実際にビデオから学習する程度は、無視できるほどわずかです。
乳幼児のスクリーンタイムの考え方をまとめたnoteはこちらになります↓↓
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